NHKスペシャル 1兆円を託された男~半導体ニッポン復活への闘い~
小池さんが考えるニッポン半導体復活のシナリオ第一章はIBMとの技術協力。ラピダスの技術者たちはIBMが開発した半導体技術の実用化に取り組んできた。半導体は一番下に敷き詰められたトランジスタを小さくすれば消費電力が下がり、多く敷き詰められるため性能が上がる。IBM研究所が試作品として開発した新型トランジスタGAAは、あまりに小さく複雑な立体構造ゆえに安定した品質で大量生産することは極めて難しい。この難題に挑むためIBM研究所にはラピダスから150名以上の技術者が送り込まれた。ラピダスの量産開始は2027年の予定。一方でTSMCは年内にも量産を開始するとみられており、ラピダスの前にTSMCが立ちはだかる形となる。量産技術の獲得とともに、製造装置を工場に揃えることも重要となる。小池さんはハイスピードでローコストな生産を実現するため完全な自動化という構想を持っていた。