2024年6月25日放送 19:30 - 19:57 NHK総合

クローズアップ現代
給湯器も室外機も…!? 急増“金属窃盗”の闇に迫る

出演者
桑子真帆 
(オープニング)
室外機や給湯器まで…急増“金属窃盗”の闇

エアコンの室外機が丸ごと盜まれた。今、身近な金属が次々と盜まれ、去年の金属窃盗の被害は1万6000件以上。取材をすると、盜まれた金属が流通する闇のルートがみえてきた。

オープニング

オープニング映像。

給湯器も室外機も…!?急増“金属窃盗”の闇に迫る
追跡!“金属窃盗”の闇 全国で多発 誰がどこへ?

金属窃盗の被害件数は2020年から3年で3倍に急増。金属製品窃盗の様子が写った防犯カメラ。複数の人物が太陽光発電の施設に侵入し何かを運び出している。約2時間後に車で持ち去っていった。盜まれたのは銅線ケーブル600m、被害額は約400万円。山梨の学校から盜まれたのは金属製の銘板。バラバラの状態で金属回収業者に持ち込まれていた。埼玉の公園では側溝のふた、377枚が盜まれ、被害額は140万円余。被害が相次いでいるのが銅。先月、神奈川のスポーツ施設では約4.2キロもの銅線ケーブルが一夜で盜まれた。2300万円を超える被害を受けたという。なぜ銅が狙われるのか?以前、犯行に関わっていた人物が取材に応じた。銅の国際価格はこの4年で約2倍に高騰している。世界的に銅の需要が高まっている。去年3月、千葉県内の太陽光発電所で銅線ケーブル2.7キロ分、時価約1000万円相当が盜まれた事件。先月、カンボジア国籍の2人と日本人1人が窃盗の疑いで逮捕された。うち1 人は調べに対し、売れば金になると思った、警備がゆるいところを狙い埼玉や茨城でも40件ほどやったと供述している。盜まれた銅線はどこに売られたのか?取材をすすめると、関東のある業者が買い取っていたことがわかった。膨大な量の持ち込みに不審な点を感じたものの、出どころを深く追求することはなかったという。

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千葉県埼玉県大井町(神奈川)山梨県茨城県

盜まれた金属の流通をどう取り締まるのか?去年、過去最多1684件の金属窃盗があった千葉県では警察が実態調査に乗り出している。買い取り業者への調査に密着した。業者に話しを聞くと、盗難品の流通を防ぐ難しさがみえてきた。業者にとっては盗品かどうか見極めきれないという。さらに、中古品などを扱う際には盗品の流通を防ぐために、古物営業法で身分証の確認や取引記録を残すことが求められている。スクラップされる金属類はその対象外となり、流通ルートをたどるのは難しい。この業者では金属類の売買でも自主的に身分証を確認し、取引記録を残していた。警察では他の業者でも記録を残すように呼びかけている。一方、犯行グループに関わっていた人物は身元を確認しない業者を把握した上で持ち込んでいると語った。

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千葉県千葉県警察
追跡!“金属窃盗”の闇 なぜ被害拡大?対策は?/追跡!“金属窃盗”の闇 盗品なぜ流通?規制は?

金属の窃盗犯について警察は今実態の把握をすすめているところ、各地で相次いでいる太陽光発電施設での被害は不法滞在の外国人グループが組織的な犯行を行っているとみている。日本人が外国人グループとともに犯行に及んでいたり、日本人が単独で給湯器や室外機の窃盗を繰り返していた事例もある。捜査関係者は銅は金ににあるという認識が広まってきているという危機感があるという。狙われやすいのは、屋外で人目が少なく、セキュリティーが手薄な場所。室外機や給湯器は大通りに面していない家や空き家が狙われやすい。防犯アドバイザーによると、犯罪者が嫌がる4原則、音・光・時間・人の目を意識することが大事だという。古物営業法に金属類は対象外となるのは、買い取った後に溶かすなどして形を変えるものであるからだという。金属の取引市場に詳しい吉田哲さんは盜まれた金属が海外に流出している可能性もあるという。金属の盗難は世界全体で起きていて、どこでも高値で売れる、円安で輸出に有利という背景もあるという。インフラが進む、社会が発展していく上で金属全般は需要が増えていく、銅以外のアルミなども需要が増えて価格が上がっている。

追跡!“金属窃盗”の闇 買い取る側の対策は?

金属買い取り業者、社長の福田隆さん。知らぬ間に盗難品を買わないよう6年前に取引のルールを変更した。以前は予約不要で突然訪れた売り主にも対応し、現金で取引をしていた。身元のわからない相手から金属を買ったこともあったという。事前に契約した相手とだけ取引をするように変更し、現金での支払いも取りやめた。福田さんの会社も参加する業界団体で4月から新たな取り組みとして、適切な取り引きを推進する部会を発足。盗難品を扱わないよう同業者に呼びかけ、法整備を求める方針。

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大田区(東京)
どうする?急増“金属窃盗” 被害を防ぐために何が?

吉田哲さんは買い取り業界のあと、金属を溶かす業者、運ぶ業者、使う業者があるので、買い取り業者だけでない認証制度が必要だと指摘。被害の多い千葉県などでは金属類の取引を規制する条例の策定を目指している。条例により、窃盗犯が安易に事業者に売却することが難しくなる、売却のハードルを上げることによって窃盗犯の萎縮効果が期待できるという。吉田哲さんは日本は資源は乏しいが、都市鉱山という資源がある、ある資源を正規のルートで流通する流れを作ることが大事だと話した。

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