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日本の在留外国人数は300万人超で過去最高を更新。政府の方針として外国人が学べる場所や働く場所を広く募っていることや、世界のグローバル化が進んでいることで日本を訪れる外国人は増え続けている。日本に住む外国人は日々どんな物を食べ、どんなことを考えてながら生活しているのか。
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世界を舞台に活躍するTravis Japanの七五三掛龍也さんと、ドイツ人の父親を持つトラウデン直美さんがやってきた東京・江東区は都内でも多くの外国人が住んでいる地域。お話を伺うのはネパールから来たサンギタさん。
サンギタさんのふるさとネパールは中国とインドの間に位置し、ヒマラヤ山脈がそびえている。2023年時点で日本に在留しているネパール人は約15万6000人。アジアの中でも所得水準が低いことから国外に出稼ぎに出ている人が多いという。ネパールには日本の定食とよく似た国民食があるんだとか。
サンギタさんの自宅を見せてもらう。玄関には多くの写真が飾られていて、靴箱の上にはネパールの伝統的な容器“カルワ”が置かれている。ベッドルームに置かれた化粧品は日本製のもの。額につけるしるしの“ティカ”には「幸せが来るように」と祈る意味が込められているという。若い世代ではファッションとして色を選択しているが、サンギタさんの親世代は結婚してからは赤いティカを毎日つけている。ティカはひとつ数十円~数百円と様々な種類が販売されているという。サンギタさんはベッドルームにネパールのアクセサリーをつっかえ棒を使って工夫して収納していた。
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- ティカ
ネパールから日本に来て20年のサンギタさんのお宅を見せてもらっている。クローゼットにはたくさんのサリーが収納されている。サンギタさんの母親世代はサリーを普段から着ているが、若い世代は楽に着られるクルタ・スルワールを着ることが多いという。サンギタさんはトラウデンさんにサリー、七五三掛さんに男性の正装の帽子トピを着せてくれた。ネパールには100種類以上の民族が暮らし、それぞれ民族衣装にも特色があるという。
ネパール人は8割がヒンドゥー教徒といわれており、サンギタさんも毎朝キッチンの神棚に家族でお祈りをしているという。キッチンにはたくさんのスパイスや豆を常備。また、日本食も多く常備しており、ふるさとと日本の食べ物が食卓に同居している。
サンギタさんはどこでネパールの食材を買っているのか。新大久保にある食材店「バラヒフード&スパイスセンター」に同行した。この日サンギタさんは33点の食材を購入。いつもまとめ買いするという。
サンギタさんがネパールから日本にやってきたのは20年前。ネパールでの学生時代に日本製の鉛筆などを使っていてなんとなく興味があり、安全で行きやすい国だと言われて日本を選んだという。19歳で来日して日本語学校に通いながらアルバイトをして生計を立てていたが、不慣れな日本語とホームシックで精神的に追い詰められる中でビザが下りないという事態があり日本語を勉強することを決意。その後、日本語学校を卒業し電気部品を作る会社に就職したという。かつてはひとつの街から2人程度しか出稼ぎに行っていなかったが、今はひとつの家から1人は海外に出稼ぎに行っており、女性も働くようになったという。サンギタさんは海外在住ネパール人協会に所属し、来日したネパール人のサポートなど、日本とネパールをつなぐ橋渡しをして精力的に動いている。
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- ネパール人協会
ここからはサンギタさんの長女、中学1年生のアイさんにトラウデンさんが話を聞く。アイさんは日本で生まれ育ち、学業と平行して芸能活動も行っている。いま一番やりたい仕事はランウェイでモデルとして歩くこと。モデルとして活躍するトラウデンさんはアイさんに「どう自分らしさを見せるかが大きい部分。好きなものを集めてモデルに生かせるというアイデアを妄想しておくのが大事」とアドバイスした。アイデンティティについてアイさんは「日本の血は入っていないが、日本で育って日本語とネパール語をしゃべれるのが自分の個性。どちらも大切」と話した。
七五三掛さんはサンギタさんにマサラチャイづくりを見せてもらう。沸騰させたお湯にチャイを溶かし、香辛料を細かく砕いてチャイに混ぜ、牛乳をたっぷり加えて砂糖を入れ、茶こしを使ってコップに注ぐ。サンギタさんが淹れたチャイをみんなで飲んだ。
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- マサラチャイ
ネパール伝統料理の「Rato Mato ラトマト 大久保店」にやってきた。ネパールの代表的な定食“ダルバート”を注文した。豆のスープ“ダル”、カレー、ほうれん草炒め、青菜を発酵・乾燥させた“グンドゥルック”、豆粉を乾燥させた塩味のスナック“パパド”などがプレートに乗っている。なぜ東京でネパール料理店をオープンさせたのか。マスターは「新大久保エリアはネパール人のほか、様々な国の人が住んでいるので新大久保にお店を出した。日本のお客さんもネパールに来たようだと喜んでくれる」と話した。サンギタさんは他にもネパール独特の料理を紹介した。定食のあとはネパールで定番の餃子“モモ”を味わった。
トラウデンさんは「なかなかネパールの文化にふれることがないので、お家にお邪魔させていただいて、サリーを着せてもらって楽しかった」、七五三掛さんは「ダールがおいしかった。周りに勧めていきたい」などと話した。
エンディング映像。