2024年6月26日放送 19:30 - 19:57 NHK総合

クローズアップ現代
使うほど“富”が流出!? どうする巨額「デジタル赤字」

出演者
桑子真帆 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

#4908 使うほど”富”が流出!? どうする巨額「デジタル赤字」
使えば使うほど”巨額”に どうする?デジタル赤字

今や暮らしに欠かせない様々なデジタル製品。アプリやサービスの利用料は海外に本社があるIT企業に支払われており、その額は年々増加している。デジタル赤字は、昨年、過去最大の-5.3兆円。近年、佳境を呈しているインバウンドによる黒字が+3.6兆円。稼ぎが吹き飛んでしまう額となっている。このデジタル赤字は日本のあらゆる企業にとって無視できない問題。オフィス用品のレンタル事業を行うベンチャー企業。社内外とのオンラインでの打ち合わせや商品の在庫管理などにはマイクロソフト製品が欠かせないが、悩みのタネは円安などを理由に毎年繰り返される値上げ。デジタル赤字をさらに増幅させるのではないか、そんな指摘が出ているのがクラウドサービスの拡大。インターネットを通じてソフトウェアやサーバーなどを利用できるクラウドサービス。この仕組みを使えば企業は一からシステムを組む必要がなく、大量のデータの処理や管理が行えるようになる。ただ、日本では主に企業が使うクラウドサービスの6割以上を海外のIT大手が占めているとみられている。デジタル赤字拡大について専門家は「新しいテクノロジーを利用していくことで効率がどんどん上がるので、それによってコスト削減というのは可能だとわれわれは考えている」などと話した。

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Amazon Web ServicesAmazon.comアイ・ティ・アールアマゾンウェブサービスジャパンハイミ・バレスマイクロソフトヤプリレンタルバスターズ中央区(東京)千葉県日本コンベンションセンター国際展示場港区(東京)
”デジタル小作人”状態!? 海外IT依存と巨額赤字

海外IT企業大手への依存状態を「デジタル小作人」ともいわれている。三菱総合研究所の西角さんは「デジタル赤字というのは日本のお金が海外に流れていく。そうすると、デジタル産業が将来に向けて投資をするための体力が徐々に奪われていくということを意味する」などと話した。

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三菱総合研究所
どうする?デジタル赤字 勝利のカギは”付加価値”

神奈川・秦野の老舗旅館はクラウドを利用した旅館の運営システムを開発し販売。全国550以上の施設で採用され、売り上げは年間3億円以上。本業に並ぶ収益の柱となっている。海外のクラウドを使って徹底した効率化を進めた結果、業績は回復し離職率も大幅に低下。これをきっかけにシステムの開発を行ったという。

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元湯 陣屋秦野(神奈川)
どうする?デジタル赤字 海外に頼らない”新戦略”

国産のデジタルサービスを生み出しデジタル赤字の拡大を食い止めようという動きもある。創業10年のITベンチャー企業では海外のIT企業に頼らない国産AIを目指している。

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ENEOSPreferred Networks千代田区(東京)川崎(神奈川)
どうする?デジタル赤字 利益を生み出す戦略は/デジタルの恩恵と課題 どう向き合うべきか?

「稼げるデジタル小作人」になるためには、非デジタル産業とパートナーがキーワードとなる。デジタルと馴染みの薄い産業ほどデジタルを取り入れて伸ばすことなどが稼ぐポイントになるという。研究開発費を比較すると、主な日本企業が束になってもアメリカの巨大IT大手5社には遠く及ばない額となっている。三菱総合研究所の西角さんは「国が支援するということも含めて考えていく必要がある」などと話した。

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