2026年6月6日放送 22:00 - 22:30 テレビ東京

新美の巨人たち
【アメリカの国民的画家「アンドリュー・ワイエス」×檀れい】

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(オープニング)
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オープニング

オープニング映像。

新美の巨人たち
ワイエスとクリスティーナ 2人が紡いだ世界

アメリカのメイン州にあるクッシングは海風にさらされる街。そのなだらかな丘に建つオルソン・ハウスは彼女の家。1939年に描くものと描かれるものが出会った。今回檀れいが東京都美術館のアンドリュー・ワイエス展へ。きょうの一枚はクリスティーナ・オルソン。縦83センチ、横63センチあまり。石膏が塗られたパネルの上にテンペラという古典的な技法で描かれている。オルソン・ハウスの戸口にクリスティーナが座っている。わずかに体を傾けて身を寄せているのは白いドアノブの木製の扉。乾いた木肌の質感は繊細な描写。薄手のドレスからが細い足と、やせ細り、骨ばった腕は陶器のような白い肌。

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アンドリュー・ワイエスアンドリュー・ワイエス展アンナ・クリスティーナ・オルソンオルソン・ハウスクッシング(アメリカ)クリスティーナの世界クリスティーナ・オルソン上野(東京)東京都美術館
アンドリュー・ワイエス×檀れい クリスティーナ・風に吹かれて

アンドリュー・ワイエスについて、ペンシルヴェニア州にその生家がある。1917年に5人兄弟の末っ子として生まれた。父のニューウェル・ユンヴァーシス・ワイエスは大成功を収めたアメリカを代表する挿絵画家だった。宝島や、ロビンフッドなどの油彩画の挿絵は実に躍動的。

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アンドリュー・ワイエスアーサー王と円卓の騎士ニューウェル・コンヴァース・ワイエスペンシルヴェニア州(アメリカ)宝島
画家 アンドリュー・ワイエス 偉大なる父からの自立

アンドリュー・ワイエスは父から英才教育を受け、画家になるべく育てられた。20歳の時にはニューヨークで水彩画の個展を開き、すべて完売という成果を得た。しかし父親の影響力から自立するために、自らの表現方法を確立していった。テンペラ画は卵黄蒸留水を顔料に混ぜて描く古典的な技法で、渇きが早く、繊細な描写がしやすく自然な色合いが出せるという。アンドリューのテンペラ画をみた父は酷評した。しかし父とは全く感性を持っていたアンドリュー。恐ろしさのないものは何にせよ本当の魅力はない すばらしいものはすべて恐ろしく、そして悲しいとしていた。

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はじめて読む芸術家ものがたり 4アンドリュー・ワイエスナショナル・アカデミー・オブ・デザインホイットニー美術館リチャード・メリマンロブスター漁師冬の野自画像
アンドリュー・ワイエス オルソン・ハウスでの日々

アンドリュー・ワイエスのテンペラの作品の「薄氷」は薄氷の張った水の中に落ち葉が堆積している。沈みきれず、氷の上に突き出ている葉。氷の下のかすかな水の流れにうずくまる。朽ちていく葉の一枚一枚のわずかな水泡も見逃さない。ワイエスが初めてオルソン・ハウスを訪ねたのは1939年。22歳のときだった。妻のベッツィに紹介され、クリスティーナと弟のアルヴァロに出会った。ワイエスが感動したのは、150年以上もの間、厳しい風雪に耐え抜いたオルソン・ハウスの厳粛な佇まい。2人に気に入られたワイエスは2階の部屋をアトリエとして借りた。そして描き始める。すり減った傷や床のホコリ、使い込まれた道具たちや二人の命を支えたものたちを描き、記録するように残した。ワイエスがアルヴァロを描き始めたのはオルソン・ハウスに来てから8年目の出来事。一日の労働が終わり、台所の片隅に座っている。ランプの明かりに浮かび上がる相貌は緻密。オルソン・ハウスの日々で、ワイエスの感性はより研ぎ澄まされていく。ある日、ワイエスが3階の部屋で水彩画を描いていた時の出来事だった。

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ワイエスとクリスティーナ 「海からの風」の奇跡

ワイエスは建物に吹き付けたその風をとどめようと鉛筆でスケッチを重ねた。さらに、水彩で再現し、テンペラで記憶しようとした。破れかけたカーテンは優雅だった時代の記録を残たした。そのスケッチの中で奇妙な作品が生まれた。クリスティーナの髪とカーテンが重なった絵は、全く違う作品の素描を重ねたもの。元の素描はクリスティーナの髪はなびいていないが、完成品は風でなびいているため、髪の毛とカーテンに対して共通の思いがあったのではと高城さんは答えた。

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クリスティーナ・オルソンの日常 積み重ねた歳月の記録

高城さんはクリスティーナ・オルソンについて、進行性の病気を持っていて歩けなかったという。しかし他人の力を借りずに生活しようと這って移動していたという。ワイエスはそこに自立心の強さに尊敬していたと答えた。クリスティーナじゃ歩けないという境遇の中でも強く静かに生きてきた。ワイエスは海風に吹かれるカーイェンを目撃した瞬間に、彼女の美の正体を発見したのかもしれない。オルソン・ハウスの戸口でクリスティーナは静かにそこに座っていた。哀切と優雅さと積み重ねてきた歳月の肖像。ワイエスはクリスティーナ・オルソンを持てる技量のすべてを注ぎ込んで、圧倒的な筆の力で描いた。

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クリスティーナ・オルソン 辺境の地で豊かに暮らして

クリスティーナ・オルソンがアメリカ中に知られるきっかけがある。舞台はオルソン・ハウスをのぞむ広い草原。クリスティーナの世界という作品は、ニューヨーク近代美術館所蔵の門外不出とされる絵。草原を渡る風の中でワンピースのクリスティーナが横たわっている。儚げな体で、草原の海を泳ぐように強く、たくましく、我が家を目指そうとしている。クリスティーナの父親のジョン・オルソンがクッシング農場の娘のケイトと結婚。翌年にクリスティーナが誕生した。若いときは健康だったが、彼女は年をおうごとに体の自由がきかなくなり、進行性の神経疾患で歩けなくなった。クリスティーナは不自由な体で家事を行い、弟のアルヴァロが農場で働くという毎日。鶏の卵や、野生のブルーベリーが生活の糧になり、クリスティーナはよくブルーベリージャムを作っていた。花が大好きで、窓辺にはゼラニウムの赤い花を飾り、自分の花も育てた。そんな暮らしの中に、ワイエスが現れたのは、クリスティーナが46歳の時だった。その二人の世界をアメリカは愛していく。高城さんは、戦後にアメリカが世界の中心になっていく中で、時代に取り残されていく人々をワイエスは描き、そうした不安を抱える民衆によく愛されていたという。きょうの一枚は、クリスティーナが54歳の時の横顔。59歳の時にも横顔で描いているが、生まれたばかりの子猫を抱いている。

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ワイエスとクリスティーナ 卑怖と敬意の肖像

クリスティーナ・オルソンが亡くなる直前のクリスティーナの絵は横顔。ドアを開けているこの絵は来訪者を歓迎しているが、社交的で明るい人物だったという。いつも横顔なのは、自分に意識を向けていない時を描いており、より自然なクリスティーナを描いていった。1967年には弟のアルヴァロが病で亡くなった。その1ヶ月後にクリスティーナも息を引き取った。

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アンドリュー・ワイエス 永遠の「オルソン・ハウス」

ワイエスはクリスティーナが亡くなった後もオルソン・ハウスで絵を描き続けたという。

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(エンディング)
次回予告

新美の巨人たちの次回予告。

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