報道ステーション (ニュース)
石川県輪島市にある県立門前高校。この地域では野球で町おこしを合言葉に、3年前から市と地元の人たちが、全面的に野球部員を応援するというユニークな取り組みを進めてきた。そのさなかに起きたのが1年前の能登半島地震だった。県外に避難せざるを得ない部員もいる中、それぞれが懸命に活動を続け、チームはエースピッチャーが今年のドラフト会議で育成枠での指名を受けるまでに成長した。過疎化が進む町と若者たち。支え合いのキャッチボールを取材した。今年のドラフト会議。指名された123人の中で最後に名前を呼ばれた高校生がいる。来年度からソフトバンクホークスに入団する塩士暖さん。育成枠13位で指名され、被災地からプロ野球選手が生まれた。所村市役所の建物に、塩士暖選手のプロ入りを祝う垂れ幕が掲げられている。門前町の希望の光になっているのだろうか。1月の地震で最大となる震度7を観測した、輪島市門前町。塩士さんが3年間、日々全力で汗を流したのがこの町にある門前高校。ただ入学したころは少子化と過疎化のため20年以上、定員割れの状態に。存続に向け、市もバックアップし地域と連携。その未来を託したのが野球だった。名門、星稜高校の元監督山下智茂さん。松井秀喜さんなど多くのプロ野球選手を育てた名将。門前高校の1期生でもある山下さんを、一昨年、アドバイザーとして招くと、輪島市外からの入学者が急増。9人だった野球部員も3年で60人になった。その野球部にはもう1つの顔がある。