- 出演者
- 土屋礼央 岡田結実 村山輝星 桝太一
オープニング映像。今回は百獣の王・ライオンの体を徹底解剖する。
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今回はライオンの体を徹底解剖する。ライオンのオスの体重は約250キロ、メスの体重は約200キロ。ライオンの種は1種のみ、主にアフリカのサバンナに生息しているネコ科の大型肉食獣。デザートライオンという砂漠に住んでいるライオンもいる。インドライオンはインドの低木地帯や森林などに生息している。ライオンは百獣の王と呼ばれている理由は獲物に秘密がある。ライオンは日常的に自分よりも大きな体格の獲物に果敢に向かって狩っている。なぜ大物狩りができるのか?
ライオンはなぜ大物を狩れるのか?大分県の動物園にやってきた。ここでは放し飼いにされた約70種の動物を車で移動しなが間近で楽しむことができる。案内してくれるのは獣医師でライオン飼育歴30年以上の神田岳委園長。バスに乗り開園前のライオンを観察させていただくことに。ライオンは朝、お互いに声で確認しあう。飼育頭数は約90頭。ライオンに鶏肉をあげてみる。大物狩りができる秘密は大きく開く口にある。
帯広畜産大学の佐々木基樹教授によると大きな口は狩りに関係しているという。ライオンが狩りを行うのは夕方~夜にかけ活発になり、集団で獲物を取り囲む。背中や足にかみついて動きを封じ、首元、顔に噛みつく。ライオンは獲物を噛み殺すのではなく、顔に噛みついて窒息させて仕留める。草食動物は草や葉を少しずつ食べるため、口の切れ込みは浅い。対するライオンは口の切れ込みが深いので口が大きく開く。ライオンには窒息させるまで噛み続ける筋肉がある。ライオンの噛む力を測ってみると、成人男性の約3倍。ウマの骨も噛み砕くほどの力。これは頭の骨に秘密があるという。外矢状稜という頭頂部から後頭部にかけて隆起している骨。外矢状稜につくのが側頭筋で下アゴを強く引き上げて噛む力を生み出している。ライオンの頭部をCTスキャンした画像をみると、咬筋がムキムキなのがわかる。外矢状稜と咬筋により強力な噛む力を生み出している。
ライオンが大物をしとめるもうひとつの武器はかぎ爪で、出し入れしている。獲物に気づかれないよう足音を消すために爪をしまう。爪を保護することにもつながる。足のCT画像をみると、後ろの骨と重なるように収納されている。ライオンの口のつくりとかぎ爪は進化の証しだった。
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ライオン飼育歴30年以上の獣医師・神田さんがスタジオに登場。ライオンは群れで生活をしていてすごくかわいい動物に見える、そこを油断しないようにするのが大変だという。スタジオにウマとライオンの頭蓋骨が登場。草食と肉食の違い、奥歯に注目してみる。草食は四角い歯がズラッと並んでいる。草は細かくしないと消化できないのでたくさん臼のように擦る。肉食の奥歯は山のようになっている。ライオンは肉だけで大丈夫のなのか?神田さんは肉だけで生活できるという。
ライオンはなぜ肉だけで生きていけるのか?ライオンは様々な肉を食べているので園でも鶏肉、馬肉、牛肉などを1日に約5~10キロ与えている。肉のタンパク質や脂肪などが強じんな体を支えている。ライオンの舌には糸状乳頭という突起があり食べるときにザラザラと音がする。ライオンは糸状乳頭を使い骨から肉をそぎ取っている。肉はほぼ丸飲み状態。強い胃酸で肉を消化する。強い酸性の消化液が殺菌・肉の消化に役立つのだという。ライオンは草食動物のように草・歯を食べなくても平気なのか?鶏を1羽丸ごとあげるとライオンは内蔵も食べる。これがライオンにとっての総合栄養食になる。園で与える鶏は草や穀物を食べて育ったものなので、鶏を通じて植物の栄養を摂取している。野生化でもライオンは獲物の内蔵から食べていて、植物を食べずにビタミン・ミネラルを摂取していた。
ライオンとウシの腸・消化管の長さを比べてみる。植物は消化しづらいので消化・吸収するために長い腸が必要だが、肉は消化がいいので短くて済む。ライオンの腸・消化管が短いのは、素早く動いて捕まえないといけないため、長い腸だと走れなくなるので短くなっているのだという。
ライオンのスペシャリスト・橋場利雄さんがスタジオに登場。アフリカで30年以上動物を取材してきた。制作した動物番組は100本以上。橋場さんがライオンが最強だと思う理由は、群れを作るところだという。他のネコ科は群れを作らないがライオンは群れを作る。ライオンの群れにはオスが入っておらず、メスの群れに出たり入ったりを繰り返しているという。
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ライオンのオスは群れに属していない。アフリカのサバンナでライオンはネコ科で唯一群れで行動し、群れはプライドと呼ばれる。プライドではオスが複数のメスに取り囲まれているように見えるが、大人のオスがプライドのメンバーではない。プライドは子を除くとメスだけで構成されていることが分かってきた。メスが複数いると子育てがしやすい。プライドのメンバーは大多数が血縁関係で大家族で助け合い子どもを育てている。メスライオンは俊敏性が高くオスより狩りの能力が高いという。俊敏でチームワークで襲いかかることで狩りの成功率が上がるという。幼い頃から狩りを学ぶ。子どもに自分を追わせて狩りを教えている。メスの絆でプライドを守り次世代を育んでいる。動物園でも絆を深める様子がみられる。大人のオスライオンはプライドから独立し、2~3頭で放浪している。狩りは自分たちでする。メスに認められて力のあるオスグループだけがプライドを独占する。数年間、定期的に同じプライドを訪れ子を作り、メス・子どもを他のオスから守っている。オスにはプライドをめぐる争いがあり、強いオスだけが子孫を残していく。競争に欠かせないのが咆哮。咆哮は自分がプライドの主と主張し、他のオスを威嚇するために使われる。咆哮は車のクラクションとほぼ同じで、サバンナでは8キロ先まで届くという。
橋場さんは声が大きいオスは強いオス、咆哮は宣戦布告であり、相手が強かったら黙っているのだという。メスはタテガミでオスを選ぶという。ライオンの生タテガミがスタジオに登場。若いライオンのタテガミは色が薄い。自分は強いと自覚するとテストステロンという物質を分泌させてタテガミの色が濃くなるのだという。ライオンは最強なのになぜ群れるのか?橋場さんは子どもを守るためだという。ライオンは体が大きいので、子どものときにチーターのように速く走ったりヒョウのように木の上に隠したりできない、大人のメスが子どもをみんなで守るのだという。サバンナのライオンは雨・水が嫌い。
橋場さんは現在もライオンの取材を続けている。子どものオスライオンが群れを出たあとにどんな暮らしをしているのかわかっていなかったが、そのオスライオンを追いかけることを繰り返し、オスライオンの姿が見えてきたという。橋場さんはサバンナの動物の中でライオンが一番好きでこれからもライオンと付き合っていきたいと話した。
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エンディング映像。
「NHKスペシャル」の番組宣伝。
