ガイアの夜明け 返還から28年…香港はいま
1989年6月4日、中国・北京の天安門広場で民主化を求めた学生を、軍が武力鎮圧した事件。死者は欧米では、数千から1万人以上と言われているが、中国が発表したのは319人。香港中心部のビクトリアパークでは、毎年大規模な追悼集会が開かれてきた。犠牲者を思いキャンドルを灯すのが恒例。しかし、国安法以降行われていない。そして、今年の6月4日ビクトリアパークでは、3年前からこの日に合わせるように中国の物産展が開かれている。そこには多くの警察官が配置されていた。一方デレックさんはこの日、配送を休んで自ら店番をする。小さなキャンドル型のライトには天安門の文字があり、犠牲者の母親を支持するとあった。開店して1時間次々と客がやってきたが、デレックさんの店は警戒場所の一つにリストアップされているとして警察官がやってきた。取材班の顔もチェックされ、なにか言いたげな様子だったが警官は何も言わず立ち去って行った。しかし、ビルの外では警察がデレックさんの店にやってきた客の荷物検査をしていた。その夜、香港のとある場所で約30人が集まって密かに追悼式を開いていた。天安門事件を語り継ぐための集会だった。午後9時すぎ、デレックさんは店を閉めた。ビルの外にはまだ警官が立っていた。