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オープニング映像。
古都ゆかりの文化のルーツをひもとく。今回のテーマは和楽器。平安時代初めに創建された市比賣神社では京都の大学の学生が集まり雅楽の練習をしている。雅楽は6世紀頃、中国大陸や朝鮮半島から伝わったとされ主に宮中で奏でられてきた。縦笛の篳篥は主旋律を担う。17本の細い竹を並べた笙は伴奏の役割を担う。
京都・五条坂で人気の土産物・八ツ橋は箏を象ったと言われ、近代筝曲の開祖・八橋検校にちなんだものと言われている。八橋検校は独自の調弦法を開発、箏柱を動かし半音を含んだ音階を演奏できるようにした。すると、三味線などで演奏されてきた曲も箏で演奏できるようになった。かつての箏には3種類の太さの弦が使われていたが、八橋の調弦法では1種類、今では箏のスタンダードになった。
三味線は室町時代に中国大陸から伝わった弦楽器に日本独自の工夫が加わって生まれた。三味線を弾き歌をうたう地方のミヨ作さんはこの道60年超のベテラン。三味線の音色の秘密は弦を巻く部分にある。3本の弦のうちの1本が竿に直接触れていることをサワリといい、この弦を弾くと胴の皮が振動し、三味線独特の響きが生まれる。
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雅楽の楽器の1つとして生まれた尺八。材料となる丈は形の違いによって1本1本独自の音色になる。かつては禅僧が悟りを開くために奏でたといわれている。スイス出身のジェシー逅盟さんは尺八の音色に魅せられたという。進化を遂げた和楽器は日本特有の情感を表現できるようになった。
宮中や神社などで奏でられた和楽器は時代がくだると京都の町の人々に広がった。3つの和楽器による三曲合奏の編成では、三味線は骨、箏は肉、尺八は皮に例えられる。
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- 三曲合奏
海外からもたらされ独自に進化した和楽器。四季折々の自然や情感を表す調べが響き渡る。