2026年10月12日放送 23:50 - 0:35 NHK総合

歴史探偵
暗殺事件と日本人

出演者
秋鹿真人 佐藤二朗 片山千恵子 河合敦 
(オープニング)
今回は…

人々は暗殺事件をどう受け止めてきたのか、暗殺事件を徹底調査。

キーワード
井伊直弼坂本龍馬大久保利通犬養毅
オープニング

オープニング映像。

(歴史探偵)
スタジオトーク

暗殺事件を調べると日本の社会がどうのように変化してきたか見えてくる。当時の日本人が暗殺にどう反応したのか、幕末・明治・昭和の暗殺事件を調査した。

キーワード
中大兄皇子乙巳の変伊藤博文北条時政大久保利通大河ドラマ 鎌倉殿の13人広辞苑 第七版比企能員源実朝源頼家犬養毅蘇我入鹿高橋是清
暗殺事件と日本人 暗殺多発!幕末の闇

幕末、京都で起こった暗殺事件は40件。日本全国では120件以上の暗殺事件が起こっていた。なぜ、これだけの暗殺事件が起こったのか。文久2年から暗殺事件が急増。専門家は安政7年に起きた桜田門外の変がきっかけになっていると推測。事件によって幕府の権威が失墜。暗殺には力があると気付かせてしまったと考えられる。一方、幕府側でも新選組にまつわる暗殺事件が起きた。仲間でも主張がすれ違えば暗殺の標的になった。明治新政府が発足し、暗殺禁止令が出された。幕府の時代は暗殺、明治政府は言論という意味を説こうした。

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スタジオトーク

大儀のために暗殺も辞さずという思想を持っていた幕末の吉田松陰。蘇我入鹿の暗殺で大化改新がうまくいったと言っている。暗殺は世の中をよくするための手段だと主張している。

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吉田松陰四条河原(京都)多摩大学小寺玉晁東西評林蘇我入鹿
暗殺事件と日本人 明治のヒーローは暗殺犯!?

大久保利通を暗殺したグループリーダーの島田一郎の一代記が書かれた「島田一郎梅雨日記」は、10年近く売れ続けたベストセラーだった。なぜ、暗殺犯の小説がヒットしたのか。島田は暗殺の理由を世論を取り入れず民衆の権利を抑えつけ、政治を私物化したと主張。当時、明治政府は武士の特権を廃止、武士たちの生活が立ち行かなくなっていた。自分たちが持っていた権力を奪った代表格が大久保だった。島田は暗殺後、即日斬首された。明治政府は暗殺の連鎖を防ぐため素早く対処。大久保の大規模な葬儀を実施。国葬の原点と言われるほどのものだった。大久保を暗殺した島田たちがいかに間違ったことをしたのかというメッセージを込めた。葬儀の1年後に出版され、ベストセラーになったのが島田一郎梅雨日記。専門家は、当時の人は大事件を起こした人間がどんな人間なのかという興味で買って読んだと推測。大久保という独裁者のような人を殺すことで1つの悲劇のヒーローになり、庶民は島田の目線で物語を読んで感動した。

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大久保利通の暗殺から10年後、新たに注目を集める暗殺犯が。初代文部大臣を務めた森有礼がに西野文太郎に刺殺された。暗殺を決意したきっかけは、森が伊勢神宮を訪れた際、玉すだれをステッキで持ち上げたという噂によるものだった。西野は暗殺後、森の護衛に斬殺。その後、 西野の故郷・山口では西野の肖像絵はがきが発行された。さらに、森暗殺の理由を示した斬奸状や凶器の出刃包丁を載せたものも。絵はがきを発行していたのは、地元の新聞社だった。専門家は、人は「人間が死ぬ話」につい惹きつけられてしまう心の仕組みがあると指摘する。

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伊勢神宮山口市(山口)山口県文書館東京朝日新聞森有礼西野文太郎関西大学
スタジオトーク

明治政府が暗殺禁止令で訴えたのが言論の自由だった。暗殺犯を悲劇のヒーローにする物語も言論の自由の結果、広まってしまった。島田一郎梅雨日記には島田一郎と西郷隆盛が描かれている。ただし、交友関係はいまだ確認されていない。西郷の思いを継いだ島田が大久保を暗殺した敵討ちストーリーするなど、人々の心情に訴える脚色を作者が加えている。また、暗殺犯の西野文太郎の墓参りがブームになっていた時期があった。高村光太郎は西野の墓の近くに住んでいて、墓石のかけらを懐に入れているとくじがよく当たったと回想している。

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暗殺事件と日本人 昭和の暗殺犯は「正義の味方」!?

昭和初期の暗殺は、マスメディアが発展した時期でもあった。明治3年に日本で初めての新聞「横浜毎日新聞」が発刊され、昭和7年には10798紙に増えた。人々がニュースにアクセスできる環境が整っていった。

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五・一五事件横浜毎日新聞犬養木堂記念館犬養毅

裁判が始まって2ヶ月後の論告求刑で三上ら主犯格3人は死刑を求刑される。これに対し、国民から減刑を願う署名が70万に及んだ。暗殺犯を擁護する世論が全国に広がるにつれ、三上たちの人気はさらに高まった。雑誌の付録に犯人の顔写真や家族の写真がグラビアで掲載された。そして三上たちに下った判決は禁固刑だった。海軍部内の動きも影響して、結果的に死刑を免れた。専門家は、手段としての暗殺が許されると、今度はどんな目的を持った人が手段として暗殺を選ぶか分からないため、社会にとって暴力はいいことなのかよくないことなのか、はっきり示す必要があったのではないかという。

キーワード
三上卓五・一五事件和戸(埼玉)山本孝治関係文書東京朝日新聞特高月報読売新聞
スタジオトーク

五・一五事件の暗殺犯が正義の味方になっていった経緯を振り返り、佐藤二朗は「明治時代よりもはるかに大衆の力が大きくなっている」、河合敦は「おそらく暗殺犯も軍もメディアもここまでのことになるとは思っていなかった。」などと語った。

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二・二六事件五・一五事件永田町(東京)町田市(東京)霞ヶ関(東京)高橋是清
(エンディング)
エンディングトーク

佐藤二朗は暗殺事件の歴史を振り返り、「背景にある社会変化、メディア、国民感情などいろんな当時の社会状況が暗殺事件を通してわかる」などと語った。

次回予告

「歴史探偵」の次回予告。

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