- 出演者
- 稲塚貴一
NHK熊本放送局アナウンサーの稲塚貴一が絶品グルメを求めて台湾へ。稲塚が台湾各地を食べ歩き。TSMC本社がある町では伝統の食文化を守り続ける夫婦に出会った。
オープニング映像。
11月某日、台湾桃園国際空港に稲塚が降り立った。まずやってきたのは台湾の中心都市・台北。数100mにわたってお店が並ぶ虎林市場へ向かった。市民の台所として朝から活気に溢れている。八百屋や魚屋、お惣菜屋などを見て回った。総菜屋ではカラフルなお餅が販売されており、それぞれに意味があるという。神様にお供えするのは赤色、お墓参りには緑色の餅が用いられる。
以前、熊本に住んでいたという地元の方にオススメのローカルフードを伺った。案内されたのは絶品の魯肉飯をいただけるお店。お昼時には行列ができる人気店。醤油ベースの甘辛いタレでじっくりと煮込まれた豚の脂身にトロトロの皮目が入っているのがこのお店のオススメポイントとのこと。台湾のソウルフード魯肉飯は貧しい人々が豚を余す所なく食べきろうとしたのが始まりだといわれている。
続いて案内されたのは50種類以上の食材から好きなものを選んで料理してもらう煮込み料理「ルーウェイ」を味わえる店。選んだ食材は八角やシナモンなどが入った醤油ベースのスープで煮込まれる。ルーウェイをつまみにビールをいただくのが地元民のオススメ。
続いて向かったのは台北から車で1時間30分ほどの新竹。新竹の町は高層マンションや世界中のハイテク企業などが立ち並び「台湾のシリコンバレー」と呼ばれることも。その中心的存在が熊本に進出した半導体メーカー「TSMC」。代表する食材は「新竹ビーフン」。季節風が強く吹き付ける土地柄で麺の乾燥に適していたことからビーフン作りが盛んになったそう。稲塚は総長に伝統の絶品ビーフンを作っているお店を訪問。創業100年になるこちらのお店では米だけで作る伝統的な製法を守り続けている。ビーフンを作っているのは郭連進さんご夫妻。伝統的なビーフン作りは儲けも少なく、手間もかかるが、お客さんの笑顔のためにつくり続けたいと奥さまの林美津さんが語ってくれた。数年前に体を壊した連進さんに代わり、現在は息子の春賢さんがビーフンを作っている。手間暇をかけることで麺は細くともしっかりとこしがある麺に仕上がるのだという。
伝統のビーフンを使って食感を生かしたビーフン炒めを作る。にんじん、玉ねぎを炒め、豚肉、しいたけのしょうゆ煮、キャベツを投入しよく炒める。炒める際の油はラードを使用。醤油とオイスターソースで味付けし豚骨と玉ねぎでとっただしを加え、塩と調味料で味を整えたら大量のビーフンを投入。軽くかき混ぜて蓋をして蒸す。蒸らしたビーフンを皿に盛り付け「炒米粉」の完成。試食した稲塚は「おいしい。かむと確かな歯ごたえがあってしつこくなくさっと切れて口の中でぽりぽりと繊細な音をたてて味の染み込んだビーフンが口の中に広がっておいしい」とコメントした。
続いて向かったのは新竹から台湾新幹線で1時間30分の南部の都市・高雄。熊本県と友好交流を結んでいる町。市場を巡りサトウキビジュースなどを味わっていると、熊本八代名産の晩白柚を発見。市場の方々に聞くとこの果物は「晩白柚」ではなく「白柚」であるとの答えが返ってきた。晩白柚の父、と呼ばれる島田弥市は1904年、台湾に農業技師として渡り、42年間にわたって農業の発展に尽力した。1920年に東南アジアから台湾に苗木を持ち込み試験栽培をしたところ見事に成長。晩白柚と名付けられた果物はそのまま熊本に伝わり栽培が始まった。その後台湾では晩白柚よりも他の白柚が主流となっていった。
台湾南部のある村を訪ねた。神様を祀る廟で行われる伝統行事に密着。豊作に感謝して村人でお金を出し合い神様の誕生日を祝う行事。派手に花火が打ち上がり、お供え物が片付けられると会場は一気に宴会スタイルへ。大切な行事があるときに野外でとびきりのごちそうを食べる「バントゥ」が行われる。デザートを入れて10品ものごちそうが並んだ。普段は離れ離れの親族などが一同に介し食事をする台湾の伝統行事を稲塚も体験させてもらった。
エンディング映像。