難民になること 故郷を失うということ

2024年9月18日放送 4:05 - 4:14 NHK総合
視点・論点 (視点・論点)

ドキュメンタリーフォトグラファーの小松由佳さんはこの10年、シリア難民を取材している。シリアでは2011年以降、内戦状態が続き、国内の避難民は約720万人、国外のシリア難民は約500万人にのぼる。小松さんは元々、砂漠の暮らしを撮影するため、08年にシリアに入った。アブドゥルラティーフ一家はラクダの放牧、果樹園の管理などを行い、16人きょうだいの末っ子、ラドワン氏と小松さんは後に結婚する。民主化運動に参加した兄のサーメル氏は政権への反逆として逮捕され、行方知らず。15年、ラドワン氏の家族が暮らしていたパルミラはISに占領され、シリア政府軍、ロシア軍が空爆に踏み切ることになる。実家は破壊され、一家はトルコへと逃れて難民となった。小松夫妻は日本で生活する。
トルコで生活するアブドゥルラティーフ一家だが、物価上昇に加え、シリア人差別に直面してきた。23年には地震が発生し、多くのシリア難民が被災した。目下、不法移民としてヨーロッパへ移動するシリア難民が増えている。小松さんは難民が新たに生まれないよう、国や民族を超えた価値観の共有、生きている世界に関心を持ち続けること、論議を重ねることの大切さを語った。そして、シリアの人たちが難民となる前の暮らしを取り戻せるよう祈りつつ、小松さんは今後もシリアを取材したいという。


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国際連合難民高等弁務官事務所アラブの春シリア人権監視団ISILトルコ・シリア地震

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