2024年5月12日放送 10:05 - 10:50 NHK総合

明日をまもるナビ
(122)知っておこう 液状化現象

出演者
片山千恵子 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。最大震度7を観測した令和6年能登半島地震で被害が広がった要因の一つが「液状化現象」。今回この液状化現象について紹介する。

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(明日をまもるナビ)
知っておこう 液状化現象

片山千恵子が挨拶し本日のテーマは「知っておこう液状化現象」。防災科学技術研究所などがまとめた深度6弱の揺れで液状化が発生する可能性を示した日本地図を公開している。ゲストの山之内すずさんと新納慎也さんは地図を見て驚いたなど話す。また2人共神戸出身であるが山ノ内さんはまだ生まれていなかったため映像でしか知らないと話す。新納さんは当時あった埋立地のポートアイランドが液状化した印象があり埋立地が液状化すると思っていたと話す。地盤研究を続けている安田進さんは能登半島地震でも調査を行っており液状化で1万5000以上の住宅地に被害が出ているなど話した。また今回の内容は「NHK防災」にまとめていると伝えた。

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能登半島地震 液状化の被害

能登半島地震の液状化で大きな被害が出た新潟県は石川県などを上回る推計約9500件の住宅被害が出た。地震発生時ある防犯カメラでは歩道橋の柱から水が吹き出している様子が確認された。その後水は瞬く間に広がり15分後には道路の片側が浸水した。被害があった西区は主に砂丘の地盤となっており液状化が発生しやすい地盤だった。傾いた家での生活は健康にも影響が出ている。幼い頃から住み慣れている自宅に住む石黒さん。液状化により自宅には亀裂が入り玄関の扉は外れて直すことができなくなっている。そして生活では引っ張られているような感じがするなど心身とも負担をかけていた。また庭に出ると隣の家の土台が崩れかけており、次地震がきたら持たないなど感じ、新しい住居を探すがすぐには見つからない。2階建ての住宅に住む大野さんは少し傾いたが大きな被害がなかったため家族で住んでいるが地震後体長がすぐれず、家の傾きが原因ではないかと考えている。

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令和6年能登半島地震富山県液状化現象石川県西区(新潟)
液状化現象 健康の影響/液状化現象 なぜ起こるのか?

新納さんは舞台では見えやすいように2、3度の傾斜が設けられているがそれでも1日2、3時間立っていると首や腰が痛くなると話すがめまいなどは知らなかったと話す。傾きによる健康への影響は1度未満でもめまい、頭が重く感じるなどの影響があり傾きが大きくなると頭痛や睡眠障害などの影響が出ている。安田さんはこれが判明したのは2000年の鳥取県西部地震の時であると話す。液状化について砂の地盤、ゆるく堆積、地下水位が浅いという条件があると発生する。また新潟では6+0年前の新潟地震の時にも液状化しており、同じ地区で液状化した再液状化という状態。スタジオでは液状化の3条件を再現した模型を用意して振動を加えると触ると硬かった地面があっという間に液状化し、模型の建物などが傾いたりした。液状化する水の圧力が高まり、水と砂が吹き出す。結果、建物は沈下や傾斜などの被害が発生する。

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能登半島地震 日本海側特有の液状化とは?

日本海に面した海岸線が続く石川・内灘町。令和6年能登半島地震では建物が傾くなどの甚大な被害が出た。専門家が内灘町で液状化の現地調査を行ったところ、西荒屋地区では地盤が横に動く側方流動が起こったとみられることが分かった。2011年の東日本大震災では被害は主に海沿いの埋め立て地で発生したが、内灘町の液状化現象は内陸に集中。特に被害が大きかったのは風で運ばれた砂が堆積する砂丘に分類される地域だった。調査にあたった防災科学技術研究所によると、「日本海側は季節風で内陸部にやわらかい砂が堆積する。地下水位が高いこと、地震動の継続時間が長いことが合わさると液状化しやすい」と解説した。

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地盤を調べよう 重ねるハザードマップ

国土地理院の「重ねるハザードマップ」を使って液状化の可能性を調べる方法を紹介。地域や調べたいことなどを選択していくと地図にリスクごと色が表示される。内灘町を見ると液状化のリスクが高いことが分かる。地形分類を選択すると成り立ちや自然災害リスクも見ることができる。

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内灘町(石川)国土地理院重ねるハザードマップ
1分 防災の知恵

自宅の地震への備えについて。まずは耐震補強。次にガラスの飛散防止。家具は固定し、倒れても出入り口を塞がない向きにするなど配置の見直しも。

知っておこう 液状化現象

液状化現象の対策について考える。液状化で沈下した家は建物自体には被害がないので水平にすればもう一度使えるという。水平にする方法は油圧ジャッキを使った耐圧版工法、薬液等を注入する注入工法などがある。しかし、300万~500万円程度かかり、一度液状化した場所は最液状化しやすい性質があるという。専門家は「地区全体で対策を取る必要がある」とした。次は熊本市の取り組みを紹介する。

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液状化現象熊本市
地域で取り組む 液状化対策

2016年の熊本地震では県内で6500か所以上で液状化が発生。中でも被害が集中したのが近見地区だった。熊本では行政と住民が協力して復興に取り組んでいる。地震発生当時、近見地区の自治会長だった荒巻さんは地震から2ヶ月後に液状化対策の住民協議会を設立、市にいち早い復旧を要望した。熊本市では約1年をかけて液状化の被害地域を調査。再発防止対策として取り入れたのが、全長約7kmにわたって地下の壁を囲い、水を集める特殊な排水管を張り巡らせてポンプで地下水を排出する地下水位低下工法。総事業費は125億円。熊本市は国の宅地液状化帽子事業を活用して補助を受けることに。事業を受けるには住民の3分の2以上の同意が必要だったが、ポンプの電気代年間600万円を市と住民のどちらが負担するかが大きな議論になった。2018年に熊本市は全額公費負担を発表、長期間の工事への懸念などに対し繰り返し住民説明会を開いた。同意を得た地区から工事を開始し2020年に全地区で8割の同意を取りまとめることができた。最終的に費用の97%以上が国から補助され市の負担も大幅に軽減されたという。

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平成28年熊本地震液状化現象熊本市熊本市(熊本)近見地区(熊本)
地域で取り組む 液状化対策/液状化現象 地域でリスクを共有しよう/知っておこう 液状化現象

安田進さんは能登半島地震でも地下水を下げる対策は有効で、他にも新しい方法が模索されていると話した。出演者たちは安田さんに疑問を質問し、山之内さんは「現地でもこういう話し合いが繰り返されて同意を得 ることができたんでしょうね」と話した。

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続いてのキーワードは「リスクコミュニケーション」。安田さんは「液状化によってどんな被害が起きるかを役所・住宅産業・住民、みなさんが共通の認識を持ってもらいたい」と話した。液状化のリスクは住宅への被害のほか、ライフライン・道路への被害がある。道路の液状化は避難や車両通行の妨げになるので、避難ルートの液状化は事前に調べておく必要があるという。安田さんは「能登半島地震の被害はひと事ではない。平時から考えてほしい」と呼びかけた。

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(エンディング)
高専生たちが競う!第2回高専防災減災コンテスト

地域防災の課題を技術で解決するアイデアを競う「第2回 高専防災減災コンテスト」の最終審査会が行われ、勝ち抜いた10チームが動画を使って最終プレゼンを行った。誰でもどこでも避難ルートが確認できるハザード標識の開発、祭りとのコラボで防災意識を高める取り組みなどが表彰された。

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つくば市(茨城)第2回 高専防災減災コンテスト防災科学技術研究所

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