- 出演者
- 瀬戸康史
作家・吉村昭。生前の好物はアイスクリーム。今回、アイスクリームと共にひたむきに書き続けた1人の作家の生涯を紐解く。
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- 吉村昭
オープニング映像。
79年の生涯で370以上の作品を残した作家・吉村昭。記録文学の先駆者として知られる。戦争や震災、医療など幅広いテーマを描いた。06年に亡くなったが、書斎は三鷹市に残されている。妻は芥川賞作家の津村節子。書斎は吉村がどこよりも愛した場所。思い立つとすぐ取材に出かけていた。「小説は書き出しが命」と考えていた。酒豪で知られたが、アイスクリームも好物だった。
「濃厚ぜいたく 上等バニラ」を調理。牛乳とバニラを沸騰させ、グラニュー糖と卵黄に混ぜる。83℃まであたため、ブランデーや生クリームを加える。アイスクリーマーで20分。
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- 吉村昭濃厚ぜいたく 上等バニラ
1927年、東京・日暮里に生まれた吉村昭。紡績業を営む家の8人目の男児。幼く亡くなった兄や姉がいたことから、母は食べ物に気を使っていた。果物で許されたのはリンゴ、みかんなど。夏はアイスクリームを食べさせてもらえた。後の著書にもアイスクリームを食べたときの記憶が綴られている。
「愛称ばつぐん!黒糖としょうが」を調理。使うのは黒糖、しょうが。牛乳に黒糖を入れ沸騰させ、しょうがを加える。卵黄に混ぜ、83度まで温める。冷やして生クリームを加え、保存袋に入れ凍らせる。
「アイスにぴったり!レモンジャム」を調理。レモンの川を細く切り、しょうがを10gすりおろす。これらを煮詰め、袋に入れてもみほぐす。
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- アイスにぴったり!レモンジャム
作家・吉村昭が生まれ育った日暮里。神社の夏祭りを毎年心待ちにしていた。露店のお菓子が何よりの楽しみ。お気に入りは食パンに黒蜜を塗った「密パン」。日暮里駅近くにある和菓子店によく通い、母から頼まれ「羽二重だんご」を買っていた。小学生の頃、大学芋のうまさに気づく。
ここまでに調理したアイスクリームを盛り付け。
1949年、作家・吉村昭は肺を患い手術。一命を取り留める。作家を志したのは23歳で大学に入学したころ。多くの作品を世に送り出し数々の文学賞を受賞。晩年はがんで闘病を余儀なくされる中、好物のアイスクリームを楽しんだ。小説を書くことも最後まで諦めなかった。亡くなる前日、ビールとコーヒーを欲しがった。アイスクリームを食べる力は残っていなかった。享年79。
エンディング映像。
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