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オープニングの挨拶。事業の灯を未来につなぐ事業継承を見つめる番組。日経BPの伊藤さんは「店をやりたい人は食べに行ったりして考えるが最後の最後は作れないところがある」と話した。
介護用品などの商品開発をする吉祥寺の会社員、裕司さんがちゃんぽん屋を受け継ぐことになった。妻の典子さんは医療事務の仕事をしている。3人の子育てを終え夫婦で新たな道を歩もうと、地方でカフェをやりたいと考えていた。移住サポートセンターにマッチングサイトを紹介してもらい、訪れたことのあるちゃんぽん屋が一番上に載っていた。夫婦は2人共長崎出身で、子どもたちも愛知県に住んでいるため移住に迷いはなかった。事業承継は店の物品を譲り受けることができるため初期費用を抑えられる。正廣さん純子さん夫婦は長崎で呉服店を営んでいたが過労で体調を崩した。弟から誘いを受け59歳で常滑市に移住。独学でちゃんぽんを作り63歳でちゃんぽん屋をオープンした。
早期退職による事業承継について、伊藤さんは今はインターネットで容易に案件を探せる、退職金で事業を引き継ぐケースが増加している、働ける年齢で事業承継をしたいと早期退職による人が増えていると話した。新規開業費用は1000万円と言われている。譲り渡す側も店を閉める時は処分費用がかかる。
店をオープンまであと10日に迫った2023年12月27日、ちゃんぽん屋で店を継ぐ裕司さんと妻・典子さんにノウハウを教える特訓が行われた。
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2024年1月6日、裕司さんが初めて営業する日がやってきた。正廣さん純子さん夫婦も入り、初日は4人態勢で店を回した。裕司さんの息子も食べに来てくれた。その後事業譲渡契約書の調印式が行われた。
薪を使った商品が多い長野・駒ヶ根市のアウトドアブランド「ファイヤーサイド」の社長、ポール・キャスナーさんはボストン生まれ。大学時代に日本文化に出会い、1975年に尺八を学ぶため東京に住み始めた。1976年に長野に移住し空き家に住み始めた。アメリカから薪ストーブを購入すると、知り合いで「ダルマストーブよりこれがいい」という人が増えた。その中にディーラーになりたい人が出てきて卸す仕事を始めた。薪ストーブを売る会社としてファイヤーサイドを設立し、今では社員40人の会社になった。デンマークのHETA社と独占販売契約を結び、そのオーブンを使って調理するグルメブックも出版した。アウトドアの枠を超えてライフスタイルの提案も行ってきた。売上も伸びてきたが、ポールさんは70歳を迎えてもしもの時に会社をどうしたら良いか、どうしたらさらに会社を大きくできるか悩んでいた。M&Aの仲介会社に相談すると、株を投資ファンドに譲渡することを提案された。ファイヤーサイドは日本グロース・キャピタルと資本提携し、都内に出店してブランドイメージを変える作戦をとった。金属加工に老舗にオファーし新商品も誕生し、ECサイトの立ち上げも行った。年間の売上は1年で2億円アップ。アウトドアグッズの売上が伸びたことでストーブの会社からアウトドアブランドへとイメージチェンジに成功した。そんな時ポールさんは投資ファンドからファイヤーサイドを売ることになったと連絡を受けた。まずファンドの力を借りて企業価値を高め、もう1度M&Aを行うことでより条件の良い企業に譲渡できるというM&A仲介会社の戦略だった。
アウトドアビジネスについて、伊藤さんは2023年度はその前に比べて4.9%伸びている、ファイヤーサイドは薪ストーブから成長産業にのせかえることができたと話した。投資ファンドについては、自分の考えと成長路線がマッチしていないと「乗っ取られた」という話も聞くと話した。
ファイヤーサイドのM&Aに名乗りを上げたのは社員1200人の大企業トーハンだった。本を全国の書店などに届ける取り次ぎの仕事をする会社で、全国規模の物流ネットワークが強み。出版業界は売上が年々減少し、取次領域を拡大しようとM&Aを繰り返しグループ会社を増やしている。ポールさんは主導権を握られるのでは、シナジーはあるのかと心配していたが、トーハンの大西さんは親睦を図るため互いの社員が参加する合宿をファイヤーサイドで行った。ポールさんはトップの温かい人の気持ちを感じたと話した。2023年3月にM&Aが成立。ポールさんに引き続きファイヤーサイドを率いてほしいと要望があった。トーハンは読書運動に力を入れておりファイヤーサイドの火育が加わることでイベントの集客力がアップするというシナジーがあった。
栃木・佐野市にあるヒロシマヤ製菓の事業承継の今を調査。ヒロシマヤ製菓の三代目、浅沼さんは商売が苦手で第三者への事業承継を考えた。そこに土産品卸業の三代目、永井さんが名乗りを上げた。譲渡金1000万円でヒロシマヤ製菓の経営権が永井園に承継された。
「AKB48が町工場に突撃!お宅で一番のDXはなんですか?」の番組宣伝。
ヒロシマヤ製菓の事業譲渡から5ヶ月。栃木市のスイーツフェスティバルにヒロシマヤ製菓として出店し、新商品を販売していた。
ヒロシマヤ製菓は、スカイベリーを使った新商品のカップケーキを500円で販売していた。浅沼さんが探していたスイーツの新しい販路が永井さんによって広がっていた。店でも永井さんの提案通り、売れ行きが伸びてなかったロールケーキをフルーツをのせて進化させ人気商品になった。さらにバレンタイン向けの商品の開発も永井さんの提案。