2025年7月5日放送 20:00 - 20:48 NHK総合

新プロジェクトX〜挑戦者たち〜
「無罪へ 声なき声を聞け」滋賀・看護助手 知られざる15年

出演者
有馬嘉男 森花子 井戸謙一 角雄記 秦融 
(オープニング)
コーナーオープニング

病院で働く看護助手は1人の患者が亡くなった時突如罪を着せられた。罪状は殺人、無実を訴える声は裁判所にはねられ続けた。司法の闇と戦い続けた者たちの執念の物語。

オープニング

オープニング映像。

オープニングトーク

女性と弁護団の力となったのは新聞の連載記事。有罪となった後も無実を訴える女性の声を新聞記者が取材していた。

無罪へ 声なき声を聞け 滋賀・看護助手 知られざる15年
無罪へ 声なき声を聞け 滋賀・看護助手 知られざる15年

井戸謙一さんは2012年当時、57歳にして新米の弁護士だった。開業から3か月が経った頃夫婦が訪ねてきた。100人あまりに断られたが井戸さんにたどり着いたという。2003年、湖東記念病院で終末期の患者が亡くなったことに遡る。当初人工呼吸器が外れていたかもしれないとの情報があり、警察の捜査が入った。人工呼吸器が外れていれば鳴るはずのアラームを聞いたものはなかった。警察は病院の看護助手、西山美香さんが殺人を自供したとして逮捕した。しかし裁判で犯行を否認し、懲役12年の判決が確定した。逮捕後母の令子さんは脳梗塞に倒れた。

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彦根(滋賀)湖東記念病院西山美香

井戸さんは裁判資料を読み驚きを隠せなかった。供述調書が30通以上あり、内容が変遷を繰り返していた。井戸さんは再審の申立に動いた。また、中日新聞記者の角雄記さんは事件を追っていた。美香さんが両親に送った手紙はこの10年で350通。両親への苦労を詫びながら無実を訴え続けていた。2015年9月の第二次再審請求は棄却された。

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中日新聞社中日新聞社 大津支局大津地方裁判所西山美香
スタジオトーク

井戸謙一さん、角雄記さんが登場。棄却について井戸さんは残念で主張や証拠を正当に評価していないと話した。角さんは「えん罪ではないか」とは書けなかったという。

無罪へ 声なき声を聞け 滋賀・看護助手 知られざる15年

角さんは事件を調べ続けてきた。捜査のプロセスがおかしく、裁判の認定の仕方もおかしいという。秦さんは美香さんの自宅に通い、350通の手紙を読み込むことを命じた。同僚を加えて取材班を結成した。美香さんは取り調べの途中からなぜか警察に合わせるように進んで供述を変えたフシがある。警察官に好意を抱き気を引きたかったという。

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中日新聞社西山美香

元教師の2人は教え子の無実を信じ、署名活動を続けてきた。美香さんには言葉の表現や漢字の間違いなど、障害があると思われた。生育歴なども踏まえた鑑定で美香さんには複数の障害が認められた。他人の悪意を見抜く力が弱いという。令子さんは自分を責めた。美香さんは学校の勉強も友達を作ることも苦手だった。時に気を引くような小さなウソをつくことがあった。自白へ追い込まれ、この事件では美香さんの同僚も取り調べでPTSDを発症した。

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中日新聞社西山美香
スタジオトーク

秦融さんが登場。「正真正銘のえん罪だと言うくらいのショックを受けた」などと話した。

無罪へ 声なき声を聞け 滋賀・看護助手 知られざる15年

角さんに事件を再検証する連載を署名入りで書くよう、指示が下った。1本目はえん罪の可能性を世に問い、2本目は自白についての不自然さを、3本目は美香さんの障害がこれまでの裁判で見過ごされてきたことを報じた。井戸さんは獄中鑑定の結果が掲載された新聞を新たな証拠として裁判所に提出し再審を迫った。再審が開始され、その後無罪となった。患者の死因には事件性を認める証拠すらなく、取り調べは不当・不適切で自白は意図的に誘導されたとして証拠から排除された。裁判官は「西山さんが逮捕され今日に至るまでの15年という歳月を無駄にせず刑事司法を改善していく原動力にしていかねばなりません」と謝罪した。紙面には無罪の文字が踊っていた。

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厚生労働省大西直樹大阪高等裁判所後藤眞理子村木厚子西山美香
スタジオトーク

井戸さんは裁判長の言葉に感動したという。角さんは「取材してきたことを思い出した」などと、秦さんは「一人からしか始まらない」などと話した。角さんは新聞記者になって良かったという。

(エンディング)
次回予告

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