国際報道 (ニュース)
トランプ大統領が繰り返し利下げを求める中でも、FRBはこれまで慎重な姿勢を堅持してきた。今回利下げに踏み切った背景には、強さと危うさが共存するアメリカ経済の現状がある。西部ユタ州・ソルトレークシティーの高級車の販売店では、今年6月までの売り上げは前年を5%上回った。背景にあるのはFRBによる利下げへの期待感で、株価は今月に入って何度も最高値を更新し個人消費を支えている。中西部オハイオ州に本社を置くプライベートジェット機の運行会社は、好調な業績を背景に約1200億円の新規投資を発表した。一方トランプ関税の影響などで物価は高止まりし、人々の暮らしを直撃している。企業などから寄付された食料を無償で提供するフードバンクでは、1日に平均で700~800台が列を作る。理由の1つが雇用の減速で、今後FRBの利下げが続けばさらなる物価高を招くおそれもあると懸念されている。
