- 出演者
- 赤木野々花 中野貴司 磯部哲
オープニング映像。
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- SARSコロナウイルス2厚生労働省
ワクチンには効果が期待される一方で、極稀に重い症状が出ることがある。そうした人々を救済するのが予防接種健康被害救済制度。2021年以降、新型コロナワクチンでの申請件数は増え続け、申請した人たちは様々な症状を訴えている。国は被害者を迅速に救済するとしているが、取材を進めると迅速とは言い難い現状がみえてきた。
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高橋さん(仮名)は新型コロナワクチンを接種した後、口のしびれや重い倦怠感などさまざまな症状に悩まされている。当初、原因が分からず10か所の医療機関を転々とすることに。高橋さんが受診ている岡山大学病院。この病院に通う患者が訴えるワクチン接種後の症状は、手足のしびれや倦怠感、頭痛、めまいなど、他の病気でも起き得る症状のため、判別が難しい。予防接種健康被害救済制度を知り、申請に向けて動き始めた高橋さん。しかし、大きな壁に直面。高橋さんが準備した申請書類は、これまでにかかった11の医療機関や薬局全てから、カルテや受診証明書、領収書など。体調不良を抱えたまま集めた。ようやく自治体に申請するも、書類の不備や不足を指摘され、何度も修正を求められた。申請が受理されたのは準備を始めてから半年後のこと。これまで4年間で治療や検査にかかった費用は100万円以上。一刻も早く認定されることを願っている。救済制度の認定を受けた男性は、認定されるまでに申請から1年以上を要したと話す。
予防接種健康被害救済制度は、これまで申請があったうち認定されたのは約7割にあたる9054件。今も700人を超える人が審査を待ち続けている。こうした状況になっている理由について川崎医科大学 特任教授・中野さんは「救済制度自体がパンデミックを想定したものになっていなかった」と指摘している。
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この4年間で230件の申請があった名古屋市。より早く患者を救済するため、市が独自の制度をつくった。患者からの申請を受け付けた時点で市から書類作成にかかった費用全額と医療費の4分の3が給付されるというもの。認定されれば、さらに国からも支払われる。
自治体独自の救済制度について慶應義塾大学大学院 教授・磯部さんは「意欲的な独自な取り組みは素晴らしいことだが、自治体の規模や体力は千差万別。被害救済で地域差があり過ぎるのもどうかと思う」などと指摘した。
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予防接種健康被害救済制度の両輪となる副反応疑い報告制度。この制度では医師や薬剤師がワクチンによる副反応が疑われる症例を国に報告し、国の専門委員会はワクチンとの因果関係を分析。リスクが見つかれば情報を周知。ところが、この因果関係はほとんど解明されていないのが現状。新型コロナワクチンの場合、副反応疑い報告数は約37000件。そのうち分析されたのは比較的緊急性が高いとされた約2200件にとどまっている。なぜ分からないのか。多くの医師が報告システムの問題点を指摘している。
副反応疑い報告制度の問題点について、磯部さんが委員長を務めている第三者委員会ではワクチンとの因果関係を評価する基準の細分化を提案しているという。
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- SARSコロナウイルス2世界保健機関
エンディング映像。