2025年2月22日放送 8:15 - 9:00 NHK総合

新プロジェクトX〜挑戦者たち〜
車いすラグビー 執念の金メダル 〜仲間を信じて ひとつに〜

出演者
有馬嘉男 森花子 島川慎一 倉橋香衣 
(オープニング)
車いすラグビー 執念の金メダル 〜仲間を信じて ひとつに〜

パリパラリンピックで車いすラグビー日本代表は金メダルを獲得。だが20年前は誰にも見向きもされなかった。これは弱小チームの不屈の物語。

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パリパラリンピック
オープニング

オープニング映像。

オープニングトーク

有馬嘉男らの挨拶。ゲストの島川慎一を紹介。

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パリパラリンピック
車いすラグビー 執念の金メダル 〜仲間を信じて ひとつに〜
車いすラグビー 執念の金メダル 〜仲間を信じて ひとつに〜

島川慎一は子供の頃から集団行動が苦手、高校卒業後、1人でいられる仕事を選んだ。21歳の時、運転中に事故にあい頸髄を損傷した。両手足が麻痺。体感にも障害を負った。医者からは一生車いす生活になると告げられた。1999年、職業訓練所に通い仕事を探していた。ある日、知り合いから面白い競技をやってる。きてみないかと 誘われた。練習場を訪れた、そこでやっていたのが車いすラグビーだった。車いすラグビーに惹かれ、練習場の近くに引っ越し、来る日も来る日もボールを追った。4年後、島川はアテネパラリンピックの日本代表選抜会に呼ばれた。圧倒的なスピードとパワーで違いを見せつけた。日本代表のエースになったがアテネパラリンピックで何も通用せずボコボコにやられ全敗した。チームを強化したくても問題が山積みだった。知名度も金もなく、遠征やユニフォーム代も自腹で借金する人もいた。もう続けられないとチームメートたちが辞めていった。島川は仕事を辞め家も引き払い単身アメリカへ乗り込んだ。アメリカでは最高の環境で練習できた。しかし代表活動のため帰国しても家も金もない。シャワーは街場のネットカフェ。寝るのは車の中。それでも島川は代表の活動に参加し続けた。そこへ朗報が届いた。能力の高い新戦力が車いすバスケットから転向してきた。それが池崎大輔と池透暢だった。こうして攻撃陣の層の厚さは世界トップクラスとなった。リオデジャネイロパラリンピックで日本代表は銅メダルを獲得。準決勝で日本は能力の高い選手がみな独りよがりなプレーに終始した。日本代表はバラバラだった。

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スタジオトーク

当時の車いすラグビーについて島川慎一は「今考えると、選手のモチベーションもバラバラで、サポート体制もなかったのでメンタル的にはギリギリだった。あのとき辞めなかったのは意地でしょうね」などと話した。

車いすラグビー 執念の金メダル 〜仲間を信じて ひとつに〜

島川慎一には忘れられない出来事があった。北京パラリンピックの選手村で憧れのケビン・オアーと偶然出会った。ケビン・オアーはアメリカ代表のヘッドコーチ。クラブチームでは全米選手権5連覇を果たした名将。島川はカタコトの英語でいつか日本代表のヘッドコーチになってほしいと語りかけた。2017年、ケビン・オアーが日本代表のヘッドコーチに就任した。バラバラだったチームの建て直しが始まった。目指したのは全員ラグビー。この競技において障害の程度が軽い選手はハイポインターよ呼ばれ攻撃を担う。障害の程度が重い選手はローポインター。相手にぶつかって進路を塞ぐ守備が主な役割。全員ラグビーのカギを握るのはローポインター。オアーが抜擢したのが女子の倉橋香衣だった。選手には持ち点が設定される。ローポインターは点数が低く、ハイポインターは点数が高い。コートに出る4選手の合計は8点以内に収めないといけない。だが女子が参加するとチームの合計点に0.5点が加算される。その分、より強力なハイポインターを起用することができる。オアーはハイポインターの意識を改めようとした。オアーはローポインターに対する無駄な気遣い感じていた。オアーは倉橋にものすごい勢いでボールを投げ、ローポインターを信じろ自分たちたちだけで戦っていると思うなと選手たちに伝えた。倉橋香衣は元々トランポリンの選手だったが練習中の事故で頚椎を損傷した。そんな中、車いすラグビーに出会った。倉橋はラグ車を自由に操れなかった。麻痺の影響で姿勢を保てず、体を起こせないことが要因のひとつだった。手を差し伸べたのはメカニックの三山慧だった。倉橋のチェアワーク向上の為、仲間たちは支え続けた。

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北京パラリンピック東京パラリンピック

迎えた東京パラリンピック。目指すは頂点。予選では連携がうまくいった。しかし準決勝、格下のイギリス戦でほころびが生じた。日本の強みであるハイポインターが相手選手に囲まれた。焦りが募り個人プレーに走るハイポインターたち。またしても準決勝で敗退した。倉橋香衣は相手の動きについていけずラグ車をあてることさえできない局面が目立った。さらに、ここでケビン・オアーが体調を崩し辞任することになった。日本代表に再び試練のときが訪れた。

スタジオトーク

体調を崩しケビン・オアーが辞任した時のことについて島川慎一は「聞いた瞬間真っ白になった。不安もかなりあった。雰囲気作るのが上手だった。すごい引き締めてくれた監督だった」などと話した。車いすラグビーについて倉橋香衣は「怖さは全く無い。アトラクションみたいな感じ」などと話した。

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ケビン・オアー三山慧
車いすラグビー 執念の金メダル 〜仲間を信じて ひとつに〜

パリ大会に挑む日本代表を支えたのは島川慎一だった。ローポインターたちに積極的に声をかけた。一番のベテランとなった島川が目をかけたのが最年少の橋本勝也だった。橋本は産まれたときっから手足に欠損があり両足も切断したが運動能力の高いハイポインター。島川は橋本に自分を信じる大切さを伝えた。東京大会で人生最大の悔しさを感じた倉橋は相手選手に確実にぶつかるためラグ車の細かい向きを研究した。練習や試合の映像を繰り返し分析し守備の連携を目指した。それぞれが課題と向き合い挑んだパリパラリンピック。予選リーグ、倉橋はボールを持つ相手選手の進路をうまく塞ぎ、橋本がトライ。池透暢はローポインターたちの成長を感じていた。そして鬼門の準決勝へ。相手は強豪オーストラリア。クリス・ボンドとライリー・バットは世界最強のハイポインターコンビとして知られている。倉橋は東京のリベンジに燃えていた。細かくラグ車の角度を変えタックル。同点で延長線へ。延長線で倉橋はライリー・バットを止めた。こうして日本代表は始めての決勝進出。決勝で島川は橋本に「お前ならできる。楽しんでこい」と声をかけた。日本代表はアメリカ代表を倒し金メダルを獲得した。みんなでやろうと決めていた掛け声があったそれが「1、2、3、ケビン。1、2、3、ニッポン」だった。こうして1つになった車いすラグビー日本代表は歴史を塗り替えた。

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クリス・ボンドパリパラリンピックライリー・バット東京パラリンピック
スタジオトーク

金メダルついて島川慎一は「長かった。君が代が流れた瞬間が一番実感が湧いてきた」などと話した。金メダルについて倉橋香衣は「目の前で見た時に綺麗だなー、銅メダルと違うと思った」などと話した。車いすラグビーについて島川慎一は「この競技が僕を変えてくれた。本当に人と話すのが嫌だった。車いすラグビーを始めていろんな仲間ができて、これに出会わなかったら何してたんだろうね」などと話した。

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ケビン・オアー三山慧
車いすラグビー 執念の金メダル 〜仲間を信じて ひとつに〜

始めは世間から見向きもされなかった車いすラグビー。いまでは多くの観客が詰めかけるまでになった。本当の魅力を知りたければ自分で体験して欲しい。代表選手はそう考えている。島川慎一は車いすラグビーで学んだことを伝えている。

(エンディング)
エンディング

エンディング映像。

次回予告

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