- 出演者
- 桑子真帆 内野昌孝 小倉ヒラク
オープニング映像。
なぜ今、海外で日本の発酵食品が人気なのか。世界の名だたるレストランのシェフたちは発酵がもたらす食べものを美味しくさせる力に注目している。健康効果への期待からも注目されている。しかし、ブームの影で日本では発酵食品が存続の危機に陥っている。沖縄にある味噌蔵では、近年の物価高が直撃し、経営が限界に近づいていた。そこに追い打ちをかけているのが“令和の米騒動”。加工用米が入手できず、一時は製造中止にまで追い込まれた。
全国の発酵食品の魅力を発信する小倉ヒラク氏、発酵に関わる微生物を研究している内野昌孝氏をスタジオに迎えた。小倉氏によると全国の発酵食品の中でもハタハタずし(秋田)が危ないという。近年、ハタハタが急激に穫れなくなっているため。また、天日干し大根(宮崎)も危ないという。江戸時代からある古い製法の発酵食品。少子高齢化により、大根を干すときの櫓を組む技術や農家の継承が上手くいっていないため。
江戸時代から伝わる発酵食品・せんだんご。さつまいもを原料とした保存食。対馬の郷土料理には欠かせない。せんだんごは離島・対馬の厳しい環境を生き抜くために人々の知恵と工夫から生まれたものだった。対馬で大切に受け継いできたせんだんごは、年々生産量が減少し、今は入手が難しくなっている。
小豆島で江戸時代末期から続くとされる醤油蔵。年間1万人もの外国人観光客や海外からのバイヤーが訪れる。注目しているのは味だけでなく受け継がれてきた蔵の歴史。今こそ海外からの注文も入る醤油蔵だが、山本さんが5代目を引き継いだ頃は赤字経営で存続の危機を感じたこともあるという。木桶醤油の需要は年々減少。それに伴い、製造に欠かせない木桶を作る職人も減少。しかし、このピンチが逆転のきっかけとなった。山本さんは自ら木桶作りを学び、全国の蔵元に共に木桶を作ろうと呼びかけた。これを機に、木桶を作るだけでなく、全国25の蔵元が木桶醤油の魅力を発信するために連携を始めた。KIOKEというブランドで統一して海外に販路を拡大。木桶醤油の輸出額は5年で3倍にもなった。
