林修×小泉孝太郎の火曜サバイバル 林修×小泉孝太郎の火曜サバイバル
濁流孤立10時間、バスの上で生き延びた37人の奇跡を紹介。2004年10月20日の午前9時頃、観光客の一行は福井県の温泉へ1泊2日の旅行にやってきていた。その日は観光地へ立ち寄った後、兵庫県豊岡市へ帰る予定だった。この旅行に参加していた中島明子さん64歳。バスに乗っていたのは市役所の元職員や元看護師など、男性20人・女性17人でほとんどが60歳以上だった。唯一若い乗客は23歳の事務員だけだった。芦原温泉を出発し、予定通り観光地を訪れた後、午後2時には兵庫県豊岡市の帰路へついた。しかし道中で台風の影響により高速道路が通行止めとなり、一般道へルート変更となった。既に台風は高知県に上陸し、バスがいる方向へと迫っていた。そんな状況の中、一行は舞鶴市の道の駅へ向かっていた。その頃、一行が向かう舞鶴市から約27km離れた大野ダムでは台風により毎秒500トンの水がダムへ流れ込んでいた。乗客は宿泊先も見つからず洪水警報が出されていたことも知らずに警報エリアへ進んだ。
バスの中で携帯電話を持っていたのは5人。貸し借りをしながらそれぞれが家族へと連絡を始めた。その時に由良川の氾濫が始まり、バスの中へ浸水。濁流は座席部分まで押し寄せた。ダムからの放流量を増やさなければダムが危険、放流量を増やせば人命が危険な状態となった。