週刊フジテレビ批評 The批評対談
毎日新聞社の校閲記者である岩佐義樹、フジテレビの校正・校閲担当の和氣亜希子・尾下滋夫がゲストに登場。和氣らは校正では誤字脱字など間違った文字をチェックし、校閲では事実誤認など内容を調べて正していくなどと伝えた。校正・校閲の事例を「小学生からチャレンジ えんぴつ1本ですごい変な文章を見抜いて国語力を上げる本」から抜粋した例文で解説した。
岩佐らは重複表現の例は沢山あるためどこで線引するかが難しい判断となっておりチェックの際には議論になることもあるなどと明かした。和氣らは多く見られる重複表現は一番最初・一番最後、オンライン上となっており、これらも判断が難しいもので、最近悩んだ重複表現は知られざる秘話であり、校正・校閲の立場から間違いだと言うことは簡単だが、使用する番組の内容や視聴者層、重複表現が使われる場面なども考慮するヒル用があり番組担当者と協議してテロップ修正を行うことが多いなどと伝えた。
岩佐らは1964年に東海道新幹線が開通した当時のことを振り返った記事で、名古屋駅出発後に乗客が具合が悪くなり途中の静岡駅で降りて事なきを得たことを回想する記事内容の中に新幹線の表記が「ひかり2号」とあったが2号はこの時間帯に走行していないと気づき、鉄道に詳しい同僚に当時の時刻表を確認してもらい「ひかり」に表記を変更したことがあるなどと明かした。和氣らは映像とナレーションの原稿、テロップの原稿それぞれを預かってチェックした際には夕日という表現に違和感を覚え、3度目のチェックで朝日であったことが判明できたなどと伝えた。
SNS時代の校正・校閲について尾上らはテレビ番組の間違いがそのまま動画で拡散されると連鎖が止まらないため、校正・校閲はより気を使ってやらなくてはならない工程などと語った。