2025年4月27日放送 0:10 - 1:00 NHK総合

シリーズ 人体・特別版 神秘の巨大ネットワーク
(1)“腎臓”が寿命を決める

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(オープニング)
今回は…

最新科学が解き明かした人体の神秘を紹介するシリーズ企画。今回のテーマは尿を作る臓器「腎臓」。今、世界中の科学者が腎臓に注目している。

キーワード
腎臓
オープニング

オープニング映像。

(シリーズ 人体・特別版 神秘の巨大ネットワーク)
体内パワーを引き出せ!長寿のカギは腎臓にあり

標高2100mの地帯にあるアメリカのフラッグスタッフは日本代表の水泳チームが長年高地トレーニングしてきた場所である。今回の協力者であるリオ五輪競泳金メダリストの金藤理絵選手は次世代のアストリートを連れて本場所へとやってきた。練習では泳ぎ終わった直後に酸素飽和度を調べると、選手たちは88%状態となっていた。ところが2週間後においては正常の数値となっており、高地順応が起きていた。人体で酸素が足りなくなると腎臓が反応し、EPOと呼ばれるメッセージ物質を生成し、骨へと入り込んで赤血球の増産が行われ、持久力の増加へとつながる。腎臓は体内にメッセージを送る物質を出す為に、情報のネットワークは構築されており、血管網がルートとされる。腎臓は体内の情報ネットワークは要として命の根幹に関する命のメッセージ物質を出して体のコントロールをしている。

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エポフラッグスタッフ(アメリカ)リオデジャネイロオリンピック北京オリンピック東京オリンピック東海大学腎臓西村智
高血圧が治る!最新治療 長寿のカギは腎臓にあり

ドイツにあるライプチヒ心臓センターのターゲットは高血圧であり、世界で10億人以上が悩まれているとされている。心臓専門医のフィリップ・ルーツさんは高血圧の治療で腎臓を手術を行い、腎臓の神経の一部を焼き切る等をした。血圧を監視してコントロールするのも腎臓の仕事であり、レニンとよばれる血圧を上げようとするメッセージ物質が要因にあたり、レニンの増産で全身の血管に変化が起こり、血圧が上がるとされている。最近ではレニンの出し過ぎで高血圧の原因になっていることが判明し、手術で正常化すれば下げられることもわかってきた。手術を受けたユルゲン・ミッデンドルフさんは血圧が正常に戻り、妻と一緒に健康になったことへの嬉しさのコメントを述べた。フィリップ・ルーツさんは腎臓について、あらゆる臓器と語り合いながら重要な仕事をしているのだ等と述べた。

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長寿のカギは腎臓にあり 見えた!腎臓の“本当の役目”

人体ではあらゆる臓器がメッセージを出しており、体内に情報ネットワークが形成されている。腎臓はその要。情報を伝える回線としての役割も持つ血管。それが特に多く集まっているのが腎臓で、血液中のあらゆる成分は腎臓が調節している。

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腎臓
長寿のカギは腎臓にあり 血液管理 驚きの仕組み

体内において、血液の管理者である腎臓は果たしてどうやって大仕事をやってのけているのか?顕微鏡撮影のエキスパート ・古賀大輔さんなどのチカラを借り、これまでヒミツのベールに包まれていた大プロジェクトを立ち上げた。握りこぶしほどの腎臓、その断面を顕微鏡で見ると、ところどころ不思議な形をした丸いものがみえる。これは糸球体で、表面にはタコのように足を伸ばした奇妙な細胞がたくさん張り付いており、足と足が絡み合っている。この細胞は、腎臓におよそ100万個存在する。更に、腎臓の血管は、老廃物を含んだ血液から、尿をつくると同時に、あらゆる成分を絶妙に調節した血液も送り出している。

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日本放送協会糸球体肝臓

腎臓は、本当の尿をつくると同時に、血液の成分調整までしてしまう神業。原尿が通る管の中に、洞窟のような不思議な世界が広がっている。微絨毛で吸収された成分は、血管の中へと再び吸収されることにより、血液の成分が絶妙に調整されている。その際、ほかの臓器から受け取ったメッセージも取り入れ、全身にとって最適な状態を作り出している。

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尿細管微絨毛
長寿のカギは腎臓にあり 腎臓に挑んだ科学者たち

かつて熊本大学で腎臓について研究した宮家隆次さん&河北誠さん。2人は血液を専門とする医師で、腎臓が全身の赤血球をコントロールする重要な物質を出していると考え1960年代から研究を始めた。研究には貧血患者の尿を活用。研究を10年以上続け、世界で初めて物質の抽出に成功。処理した尿は計20トン。後にこれを人工的に作る方法もわかり、薬も開発された。

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熊本大学熊本大学医学部附属病院熊本県腎臓

東北大学の鈴木教郎さん。腎臓から抽出される重要物質「EPO」が腎臓のどの部分から出されているのか、世界で初めて場所を特定した。場所は血液成分を調節している尿細管の近く。腎臓が全身の酸素の見張り番として働いていたことも突き止めた。

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宮城県東北大学腎臓
発見!寿命を決める物質 神秘の巨大ネットワーク

動物には決まった寿命がある。寿命と身体の大きさは比例するが、これに当てはまらない動物の一つに、人間がある。これには、血液中の「リン」の量が影響している。発見のきっかけは、日本人研究者が発見。リンの増加が、老化が加速する理由は現在解明の途中であるが、血液中のリンが増えると、血管の石灰化がおこり、全身の血管が固くなることがその一因とされている。逆に、腎臓の働きを健全に維持することができれば、長生きが可能である。腎臓は、骨からのメッセージを聞いている。骨は、リンの貯蔵庫として、その量を監視する役目を担っている。

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リン栃木県腎臓自治医科大学
長寿のカギは腎臓にあり 多臓器不全を未然に防げ!

複雑な仕組みで全身を管理している腎臓。先進国の入院患者の中で、5人に1人が急性腎障害であることがわかった。なぜ、腎臓以外の病気の患者まで、腎障害を起こすのか。ネットワークの要である、腎臓に異変があると、それが全身の臓器に影響をおよぼし、そうして起こるのが多臓器不全である。腎臓を守りさえすれば、救えた命が多くあることもわかっている。ルイ・フォルニさんは「急性腎障害は世界的な問題。少し治療を変えるだけで、助かる可能性がある患者が毎年大量になくなっている」と話す。こうした命に対し、薬が弱った血液に最後のトドメを指しているのがわかった。腎臓に迫る危機をリアルタイムで把握するシステムを開発し、全ての患者に導入。

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イギリスワージング病院急性腎障害腎臓

人体の健康において特に重要な腎臓。京都大学医学部附属病院では、腎臓の専門医がその他の病気の治療にも積極的に関わり薬の量をきめ細かく調節するなどの取り組みを行っている。全患者に腎臓を見守るシステムを導入した英ワージング病院。この成果を元に、英国では多くの病院が同システムの導入を検討している。

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ワージング病院京都大学医学部附属病院腎臓
(エンディング)
エンディング

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