逆風の自動車業界 EV変調で今後の戦略は?

2026年5月19日放送 23:30 - 23:39 NHK総合
時論公論 (時論公論)

自動車業界が直面する変化の現状と今後の課題を考える。電気自動車(EV)を巡り国内の自動車メーカー各社は先週までに戦略見直しを相次いで見直した。EVが“当面思っていたほど売れない”と判断したため。ホンダは昨年度の決算でEV関連損失1兆5778億円を計上した結果、上場以来初の最終赤字に陥った。今後3年間はEV投資を抑えハイブリッド車への投資を強化する方針。他のメーカーでもEV戦略見直しが相次いだ。
日本の自動車メーカーが軒並みEV戦略の見直しを迫られた最大の要因はアメリカ。トランプ政権は前政権が進めてきた気候変動対策や産業政策について矢継ぎ早に転換をはかった。その結果、米市場では新車に占めるEV販売シェアが減少傾向に転じている。北米や日本の自動車メーカーの多くにとって最大の販路であり、米規制への対応は重要課題だったが、政策転換ではしごを外される形になった。ただ、米以外の世界を見渡せば引き続きEV市場は拡大している。背景には脱炭素化の流れがあり、足元では中東情勢の影響による原油価格の高止まりを受けてEVの重要性が再認識されているとの指摘もある。もう一つ普及の鍵として注目されるのは車の知能化。
EV開発で急速に存在感を高めているのが中国メーカー。国内需要低迷の中、輸出を拡大し、日本勢が圧倒的なシェアをもつ東南アジアでも販売攻勢をかけていて、日本市場にも進出している。日本の自動車メーカーが生き残るには知能化・電動化での対応も不可欠で、従来のエンジン車よりも巨額の投資が必要となる。ただ、トランプ関税、中東情勢など日本の自動車メーカーの収益環境は厳しさが増している。日本はSDVで2030年に日系の世界シェア3割を目標に掲げている。トヨタは“全方位戦略”の車づくりを掲げている。ほかのメーカーは“全方位”は容易ではない。専門家は「部品・規格の標準化にオールジャパンで取り組むことが必要」と指摘している。


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