- 出演者
- 桑子真帆 夫馬賢治 伊藤昭彦
取材班は政府機関による森林破壊の調査に同行した。調査には日本のJICAも協力している。日本のレーダー衛星が市街地から200kmほど離れた原生林で異常を検知した。調査地点からドローンを飛ばして現地を調査。約400ヘクタールが違法に伐採されていた。政府は体制を強化して違法な伐採の取り締まりにあたっているが根絶には至っていない。アマゾン地域の経済問題が一因とされる。世界的な大豆需要の高まり。地元の農家組合は世界の需要を賄う代償としてアマゾンの森が失われていると主張している。
これまで森林の消失が進んできたのはアマゾンの東部から南部にかけて。しかし、近年ではアマゾン北部でも森林の消失が確認されるようになっている。ジャウー国立公園では2年前に森林火災が発生。植物の種子を運ぶ動物も姿を消し、森の再生は困難な状況になっている。科学者はこのままでは後戻りできない臨界点を超えてしまうと警鐘を鳴らしている。
世界の森林資源を研究している伊藤昭彦さんをスタジオに迎えた。アマゾンの役割について伊藤さんは「アマゾンの原生林は植林された林とは違う。人間が手入れをしなくても生物多様性も高く自分の働きで待機中の二酸化炭素を調節してくれる大切な存在」などと話した。
- キーワード
- アマゾン
主要な商社などが森林保護を目的に始めた自主規制・大豆 モラトリアム。2008年以降に森林破壊した農地の大豆は取引しないとした。ことし4月、ブラジル連邦議会で大豆生産者団体は自主規制の撤廃を訴えた。しかし、先週始まったCOPの会場でさらなる開発に待ったをかける研究結果が示された。森林破壊によってアマゾン地域の農業の潜在的経済損失が少なくとも10億ドル以上にのぼるという指摘だった。
農業と環境問題の関係に詳しい夫馬賢治さんをスタジオに迎えた。夫馬さんは「ブラジル政府もルラ政権になってからは取り締まりを強化しているが、いたちごっこが続いている」「大豆の流通ルートはかなり複雑で、現状では違法な伐採で生産された大豆と合法の大豆がまざる形で日本も含めて世界中に流通してしまっている」などと解説した。
9月、アマゾン東部の農家を訪ねた日本の大手食品メーカー。今、取引先のカカオ農家の収益性向上に取り組んでいる。チョコレートの需要が高まる中、カカオ畑の開発も世界の森林破壊の一因だとされている。そうした中、カカオの殻を再利用する技術を生産者に提供。収益性を高め、森を維持しながら暮らせるようにするのが狙い。
- キーワード
- グーグルトメアス(ブラジル)
エンディング映像。
