2025年10月14日放送 19:30 - 19:57 NHK総合

クローズアップ現代
利用者急増!“にぎやかな図書館”のヒミツ

出演者
桑子真帆 
(オープニング)
オープニング

本が売れない書店が減る。そんな時代に利用者が急増する図書館が次々と生まれている。石川県立図書館には年間119万人が訪れる。岐阜市立中央図書館はおしゃべりOK。親子連れが殺到し来館者数が約10倍になった。いま全国で新たな形の図書館が賑わいを生む地域再生の切り札として注目されている。にぎやかな図書館の可能性をさぐる。

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岐阜市立中央図書館石川県立図書館
#5059 利用者急増!“にぎやかな図書館”のヒミツ
“にぎやかな図書館”のヒミツ

桑子真帆が「みんなの森 ぎふメディアコスモス」を訪れた。人が集まるヒミツを図書館のプロデュースを手掛けた吉成信夫さんに教えてもらった。この図書館が特に注目を浴びている理由の1つは「おしゃべりがOK」なこと。子どもが声を上げて自由に過ごすことができ、日中や週末は多くの子育て世代に賑わう。10年前にリニューアルし以前は少なかった40歳以下の利用者が22倍に増えた。館内には静かに本を読みたい人たちのエリアもある。さらに市民同士が本を通じて出会い交流する「BookBook交換会」が行われている。他にも「おとなの夜学」や子どもたちのラジオ番組週力など年間100以上のイベントを開催している。結果、来館者は15万人から135万にまで急増した。なぜ図書館をにぎやかにしたのか?という質問に吉成信夫は「本の貸し借りで人がつながったり、出会いが多発する場所が生まれたらそこで交流が起きるって思った。図書館で喋れるようになったらもっと来やすくなる」などと話した。

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にぎわう新たな図書館 地域の課題解決も

利用者を広げる賑やかな図書館、全国各地を取材すると地域の実情に合わせて工夫していることが見えてきた。北海道・札幌市にある札幌市図書・情報館は働く人たちのニーズに特化した図書館となっている。本の半分以上はビジネス書。本の貸出は行ってない。図書館の一角には企業や経営の相談窓口を設けている。岩手・紫波町の紫波町図書館では農業支援をコンセプトの1つに掲げている。展示の取材を行っているのは図書館の司書たちだった。紫波町ではこの10年で約3割の農家が減少。担い手不足に悩む農家を応援しようという取り組み。物価高や獣害の影響など農家の抱える課題も聞き取って伝えている。

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これまでの図書館が文化教養型というのに対し、これからは課題解決型の図書館を目指そうというような方向が打ち出されてきた。図書館が課題解決を行う意義は?という質問に糸賀雅児は「信頼性や確かな情報は図書館の史料は優れている。利用者は自分の課題の最適解に出会える確率が高くなる」などと話した。吉成信夫は「図書館は個をつなぐコミュニティーの役割なのかなと」などと話した。

にぎわう新たな図書館 地域再生の起爆剤に

宮崎・都城市では中心部の老舗デパートが閉店し、空洞化が課題になっていたが、跡地に図書館を中心とした複合型施設を整備した。図書館の隣にはカフェ、保健センター、スーパー、ホテルがある。複数の施設を集約することで人流は5倍になった。新たな人の流れができたことで周囲にも経済効果を生んでいる。図書館周辺にはこの7年間で100軒以上の店がオープンした。市ではこの地域の空き店舗に出店する事業者に対し補助金を出している。

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都城市都城市(宮崎)
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資金面の課題について糸賀雅児は「多機能型の施設を作る場合に、国から街作りのための交付金がでる」などと話した。国土交通省の交付金・補助金を活用した公立図書館の建設はこの10年で100館を越えている。図書館は他の施設と違い、週に何回来るとか月に3回とか繰り返し来館する人が多い。他の公共機関と違って集客力がある。選書、職員体制、司書が大切となる。

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国土交通省
地域の人々の居場所に 新たな図書館の可能性

佐川町立図書館 さくとでは、イベントから花壇の手入れに至るまで住民が運営に携わっている。以前は、施設が老朽化し、蔵書も多くなかったので利用する人は多くなかった。そこでみんなが集える場にするために町はワークショップを繰り返し開催。住民とともに図書館を作り上げていった。高橋まなぶさんは仲間や利用者との交流が深まる中で地域への関心が高まったという。

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佐川町立図書館さくと佐川町(高知)
トーク

図書館を地域を豊かにする存在にしていくにはどういうことが重要?という質問に吉成信夫は「社会のつながりやまとまりを回復していく場所として図書館はある。地域への誇りや愛着をどういうふうに作っていくのか。そういう関係性の豊かさがあったうえの、にぎやかさに繋がらないと本当の賑やかさにならない」などと話した。

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国土交通省
“にぎやかな図書館”若い世代の居場所に

岐阜の図書館の一角にあるのは中高生が司書に悩み事などを相談できる掲示板。これまで届いた声は2000通にのぼる。未来の地域の担い手たち。図書館がその大切な居場所になっている。

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