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トランプ大統領はタイとカンボジアの国境地帯で起きた武力衝突をめぐる和平合意の調印式に出席し、関税をカードに停戦を働きかけ“みずからの関与で停戦が実現した”として、自身をピースメーカーとして演出するとともにこの地域への影響力をアピールした。経済面でも矢継ぎ早に合意をまとめ、マレーシアとカンボジアとの間では相互貿易協定を締結。タイとベトナムとの間でも相互貿易協定の枠組みで合意し、今後交渉を続けることになった。マレーシアとタイとの間では鉱物資源での協力についての覚書にも署名。レアアースなど重要鉱物のサプライチェーン強化のため、精錬や加工などの分野で協力を進める。東南アジアでは中国が経済的な影響力を拡大させ、海洋進出で覇権主義的な動きも強めている。トランプ大統領は東南アジアに対し、中国製品のう回路となるのを阻止するため、一時40%を超える関税を突きつけ交渉で引き下げてきた。トランプ大統領は1期目の2017年にASEAN首脳会議に出席して以降3年連続で欠席したため、アジアを軽視しているとの見方が広がっていたが、中国を念頭に“アメリカは重要なパートナー”としてASEANを重視する姿勢を明確に打ち出した。中国は今年4月に習主席がベトナム、マレーシア、カンボジアを訪問し、李強首相も5月にインドネシアとマレーシアを訪問するなど東南アジアの国々との関係を強化してきた。このあとトランプ大統領が日本へ向かうのに対し、李強首相は中国とASEANの会合などに臨む予定。
