40℃の世界を生きる 2025年 夏の総括

2025年9月30日放送 4:05 - 4:14 NHK総合
視点・論点 (視点・論点)

日本の平均気温について1991年から2020年の30年平均値と比較すると2025年の夏は観測史上最高となる+2.36℃を記録した。「気候変動に関する政府間パネル」は評価報告書における表現の変化の「地球温暖化と人間活動の影響の関係について」で最新の第6次報告書では「疑う余地がない」との表現を採用している。国際的な科学者グループの報告によれば2024年には219件の重大な異常気象が確認され、その半数近くが水害だった。さらに干ばつや森林火災など乾燥に関わる自然災害も少なくない。温暖化により雨の降り方が極端になり豪雨と渇水の発生が頻発化している。また、近年の厳しい暑さでは熱中症による搬送や死亡が増加し健康被害が深刻化。農業の影響も大きく主食である米ではでんぷんの蓄積が不十分なため白く濁る白未熟粒が発生した。
地球温暖化を進行させないためにはその原因である温室効果ガスの排出量を削減する「緩和」と、生活や行動・社会の仕組みを変容させる「適応」が必要。イギリスでは海面水位よりも低い土地を守るため延長18kmにもおよぶ防潮堤「テムズ・バリア」を設置している。国立環境研究所では2018年から気候変動などに関する情報収集を開始。それらを分析する機関として気候変動適応センターが設立された。気候変動の影響は地域によって様々であるため各々の実情に応じたきめ細かい対応を行う拠点として都道府県市区町村レベルで気候変動適応センターが設立。地元の大学と連携する県や熱中症対策を進める県などそれぞれの地域に合わせた適応策が進んでいる。私達一人一人の適応の理解と適応行動が直面しているリスクへの備えをすることにより持続可能な社会を構築していくことが大切となる。


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