モーサテ プロの眼
伊藤さんに話を聞く。テーマは「EU新体制の課題は 競争力の強化 勝算は?」。欧州委員会 製造業企業サーベイを示しドイツとEU全体の状態を説明。またマリオ・ドラギ前総裁が約120兆円~130兆円の追加投資が必要と指摘していることをあげ、「グローバル環境が変化したということにあるかなと思う」などと話し、アメリカ・中国・ロシアとEUとの関係の変化について「アメリカとはライバルでありパートナー、中国はデリスキング、ロシアとはデカップリング」などと説明し、EUの課題は変わってきているとし、気候危機への対応・先端技術を巡る競争への対応・安全保障への強化をあげた。またEUの競争力強化を阻む要因は複雑なガバナンス、規制・行政手続きの過剰な負担、資本市場の分断・乏しい共通財源、協調行動・政策調整の不足とあげた。欧州委員会の報告書での競争力強化への必要な追加投資や「EU共通債」を定期発行は首脳アジェンダでの合意事項に含まれず。「EUの競争力の問題はドイツの問題でもある、EUの枠組みを活用しドイツの競争力を向上していこうじゃないかとの機運を期待したいがそういう発想は乏しい、競争力強化策の勝算は低い」などと話した。