2024年8月10日放送 18:00 - 18:50 TBS

報道特集
戦後79年「戦争と子供たち」

出演者
村瀬健介 日下部正樹 山本恵里伽 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

特集は

オープニングの挨拶ときょうのラインナップ。特集は「戦争と子供たち」軍国少年はどう作られた。

(ニュース)
航空・鉄道など帰省ラッシュがピーク

きょうから最大9連休のお盆休み。南海トラフ地震臨時情報が発表されている中、空の便や鉄道などでは帰省ラッシュがピークを迎えている。北海道・新千歳空港は本州方面からの帰省客や観光客で混雑。北海道新幹線の新函館北斗駅も混雑。東京駅を出発する東海道山陽新幹線も混雑。JR東海によると、午前中はほぼ満席で午後の空席も僅かとなっている。空の便は、国内線はきょうが下りのピークとなっていて、上りのピークは日本航空が17日、全日空が17日と18日の見込み。高速道路はきょう午前に下りのピークを迎え、あすも渋滞が続く。あすの渋滞予測:東名高速・秦野中井IC付近で最大35キロ、東北道・羽生PA付近で最大35キロ。

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全日本空輸北斗市(北海道)北海道新幹線山陽新幹線新函館北斗駅新千歳空港日本航空東京国際空港東京駅東北自動車道東名高速道路東海道新幹線秦野中井インターチェンジ羽生パーキングエリア
台風5号あさって東北上陸へ

台風5号はあさって東北地方の上陸する見込み。気象庁は連休やお盆の移動について柔軟に判断してほしいとしている。気象庁大気海洋部・立原秀一主任予報官は「移動の多い時期だが、必要に応じて柔軟な判断、対応をお願いしたい」と述べた。台風5号はあさって東北地方に上陸するおそれがあり、北日本〜東日本にかけて土砂災害や河川の増水氾濫などに厳重に警戒するよう呼びかけている。24時間雨量は、岩手県や宮城県であさって正午までに300ミリと平年の8月1か月分の降水量を超える大雨となるおそれがかあるほか、先月記録的な大雨に見舞われた山形県や秋田県でも明日以降、大雨となる見込み。気象庁と国交省は非常に高い危機感を持っているとして、計画運休や通行規制を念頭に連休やお盆の移動は柔軟な対応をしてほしいとしている。航空各社は、あさって東北地方の空港を発着する便を中心に欠航の可能性があるとして最新の運航状況を確認するよう呼びかけている。

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台風5号気象庁立原秀一
(天気予報)
天気予報

全国各地の天気を伝えた。台風5号東北へ 暴風・大雨に厳重警戒。

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台風5号
(ニュース)
気象庁情報更新「発生可能性に“変化なし”」

気象庁はおととい、日向灘で発生した地震について情報を更新し巨大地震発生の可能性に変化はないとした。気象庁は先ほど情報を更新し「通常とは異なる地殻変動は観測されていない」と明らかにした。この地震に連動して、別の巨大地震が発生する可能性はふだんよりも高い状態が続いているが、おととい夜の時点から高まっているわけではない。気象庁は対象エリアでは引き続き防災対応を続けるよう呼びかけている。一方で臨時情報の発表を受けてきのう、海水浴場を閉鎖した和歌山・白浜町の白良浜海水浴場。その後も遊泳者が相次いだことから、砂浜への立ち入りさえも禁止するさらに厳しい措置をとることになった。閉鎖は今日から1週間程度となる見込み。

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宮崎市(宮崎)志布志市(鹿児島)気象庁白浜町(和歌山)白良浜海水浴場
(スポーツニュース)
パリ五輪 (金)メダルラッシュ

パリ五輪はきょうも日本勢が大活躍。レスリングは男女で金メダルを獲得。追加競技ブレイキンでも初代女王が誕生した。レスリング男子フリースタイル57キロ級決勝:樋口黎4−2S.リー。樋口が金メダルを獲得。表彰式後、樋口のもとに妻が駆け寄り祝福。支えてくれた家族と喜びを分かち合った。レスリング女子57キロ級決勝:櫻井つぐみ6−0A.ニキータ。櫻井は、相手に1ポイントも与えず初出場で金メダルに輝いた。パリ五輪の追加競技・ブレイキン決勝:AMI(湯浅亜実)3−0Nicka。AMIが去年の世界女王を破り金メダルを獲得。AMIは「まだ信じられないというのが一番でふわっとしている」とコメント。

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男子マラソン赤崎暁 6位入賞

男子マラソン:金・Tトラ(エチオピア)、銀・Bアプディ(ベルギー)、銅・Bキプルト(ケニア)、6位・赤崎暁(自己ベスト)。赤崎が日本勢2大会連続の入賞を果たした。

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大谷翔平 特大35号アーチ

ドジャース9−5パイレーツ。スタメン出場したドジャース・大谷翔平は、3試合ぶりの35号ホームラン。バックスクリーンに飛び込む136mの特大アーチ。再びホームラン数がリーグトップに立った。

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ピッツバーグ・パイレーツロサンゼルス・ドジャース大谷翔平
NO WAR プロジェクト つなぐ、つながる

綾瀬はるか「戦争」を聞くの番組宣伝。

(ニュース)
科学が変えた戦争

「科学が変えた戦争」の番組宣伝。

(天気予報)
天気予報

全国各地の天気を伝えた。関東から西は猛暑続く。

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台風5号
(特集)
戦後79年 終戦特集(1) 子どもたちを支配した軍国主義

戦後79年目の今年「報道特集」では戦争と子供たちをテーマに考える。ひとたび戦争が始まると国家は子供たちをも武器に変える。当時、大人たちはどのようにして軍国少年少女を作り上げていったのか取材。神奈川・横浜市に住む91歳の大木秀生さん。かつて通っていた横浜市・西前小学校に来ると80年前の校長の言葉がよみがえってくる。1944年、横浜市にある西前国民学校で撮影された記録映画「戦う少国民」を紹介。飛行兵になるための訓練や手旗信号など戦争遂行のために鍛錬する子供たちの日常が描かれている。映画に出演したとき、大木さんは国民学校の5年生で11歳だった。映画の中では、教師がアメリカ軍の戦闘機の音を流し機種を当てさせる授業もあった。映画の制作を指導したのは、当時国の機関だった軍事保護院。撮影台本の中に記されていた制作意図を紹介。軍国教育は教科書の中にも。特に重視されていたのが修身(道徳)。教科書を開くとまず「教育勅語」が載せられている。さらに戦争を美化する内容がつづられている。子どもたちは教育勅語を全て暗記させられた。北海道札幌市に住む89歳の林恒子さんの記憶にも染みついている。修身(道徳)の授業では、国が教師に対して「児童は皇国の使命を邁進すべき挺身隊の一員」と指導をするよう指針を出していた。林さん当時受けた修身のテストでは、軍国主義を植え付ける質問が並んでいる。

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戦う少国民横浜市立西前小学校横浜市(神奈川)
少年を熱狂させた戦時下の雑誌

愛国教育の問題を題材にした本を多数手がけてきたノンフィクション作家・山中恒氏93歳。かつては自身も軍国少年だったという。当時の国や大人たちは、子どもたちに何を求めていたと思うか?。山中氏は「わからない。陛下の御為に死ぬことを求めていたのかね」と語った。戦意高揚をあおる空気は教育だけでなく娯楽にもあった。特に影響を与えていたのが雑誌。当時、子供たちが夢中になって読んでいたのが「少年倶楽部」。中身は訓練に励む少年兵の写真や勇敢に戦う兵士の物語など軍事一色。少年向け雑誌にもかかわらず、手りゅう弾の構造や投げ方までもが詳しく掲載されている。山中氏の自宅の書庫には、こうした雑誌や本が2万点以上も並ぶ。太平洋戦争が始まる年に創刊された「航空少年」には、飛行兵を目指す少年(国民学校高等科2年生)の手記が掲載されている。戦争が終わってからひっくり返ったことについて山中氏は「大人全体に対する怒り。教師に騙され、国家に騙された」と語った。

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少年倶楽部航空少年
軍国教育 成り立った背景は?

戦時下の教育を研究する立教大学(日本近代教育史)前田一男名誉教授は「教育の力は大きい。なぜあのような教育にからめとられたのか?、なぜ何も言えなかったのか?」と強調。しかし、今もひとたび戦争が始まれば国は教育を使って子供たちを変えようとする。ウクライナへの侵攻を続けるロシアでは去年から高校生を対象に武器の使い方を教えるなど軍事訓練を義務化。中国では今年1月、戦争に備え、愛国教育を推し進める法律を定めた。前田名誉教授は「自由主義もダメ、個人主義もダメという形で、いろんな価値観、考え方が全部封殺されていく。状況は厳しくなるが負けるわけにいかない。さらなる効用を求める。ある種狂信的なところにまで行くが、他の考え方を全部排除しているので、そこに行くしかないという所まで陥る。まさに一つの価値しか認めないというところの危うさ。死ぬための教育は、教育のまさに逆転現象」と語った。

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立教大学
戦後79年 終戦特集(1) 軍国教育 子どもたちが辿った道は

戦況が悪化すると個人の考えは全て排除され戦争勝利のかけ声のもと、日本は狂信的に戦争遂行の道をひた走る。死ぬための教育をいとわない軍国主義をたたき込まれた少年少女たちがたどった道とは。福岡・久留米市に住む96歳の綾戸麗子さんは、終戦間際の1945年6月、地元のゴム工場で地下足袋作りに従事していた。当時17歳だった綾戸さんは兵力不足を補うために結成された女子防空通信隊に応募。厳しい試験を突破し、召集されたのは地元の軍司令部。だが待ち受けていたのは、3交代制の過酷な勤務担当したのは福岡の司令部から受けた空襲警報などを各方面の施設に知られる任務。通報内容を少しでも間違えると、容赦なくビンタの制裁が待っていた。昼夜を問わず、極度の緊張状態を強いられ疲労困ぱいの日々だったが、日本の勝利を信じ任務に邁進。軍国少女だった綾戸さんがつづった昭和20年の敗戦直後に感じた戸惑いを綴っている。綾戸さんは「戦後は女子通信隊の話を滅多にしない。戦争に加担したという後ろめたさがあった」と語った。20年近く、女子通信隊の調査を続けている地域史研究家・西田秀子さんは、70人近い元隊員に聞き取りやアンケート調査を行ってきた。彼女たちの多くが、自ら入隊を希望し、自身の任務を誇りに感じていたと記している。当時、女性は軍人にはなれなかったものの、綾戸さんたちは軍隊に関わる道を選んだ。西田さんは「軍隊の中に入れるのは限られた女性たち。選ばれたエリート女性しか入れない。自分も戦場に行く男のこと同じように対等な立場になりたい、それには軍に入るのが一番だと思うわけ」と語った。

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久留米市(福岡)
ゲリラ戦を強いられた少年たち

80年前、ふるさとを守るために結成された少年部隊「護郷隊」。激しい地上戦で兵力が不足する沖縄。国は兵士に代わって10代の少年たちを召集したその数、約1000人。与えられた任務は敵に気づかれず、奇襲攻撃を繰り返すゲリラ戦。本土決戦を遅らせることが最大の目的だった。沖縄県中部の山岳地帯に今も護郷隊が活動していた痕跡が残されている。地元の研究者・恩納村史編さん係・瀬戸隆博さんに案内してもらった。少年たちが潜んで戦ったとみられる蛸壺壕。山中では40か所ほど確認されている。存命する元少年兵を取材。17歳で入隊した96歳の宮城清助さんは、わずか3週間の訓練で実戦に投入され、アメリカ軍の侵攻を食い止めるために橋を壊したり、敵が寝静まったのを見計らって夜襲をかけたりしたという。宮城さんには今も忘れられない記憶は、移動中に手りゅう弾が暴発して死んだ仲間の姿。敵の攻撃から逃れるため、死んだ仲間は置き去りに。かわいそうという気持ちは湧かなかったという。宮城さんは「教育のおかげで軍隊に憧れていく」と語った。ゲリラ戦で命を落とした少年は160人。中には負傷して戦えないという理由で上官に殺された少年兵もいたという。16歳で入隊し、亡くなった男性の弟・高江洲義一さんが、兄の本当の最期を知ったのは、終戦から70年たってからのことだった。負傷して歩けなくなった男性は軍医によって銃殺されたという。間近で見たという元少年兵の男性は、役所が行った聞き取りで「拳銃でやられた」と答えている(沖縄・恩納村史編さん係の聞き取りより)。義一さんは「人間の尊厳、生きる幸せが保障されていなかった」と語った。1945年6月、沖縄では組織的な戦闘が終わり、大人たちは武器を置いた。だが、そのあとも少年たちはゲリラ戦を続けた。戦後、その過酷な経験からPTSDで苦しんだ元少年兵もいる。16歳で入隊した95歳の瑞慶山良光さんは、凄惨な光景を目の当たりにするうちに人としての心がなくなっていったという。戦争が終わったあとも村を荒らし回るなどまともな精神状態ではなかったという。そんな姿を見かねた親戚たちは自宅の横に座敷ろうを作り、その中に男性を閉じ込めたという。瑞慶山さんは「軍国主義の教育だけやっているから、頭がおかしくなって、一生涯こういう頭になるんじゃないかなと」と語った。その後、入院し治療を続けたが、幼くして受けた心の傷はいまだに癒えることはない。今年6月、沖縄戦の戦没者を追悼する慰霊の日。護郷隊の慰霊碑がある小さな公園には朝から地域の子供たちと保護者が集まり清掃活動を行った。ここを訪れる人が年々少なくなる中、慰霊碑に向かって手を合わせる瑞慶山さんは「14,15歳の子どもたちを戦争に飛び込ませる。人間を物と同じように考えていた。人の命を粗末にするようなことはあってはいけない」と語った。

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うるま市(沖縄)仲泊栄吉恩納村(沖縄)護郷隊那覇市(沖縄)高江洲義英
戦時下の軍国教育 影響はどこまで?

当時の少年向けの雑誌を紹介。当時どれだけ戦争一色だったかがうかがえる。戦争が終わると内容は全て否定され、さらには自分は戦争に加担してしまったんだと罪の意識さえ抱く子供たちもいた。罪悪感から元女子通信隊の女性は戦後何十年も当時の話をすることがでかなかった。学校の先生になったときに幼い子供たちの姿を見て後に語り部の活動を始めたという。軍国少年、軍国少女は間違いなく戦争の被害者で、そういった被害者を出さないためにも貴重な声は大切に語り継がなければいけない。純粋な子供たちが軍国主義に染め上げられるさまを見て教育の持つ力の恐ろしさということを考えた。改めて今の日本が再び子供たちを戦争に巻き込むような兆候がないか考えないといけない。沖縄戦でアメリカ軍と戦って捕虜となった少年兵の写真を紹介。少年たちは地雷を抱えて敵の戦車に突っ込む特攻攻撃を行っていた。最近「祖国のために命を捨てるのは道徳的行為」と自治体の長が言ったり、特攻兵の死を「散華」華が散ると記述する歴史教科書が現れるなど戦争を美化するような動きがある。子どもたちを守るべき大人たちが彼らを英雄視していいのか。死んでいった少年たちは本当に美しく散っていったのか。

報道特集

「報道特集」の次回予告。来週は…戦争特集2「新たな戦前」にどう抗う?

(エンディング)
エンディング

エンディングの挨拶。

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