3回の特訓でデビュー “副業寿司職人” 老舗4代目の挑戦

2025年2月9日放送 22:37 - 22:53 フジテレビ
Mr.サンデー (ニュース)

日本を代表するシーリゾートの一つ、伊豆下田。高級魚キンメダイの水揚げ日本一でも知られるこの下田に今、業界が注目するおすし屋さんがある。「寿しらぼ三〇二(みまつ)」。カジュアルな立ち食いスタイルで出されるのは、海の町ならではの厳選したネタに自慢のキンメダイ。客も大満足だが、実はこの店の板場に立つ職人たちにちと秘密がある。一見、すし一筋数十年といういでたちだが、何と本業は大手飲料メーカーの営業マン。笑顔が印象的な女性。本業はプラスサイズのミスコンでグランプリを取ったこともあるモデルさん。さらには、東京でビアカフェを経営するオーナーや、カメラマン兼コーヒーショップの経営者など全員が副業すし職人というチャレンジングな店。仕掛け人は植松隆二(33)。元々地元で操業89年という老舗すし屋「美松」の次男坊だったが、東京のホテルなどで約11年修業。ところが、実家を継ごうと戻った下田の町は深刻な後継者不足に陥っていた。地元に戻って以来個人宅や別荘などへのケータリングサービスを始めていた植松さんは、実際に寿司を握ってみたいという客が多くいたことで、すしの握り体験会なるものを開いた。地元の役所に開業支援の相談をすると、植松が打ち出した副業すし職人の修業法はこれまでの常識を覆すものだった。
通常、すし職人は飯炊き3年、握り8年ともいわれ、すしを握らせてもらうまでの間に幾つもの段階が必要だが、植松はその順番をまったく逆にし、まずは握り方だけを徹底して学び、その他のことは興味のある順に学べばいいことにした。その代わり握りだけはハードな短期集中型。植松陽介さんの本業は、AIさんのバックコーラスまでしているプロのミュージシャンであっても、最低3回行われるという握りの練習は一気に200貫以上を握る過酷なもの。去年11月、植松は寿しらぼ三〇二をオープン。シャリ切りからネタの仕込みまで握り以外は、きっちり自分が行い、日本初の“副業すし職人の店”をスタートさせた。あれから3か月、準備中の職場ではこの日、プラスサイズモデルの齋藤ちひろさんが握っていたのは同じく副業職人野口さんのまかない。たえず学びあい、午前11時半に店をオープン。店内は副業であることで会話が弾む。ときには緊張感溢れる客もいる。同じ静岡県内からの来店で、漁師の上、寿司まで握れる客は「副業の方がやってると聞いて。面白いなと思って」と話す。この日は野口さんが東京で経営するビアカフェの常連も駆けつけ、店は成長を見守る場所となった。地元のピンチで逆転の発想で活路を見出した33歳。植松さんは「楽しいからやってます。楽しいほうがいいですよね」と話した。


キーワード
AI下田市役所ブリイサキシマアジマグロ群馬県下田市(静岡)伊東市(静岡)静岡県東京都キンメダイ美松寿司寿しらぼ三◯二松江寿一貫職人おまかせ3貫職人おまかせ5貫

© 2009-2025 WireAction, Inc. All Rights Reserved.