2026年8月1日放送 4:15 - 5:00 NHK総合

国際報道
2026 アメリカAI戦争の思惑

出演者
山澤里奈 辻浩平 藤重博貴 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像が流れ、スタジオメンバーが挨拶した。

(ニュース)
米トランプ大統領 “ハマスが武装解除に合意”

「きょう平和評議会がハマスの完全武装解除のための合意に至った。これは恒久的な平和と安全保障のための歴史的偉業への一歩だ」と投稿したトランプ大統領。「平和評議会」はガザ地区の暫定的統治を監督するものでトランプ大統領が議長をつとめている。英BBCは31日、ハマスの幹部がガザ地区での武装解除に合意したことを認めたと報じている。平和評議会の関係者は複数の段階にわけて実行に移しイスラエル軍もガザ地区から撤退すると説明。武装解除完了までの期間について200~350日程度だとしている。ハマスとイスラエルは公式な反応を示していない。ハマスの新しい最高幹部に選出されたハイヤ氏はイスラエルへの強硬姿勢を維持するとの見方も伝えられていた。ハマスの武装解除が実現しイスラエル軍がガザ地区から撤退すれば和平計画は大きく前進することになり、双方による着実な対応が焦点になる。

ポーランドに飛しょう体落下 “ロシアのミサイルか”

30日未明、ポーランド東部の街で防空警報のサイレンが鳴り響いた。午前4時、大きな音でたたき起こされた人も。英BBCは飛翔体の落下地点に直径約10メートルの穴ができたと報道。現場はNATO加盟国の領内100キロほどほどの場所でNATOは防空システムを作動させるなどしたとしている。落下現場を訪れたポーランド・トゥスク首相は「あらゆる兆候からロシアのミサイルだった可能性が高い」と述べ、詳しい調査を進める考えを示した。NATO・ルッテ事務総長はポーランドと連携して防空態勢を強化するとした上で「またしてもロシアによる無謀な行為だ」と非難。29日よるから30日朝にかけてウクライナではロシア軍による大規模な攻撃が行われていた。首都キーウでは食器・骨董品などを扱う市場も被害をうけ約40の店舗が焼け落ちた。

イラン情勢 再び攻撃の応酬 懸念高まる

29日、イランの革命防衛隊に関わる軍の指揮所など数十か所を攻撃したと発表したアメリカ中央軍。ホルムズ海峡に近いゲシュム島で2歳の子ども・両親あわせて3人死亡。イラン側もバーレーンにある米軍施設を無人機で攻撃するなど中東地域に駐留する米軍に対する攻撃を行なっている。イラン革命防衛隊はヨルダンにある空軍基地を複数の弾道ミサイルで攻撃。駐留する米軍のF35戦闘機3機を完全に破壊、兵士・整備要因が死亡したと主張している。革命防衛隊はわれわれの戦いは米軍がイスラムの地から追放されるまで続くとアメリカ側を牽制。アメリカ中央軍はアメリカの航空機で今回の攻撃の試みで破壊されたり被害を受けたりしたものはないとしてイラン側の主張を否定している。

イラン“悲劇の象徴” 最愛の息子亡くした両親の思い

イラン議会のガリバフ議長が投稿した写真。アメリカとの停戦交渉に向かう機内の写真。座席に置いてあるのは米軍の攻撃で死亡した子どもたちの写真。私の同行者だと投稿している。今年2月、米軍の巡航ミサイルが小学校を直撃した攻撃はイラン国内で悲劇の象徴となっている。168人にのぼったとされる犠牲者の1人、マーカーン・ナシーリーさん(7)。体操とサッカーが好きな7歳の少年だった。最愛の息子を亡くした両親に話を聞いた。今週来日した父・シールーズさんと母・アシィーエさん。4人兄妹の末っ子だったマーカーンさん。母親が大好きな息子だった。学校がミサイル攻撃をうけたのは今年2月、軍事作戦の初日だった。1発目のミサイルが学校を直撃、避難の際に2発目が着弾し犠牲が拡大した。犠牲になった子どもたちの葬儀は2度にわたって行われた。遺体が見つからない子どもが少なくなかった。遺体の一部がDNA鑑定されて家族のもとに戻り2度目の葬儀が行われたのは今月22日。マーカーンさんの遺体は今も見つかっていない。なぜ学校が狙われたのか米軍の司令官は意図的ではなかったとした上で「学校は革命防衛隊の基地の敷地内にあった」と説明。学校が攻撃された理由について米メディアは作戦に使われた情報が古かったのではと伝えている。攻撃は誤爆だったのか。トランプ大統領に対して父は「呪いたい気持ちです。インタビューに応じたのは息子のような無実の子を米やイスラエルが殺すのは正しいことではないと世界の人々に伝えたかったからです」と述べた。母は「1人1人の遺族の要求に応えることを望みます。小学校が空爆を受けてしまったということはイランやミナブだけの問題ではありません」などと述べた。父は「友情の手を差し伸べてもらい二度と悲劇が起こらないようにしてほしい」と訴えた。

SPOT LIGHT INTERNATIONAL
AIの軍事利用 米・巨大テック企業の主張は

今年2月に始まったイランへの攻撃で、アメリカ軍は軍事用のAIシステムを初めて本格的に実践投入した。最初の24時間で1000か所以上を攻撃する、かつてない短期間での大規模作戦だった。その一方で人の命を奪う攻撃の判断がAIまかせになっているのではないかなど問題も指摘されている。民間テック企業「パランティア・テクノロジーズ」を取材。イランへの軍事作戦に使用されたのが、司令官の意思決定をAIで支援する「メイブン・スマート・システム」。情報をリアルタイムで集約することが可能になり、司令官はAIとチャットでやり取りしながら指示を出し作戦を決めることができる。その結果、攻撃完了までのプロセスが劇的に速まった。AIは兵器の性能・標的までの距離などデータを分析し最適な作戦を提示する。

軍事用のAIシステムについて、攻撃の判断を早めることが深刻な事態を招きかねない懸念がある。児童た168人が死亡したイラン・ミナブへのミサイル攻撃は、小学校の建物がかつて軍事施設の一部だったため、古いデータをもとに誤って攻撃したのではと報じられている。この問題を取材してきた記者は、短時間で大規模な攻撃を行ったことで情報の検証がおろそかになっていたのではと指摘する。パランティアのギャラガー氏は、古い地図データに原因があったと主張した。米軍はミナブへの攻撃にAIは使用されたのか調査結果を明らかにしておらず、AIとの因果関係は明らかになっていない。

軍がAI活用を検討し始めた当時、テック企業の多くは反発し、グーグルでは軍への技術提供に抗議した従業員が一斉退職する事態となった。その中で群の依頼を受けたのがパランティア。以来軍と二人三脚でAIシステムを開発し技術を軍事利用に提供してきた。アメリカがAIの実践導入を急ぐ背景には他国との競争がある。専門家は中国も軍事AI開発を加速させていると指摘。AIの軍事利用の危険性についてギャラガー氏は「私たちは軍との協力はもっとも倫理的だと考えた」など話した。

WOW!The World
英最大の電波望遠鏡 存続の危機

イギリス最大の電波望遠鏡がある天文台が存続の危機となっている。政府機関が支援資金の打ち切りを決定した。70年近くにわたって重要な役割を果たしてきたこの望遠鏡。国内7つの電波望遠鏡のネットワークに属し、遠方の銀河の研究など科学的成果を挙げてきたほか年間12万人以上が訪れ未来の天文学者の育成にも役立ってきた。天文台の幹部はこの決定に異議を申し立てるとしている。

ブルガリア 自転車と一緒にダイブ

ブルガリアから届いたのは高度約1000m、気球の上からマウンテンバイクとともに飛び降りる世界初の挑戦。オーストリア人のロッククライマーが2年間の準備をして臨んだ。自転車を気球の上に取り付けておき上昇中にそこまで登る。最も緊張するのはロープを外し命綱がない状態になること。2回転宙返りをきめてパラシュートを全開し見事に世界初のダイブに成功した。

(ニュース)
日本・ベルギー外交関係樹立160周年 「小便小僧」に日本の衣装

ベルギーの首都、ブリュッセルからの中継。日本との外交関係樹立160周年を記念して、式典が行われた。小便小僧が着ているのは白地に赤い菊の花などをあしらった鮮やかな武士の装束。お披露目から時間経つが観光シーズン中ということもあり多くの人でにぎわっている。この衣装を手掛けたのは北部アントワープに在住の日本人のデザイナー。10年前外交樹立150周年を記念し作られた。近くの博物館には小便小僧が記念日に着る衣装が1000着以上所蔵されており、日本のものはこの衣装だけでなく金太郎風のものなど合わせて12着ある。ブリュッセルでは2週間後には世界遺産に登録されている広場に50万本以上の花を絨毯のように敷き詰めるフラワーカーペットという催しも行われる。今年は葛飾北斎の浮世絵を題材としたデザインとなる予定でベルギーでは日本との友好が多くの人に意識される年となりそうだ。

Voice to Voice
「死を選択する制度」どう議論

番組では先週安楽死など死を選択する制度について伝えたところ視聴者からたくさんの声をもらった。その一部を紹介。「安楽死の話し認めるべきか禁止すべきか答えがないように思えます」、「最期の選択は欧米諸国の法政策に基づいて日本も議論すべき」という声があった。終末期の患者の死を選択する制度を考えるうえで言葉の定義を確認。児玉教授によると、安楽死は医療従事者が致死量の薬を患者に投与すること。自殺ほう助は医療従事者が処方した致死量の薬を患者自ら摂取すること。尊厳死は延命のための治療を中止して死に至るまでの苦痛を緩和し自然な最期を迎えること。安楽死と自殺ほう助を認めている国では患者に明確な意思があり、回復の見込みがないことなどが条件とされている。日本では1990年代に安楽死の議論が行われたが、2000年代以降は尊厳死の議論が中心になっている。現在は尊厳死は厚生労働省のガイドラインに沿って実施している。安楽死と自殺ほう助は認められていない。児玉教授は安楽死と自殺ほう助の議論が進まない理由について「本当に死にたいわけではないのに、いやいや安楽死をすることになるといった議論がかなりある。死に追いやられないようにするというのが重要」と話している。一方で「死にたいと思っていて間もなく死ぬのでできれば安楽死を受けたいといった思いや利益などを尊重することも重要だ」と話している。一方…

欧米では今月フランスで死を選ぶ制度を認める法案が可決され、制度を導入する国が増えているほか、アジアでは台湾や韓国で議論されている。安楽死などを認めるかどうかについて議論を行う際考えるべき点の一つは、患者にとって必要かどうか。自殺ほう助を認めている、アメリカオレゴン州では患者が自殺ほう助を選択した理由について本人や医師に聞き取り調査を行なっている。1998年から2025年で最も多いのが「自律性の損失」で89.9%。次いで「人生を楽しむ活動に参加できなくなる」が89.3%。そして「尊厳の喪失」が68.7%と上位が自己決定権やQOLが理由となっていた。一方で「痛みへの懸念」が30.4%だった。痛みを取り除くだけでは患者の苦しみを軽減することはできないということかもしれない。医療の進歩によって身体的な苦痛は以前より和らいだかもしれないが、自分らしく生きられなくなった時どう生きるかという問いへの答えは簡単ではない。死を選択する制度を巡る議論では、認めるかどうかが注目されがちだが、制度そのものだけでなく何を尊厳のある生き方と捉えるのかを問う議論でもあるのかもしれない。

Human@globe
在日コリアンの監督 自身の経験をもとに描いた“葛藤”

朝鮮学校を舞台に少女の成長を描いた映画「トロフィー」。部活動で朝鮮舞踊に打ち込む主人公・ソヒは在日コリアン4世。孫明雅監督は朝鮮学校に通った自身の姿を重ねている。ソヒは日本の学校との交流会で同い年の日本人と仲を深めていき、2人の共通の趣味はK-POP。映画ではあえてK-POPと朝鮮舞踊を並べることで、先入観を取り除きたかったという。また朝鮮学校の先生だった孫監督の母親との間にあった心の溝を、映画でも「祖国」「ルーツ」への親子での価値観の違いを表現。

INTERNATIONAL NEWS REPORT
UEFAがFIFA非難 “計画撤回されなければW杯参加せず”

FIFAは投資家などに株式の一部を売却するなどして放映権・スポンサー権などの商業活動とワールドカップなど大会の運営事業を統合した新子会社設立を発表。UEFAは当初から批判していて、30日の声明では「断固として拒否」するとしたうえで「ワールドカップは投資商品として扱われるべきものではない」「外部の投資家が大会の所有権を獲得した瞬間サッカーは永遠に変わってしまう」として警戒感を示している。

アメリカと中国 経済貿易担当高官 オンライン会談

アメリカと中国の経済貿易担当高官がオンライン会談を行った。中国側が経済・貿易をめぐる最近のアメリカの措置に強い懸念を示したとしている。一方双方は経済・貿易での協力を拡大し安定的で良好な発展を推進することで合意。9月には習近平国家主席の訪米が予定されるなか、今月22日にはルビオ国務長官と王毅外相がフィリピンで会談。

国連 次期事務総長は? 1回目投票はグリンスパン氏が最多

今年いっぱいで任期を終える国連のグテーレス事務総長の公認を選ぶため、安全保障理事会で候補者を絞り込む非公開の投票の1回目が行われた。アンクタッド国連貿易開発会議のグリンスパン事務局長が最も多くの支持を得たことがわかった。

中国進出 日系企業調査 “輸出規制強化で税関審査 長期化”

中国に進出する日系企業に今月事業環境について聞いたところ、満足しているという回答が約6割だった一方、軍民両用品目の輸出規制が強化される中で、一般貨物でも税関審査が長期化するなどの影響が出ていることが、日系企業で作る団体の調査でわかった。

(エンディング)
皆さんの声

50代の方から声。「熊本地震が世界でも大きく報じられて、世界の人々の励ましを受けて安堵しています」。山澤さんは、NHKに入って、最初に行ったのが熊本県で、5年間熊本で頑張れたのは、地域の皆さんの支えがあったから。ぜひ体調に気をつけてがんばってほしいとコメントした。

来週月曜は

来週月曜日は、3か月後に迫るアメリカの中間選挙についてお伝えする。

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