ドキュメント パリ MEDAL ドキュメント パリ MEDAL
鏡優翔は史上初の最重量級金メダリストとして連日イベントに引っ張りだこ。鏡はずっと苦しかったという。オリンピックではベテランから若手まで連日のメダルラッシュ。鏡は女子76kg級、唯一日本が勝てずにいた最重量級に挑んだ。最重量級離れしたスピードで飛び込む高速タックルを紹介。海外勢のフィジカルに跳ね返されてきたが、鏡はタックルから場外に押し出したり背後をとったりして得点につなげる。鏡は初戦で右目の奥の骨が折れ眼球の動きに影響が出ていた。
鏡は激痛を抱えたまま準々決勝に挑む。”けがを乗り越える”ことは鏡が競技人生をかけて向き合ってきた課題だった。中学1年生の時に全治8か月の大けがをした。その後も何度もけがに直面してきた。オリンピック直前には内側側副じん帯損傷で足を使った練習ができなくなった。鏡は上半身を強化しタックル後に抑え込む技術を身につけた。けがを機に新たに身につけた得点技術と筋力で勝利を引き寄せた。準決勝まで5時間あまり、目の痛みは激しさを増していたが鏡は対戦相手は審判に悟らせないようにしていた。
藤波もオリンピック前にひじを手術していた。鏡と藤浪はお互いけがが多く分かり会える部分は大きかったという。準決勝は足元に飛び込む高速タックルで逆転し勝利した。鏡は瞬時に動きを切り替えることで相手を抑え込み得点した。翌日の決勝を控えて選手村に戻ったが目の痛みは治まることはなかった。「カワイイ」が鏡のモットーで原点は子ども時代にある。
決勝ではアメリカの新星ケネディ・アレクシス・ブレイズと対戦。相手へのペナルティから1点を先制するが得意のタックルは相手に届かず逆にカウンターで失点した。決勝の正念場で生きたのも逆境の中で鍛えたパワーと技術だった。鏡は勝利し金メダルを獲得。歴史的勝利から3か月、けがが治った鏡はさらなる高みを見据えていた。