NHKニュース おはよう日本 おはBiz
1つの企業の中でキャリアを積んできたベテラン社員が、外部の中小企業などで短期間研修を行うプログラムがある。他流試合に臨むことで、ベテラン社員は何をつかむのか。会社でのキャリアに悩んできたという、大手ビール会社に勤める井上貴洋さん、53歳。支店長として人材育成を行いたいと昇進を希望していたが、かなわない状態が続いていた。そんなときに知ったのが、社員のモチベーションアップのために会社が用意した“キャリア支援プログラム”。大手企業などでキャリアを模索するベテラン社員と、課題を抱える地方の中小企業をマッチング。ベテラン社員は今の会社で仕事を続けながら、月に10時間程度、受け入れ先の課題解決を手伝う。その間の給与は今いる企業から支払われる。井上さんはこのプログラムを通じて、建設会社で2か月間、研修をすることになった。建設会社から頼まれたのは、2人の幹部の育成。新たな営業計画を幹部みずから考えてもらうワークショップを行った。社長からは“研修が終わったあとも育成を続けてほしい”と頼まれ、その分の給与は建設会社から支払われることになった。
企業向けにこのプログラムを提供するスタートアップによると、これまでに大手企業の40代・50代を中心に約200人が参加している。