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「パラリンアート」とは、障害者が描いた絵を様々な企業で活用し、その報酬を作者に届ける活動。活動のきっかけは、代表の松永さんが訪問リハビリマッサージをしていたとき、障害者の利用者が描いていた絵に心を打たれ、社会や企業に使ってもらう環境ができたらいいと考えたこと。障害者の自立に向けたチャレンジの場を作っていきたいという思いもあったという。松永さんは、絵のレンタルのほか、様々な企業と提携し、アートを使用した商品や記念グッズの開発、商業施設やオフィスの内装デザインなどを行っている。パークホテル東京でも、2フロアでパラリンアートを展示。宿泊者に限らず誰でも自由に見ることができ、販売も行っている。ホテルは訪日外国人客が多く、パラリンアート作品と知らずに購入して、パラリンアートの説明を聞き喜んで国に持って帰ったということもあったという。パラリンアートとコラボしたアーティストルームは、壁や天井一面がアートになっている。7カ月かけて描いたという。世界にひとつしかない部屋ということで宿泊客も楽しんでいるという。
オープニング。こうしたパラリンアートをはじめ、今、障害者の自立を支援しようと自治体や企業、学校などでも様々な取り組みが行われている。誰もが輝ける社会を目指して、今立ち上がっている人々の活動を菊川怜が紹介する。
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パークホテル東京のアーティストルームを手掛けたおおはしみささん。みささんは子どものころから読み書きが苦手で、現在人と会話することに困難を抱えている。18歳で自閉スペクトラム症・軽度知的障害と診断された。2022年には、パラリンアート世界大会2022で準グランプリを獲得し、得意な絵を活かした活動を続けている。小学2年生の時に障害に気づき、それ以来どうして普通のことができないのか自身に問い続けていたという母。不安を覆したのはみささんが高校生のときに描き始めた絵だった。そしてみささんはパラリンアートと出会い、世界大会でも準グランプリに輝いた。校内にみささんの絵が飾っている小学校の校長先生は、みささんが小学2年生のときの担任だった。永遠に追及できるテーマは自分で、自らを表現した集大成となる作品を紹介した。障がいも全て神様からの贈り物だというみささんがたどり着いたひとつの答えが込められていた。これからの夢をきかれるとみささんは、耳の聞こえづらい人と関わって絵を描きたいなどと伝えた。
パラリンアートの松永代表は「おおはしさんのように障害者全体が自活、自立というところまで到達していない方もいらっしゃる」とコメント。障がいを持つ方を取り巻く労働環境はをみると、年収200万円以下いわゆるワーキングプアと呼ばれる貧困層の割合は障がい者が97.2%、また国内に1160万人を超える障がい者がいるなか、民間企業で雇用されている数はわずか67万人ほどにすぎない。長時間の勤務が難しい人が多いこともその原因の一つで、去年これまで障がい者雇用率制度の対象となっていた週20時間以上勤務の法的な見直しが行われている。こうした中、大手企業のソフトバンクも新たな取り組みを進めている。長時間の勤務が難しい人でも週20時間未満の働き方ができるように後押ししていく「ショートワーク」という取り組みで、その活動を進めている東京大学先端科学技術研究センターの近藤武夫教授は「超短時間雇用モデル」と呼ばれるものを提唱している。そうした取り組みにすでに200以上の企業が参加している。そのうちの一つが、雪を解かす際やビニールハウスなどで使われる発熱ヒーターを手がける川崎市の「熱源」。自社で保有する丘を活用してショートタイムワークを取り入れている。なんと防空壕跡地を使ってキクラゲの栽培を行っている。「防空壕キクラゲ」は地元の直売所などで販売し今では人気商品に。そんなキクラゲ栽培をショートタイムワークで支えている障害者の1人は数年前持続性抑うつ障害と診断されて入院。退院後ショートタイムワークで就職し、ここでパック詰めなどの仕事に従事している。担当の小山仁美さんも感心するほどのクオリティだという。そんなAさんにとってショートタイムワークは「すごくありがたい仕事」と話していた。
テレワーク勤務を始め障がいを持つ人が働きやすい環境を作れるようさまざまな取り組みが企業や自治体によって行われている。そうした動きのなかで今注目されているのがAI。最先端技術で障がいを抱えた人を支える未来に向けた取り組みも始まっている。児童発達支援ほ・放課後等デイサービスの「あすぱる」では毎日10名程度の子どもが療育を受けている。AIセラピスト「co−mii」はこれまで先生の経験をもとに提案されることの多かった療育メニューをAIを活用させることですばやく一人一人に合った指導内容を提案し先生を支援する。子どもの現状を健康、生活、認知、行動、人間関係など5つの領域でできるだけ正確に把握するため「はい」か「いいえ」で回答する<可視化することによって子どもの得意なことや苦手なことがいろいろと見えてくる。その上でお子さんの得意な部分達成度がA達成度がなかなか難しい場合はDっていうふうに出る。その達成度に合わせて教える内容を検討し、500種類以上あるメニューの中から1人1人の個性に合わせたトレーニングを提案。AIを使った新時代の療育システムによって個別支援計画書が出来ていくという。
パラリンアーティストおおはしみささんから菊川怜に対し送ったメッセージを紹介。
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エンディング。
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