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(オープニング)
オープニング
(ニッポンの里山 ふるさとの絶景に出会う旅)
フクロウを育む田んぼ
栃木県のほぼ中央に位置する宇都宮市逆面町は、杉や広葉樹の森、田んぼが広がり、人々の暮らしのすぐそばに里山の自然がある。地元の名産・大谷石で造られた蔵が多く建ち並び、フクロウの飾りが見守る。この町の人々はフクロウを大切にしている。10年ほど前からフクロウが巣を作るうろのある木が減っていることから、農家の藤井伸一さんはフクロウのために巣箱を作って置いている。3月下旬になると巣箱の中にはタマゴが2つあった。森の斜面ではカタクリやイチリンソウが咲き誇り、花の蜜を求めてニホンミツバチが動き出す。5月に巣箱を覗くとタマゴからヒナが生まれていた。オスから獲物を受け取ったメスの親鳥がヒナたちに餌を与えた。ネズミ・モグラ・カエルなど様々なものを食べて大きくなる。フクロウが狩りをする大切な場所が森と水田の間の草地「コサ場」。逆面町の人々はフクロウの餌となる生き物が見えるようコサ場の草刈りをこまめに行う。ニホンアカガエルはフクロウの好物。逆面町では農薬や化学肥料を使わない米作りに取り組み、田んぼにも多くの生き物が生息する。作ったお米はフクロウ米として注目されている。6月になるとフクロウのヒナが巣から出てきた。もう2~3か月、親鳥と一緒に過ごし、自分で獲物がとれるようになると独り立ちする。
里山 色とカタチ