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オープニング映像。
愛南町外泊には150年にわたって受け継がれてきたとされるふるさとの石垣は4月の地震で崩れてしまった。高知県と県境にある愛媛県愛南町は、その端にある集落が外泊。住民は50人で多くの家が石垣に囲まれている。高くそびえる壁は台風や季節風などから暮らしを守るために築かれたというが、4月17日の深夜に愛媛と高知を大きな地震が襲った。最大震度6弱の地震は愛媛では初めてで愛南町でも強い揺れが観測された。崩れた外泊の石垣は10箇所におよび怪我をした住人はおらず、家屋にも被害はなかったが石が道を塞いだ。地震の3日後から住人たちは石垣を直し始めたが再び強い地震があるかもしれないと思いながら修理を行う。その指揮をとるのは吉田清一さん。住民で作る石垣守ろうかいの会長をしている。石垣は私有地にあり、修復に公的な補助はでず。区長の吉田幸稔さんも修理に臨んだ。
発災から半月、作業は初夏の暑さを避けながら少しずつ続けられている。石垣守ろう会の会長の吉田清一さんは若い頃に担い手の途絶えていた石積の技術を独学でみにつけた。以来、半世紀近くにわたって石垣を守ってきたが、70歳となりその後継者は吉田幸稔さん。生まれも育ちも外泊で、集落が誕生したのは幕末の頃。強風から家を守るために石を積んで明治には石垣の里になった。かつては魚を取り、段々畑ではイモなどを育てていた。転換期は昭和40年代後半で、海中公園や国立公園に指定され観光ブームが到来。海の中をのぞけば美しいサンゴや魚たちが。当時はマリンレジャーを目当てに石垣の里にもたくさんの人が訪れた。しかし観光ブームは昭和とともに去り、石垣守ろうかいの会長の清一さんは集落で最後の民宿を去年まで営んでいた。5月下旬に、地震から1ヶ月が経過しすべての石垣の修復が終わった。商店は10年前以上になくなり、週に2度移動販売がやってくる。住民の多くは高齢者で、急な坂道は厳しいという
石垣が崩れれば避難路が塞がれるかもしれないという。また石垣の里を襲うのは揺れだけではなく外泊のある半島の向こうには太平洋が広がっている。南海トラフ地震で想定される地震は、5m~10m。
震度6弱が襲った愛媛県愛南町。外泊地区の区長の吉田さんの呼びかけで防災学習会が開催された。こうした学習会では外泊ではもう何年も開かれていなかったが、想定は南海トラフ地震。愛南町危機管理専門官の二場健児さんは町民に現実をつきつけた。海に面した外泊は南海トラフ地震が起きれば30分から40分ほどで巨大な津波が押し寄せると予想されている。さらに集落は半島の端に位置し、道路が寸断されれば孤立してしまう。大事なのは自分たちで生き残ること。防災学習会に最前列で参加していた吉田さんは学習会で意識が変化したという。ふるさとで生きていくための備えを整えた。地域の災害の歴史などを研究する専門家は南海トラフを震源とする地震は繰り返し起きている。1854年の安政南海地震では外泊の近くの集落の内泊に津波の記憶が残っている。1946年の昭和南海地震。78年前に津波から逃げたという女性が。今でも鮮明に覚えているという。
8月8日には南海トラフ地震臨時情報巨大地震注意が発表された。 外泊で生まれ育った高校生の宇都宮かのんさん。将来の夢のために来園の春にはふるさとを離れるという。
エンディング映像。