2025年12月23日放送 23:00 - 23:28 NHK総合

熱談プレイバック
稀代の冒険家・植村直己!世界初の偉業!

出演者
神田阿久鯉 
(オープニング)
オープニング

講談師・神田阿久鯉が冒険家・植村直己を熱い語りで蘇らせる。

キーワード
植村直己
植村直己伝
ドングリ立ち上がる たった一人で始めた冒険

植村直己は世界初の五大陸最高峰を制覇したことで有名だが、それまでには数々の困難があった。1960年、明治大学山岳部に入部したが3日後に行われた新人合宿では先輩から怒鳴られながら30キロの荷物を背負い休みなしで雪山を登り自然を楽しむ余裕などなかった。脚を滑らせひっくり返った植村直己に先輩から容赦ない怒号が飛ぶ。「ころころとすぐ転ぶドングリみたいな奴だ」と言われ「ドングリ」という不名誉なあだ名をつけられた植村だが実は根っからの負けず嫌いであった。合宿のあと1年発起して始めたのは1人きりでのトレーニングで毎朝9kmの走り込みをして1年のうち100日以上は登山した。さらに雪深い北アルプスを5日間テントを持たず、雪に掘った穴で休息を取りながら歩き抜いた。集団行動は苦手だが1人きりならどんなことも粘り強くやり遂げるので「あのドングリは転んでもただでは起きない奴だ」といつしか植村は皆から一目置かれるようになった。そんなある日のこと山岳部のリーダー小林正尚に外国の山のことで話しかけられ、まずはヨーロッパの山を制覇して植村の名を世界にとどろかせてやると意気込んでみたが先立つものはお金であった。そこで資金を稼ぐためアメリカへ渡り、カリフォルニアのブドウ農園に転がり込んだ。1日10時間ぶっ通しで働き、大鍋100杯分ものブドウを収獲。それでも日当はわずか6ドルで生活費を差し引いたらほとんど残らない。ところが一緒に働くメキシコ人たちは1日に24ドルも稼いでいた。よくよく観察してみると彼らはブドウの枝を使ってかさ増しをし、実際よりも多く収獲したように見せていた。これを真似て植村は3か月で1000ドルを稼ぎ出した。そろそろヨーロッパへ渡ろうかと考えていたその矢先、突如農園に腰にピストルを下げた男たちが現れ「動くな。パスポートを見せるんだ」と言われ不法移民を取り締まる調査官であった。植村はガタガタ震えながらパスポートを差し出すと「これは観光ビザじゃないか、就労ビザはどうした」と言われ「就労ビザは持っていないのですが…」と答えると「だったらなぜ働いている。不法移民だ」となり植村は留置場に入れられてしまう。このままではお金を没収された上に日本に強制送還になると思い何とか切り抜ける方法はないかと考えた。翌日の調査官の取り調べでは何を聞かれても「I can not speak English(私は英語がわからない)」と繰り返し、しびれを切らした調査官が通訳として呼んできたのは地元に暮らす日系人の男性である。自分の気持ちを日本語で話し、やましいものではないとわかれば強制送還は免れるかもしれないと昨晩必死に考えた作戦であった。植村は通訳を通し、懸命に自分の素性を伝えた。山岳部の仲間にドングリと言われて苦しかったことや見返したい一心で特訓をがんばったことやその中で芽生えた夢のこと。夢については「世界の山に登ることで働いていたのはその資金を貯めること」だと話し、腕を組みずっと聞いていた調査官はおもむろに口を開き「これ以上アメリカで働いてはいけません。ですが日本に送還もしません。すぐにヨーロッパへ行き山へ登りなさい」と話した。植村の一途な思いがチャレンジ精神を尊ぶアメリカ人の心に届いたのである。こうしてヨーロッパに渡った植村はアルプスのモンブランに登頂し、続いてアフリカのキリマンジャロや南米のアコンカグアと3大陸の最高峰を制覇した。

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大アマゾンの大冒険 命がけの川下り

登山家としてその名が知られ始めた植村だが、続いては「冒険家 植村直己の原点」となった挑戦を振り返っていく。1968年、南米の最高峰・アコンカグアを制覇した植村の次なる目標は4つ目の大陸・北米の最高峰であるアラスカのマッキンリー登頂であった。この時南米大陸の太平洋側ペルーにいた植村だが、相変わらず先立つものが乏しかった。何とか南米から北米などの旅費を節約せねばならず世界第2位の長さを誇るアマゾン川を源流から河口までたった1人でイカダで下ることにした。ペルーからアメリカまでは飛行機で行くのが一般的だが植村はアマゾン川を下って大西洋側に出てそこからアメリカまで船で行こうと考えた。とはいえ川の中には獰猛な肉書魚であるピラニアがいて猛烈なスコールや高波で船が転覆することも珍しくなかった。それでもたった1人のアマゾン川下りは誰もやったことがない大冒険である。植村は資料を集めて計画を練り、そして作り上げたのが縦4m・横2.5mの滅多なことでは転覆しない大きく頑丈なイカダである。スコールを凌ぐための屋根や食事を作るためのキッチンも備えていて名前はアナ・マリア号であった。南米に渡るための船に乗り合わせた修道女の名を拝借していた。小柄で色白なこの女性に植村は恋をした。修道女が1人の人間を愛することは罪だと言われ辛い時は名前を呼びなさいとのことでその言葉は植村の心の支えとなった。4月20日、アナ・マリア号でアマゾン川下りスタートとなり毎日のように災難が襲いかかる。まるで八万奈落の底につき落とされるような心持ちで植村は必死に祈った。祈りの甲斐あってか大きく頑丈に作られたイカダは転覆することも壊れることもなく、スコールを乗り切った。だが一難去ってまた一難、ある日向こうから一艘の丸木舟が近づいてきてマチェーテという大きな刀を手にした目つきの鋭い2人の男が乗っていた。それは盗賊だとわかったがアナ・マリア号は頑丈で向こうの丸木舟は不安定なため戦えば有利かもしれないと思い戦うことにした。睨み合うこと数分、おそれをなしたか盗賊たちは船を返して逃げ去っていった。こうして出発から60日、アナ・マリア号はアマゾン川の河口に到着した。その後はエベレスト・マッキンリーに登頂し5大陸全ての最高峰を制覇するという世界初の偉業を成し遂げた。

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目指せ!北極点 極限に挑んだ単独行

3席目は世界にその名を轟かせた最大の冒険を振り返る。5大陸の最高峰を制覇した植村は1972年、次なる冒険の準備に取り掛かる。それはたった1人で北極点を目指すという成功すれば世界初の快挙となる大冒険である。まずは局地の寒さに慣れるため氷の国・グリーンランドで1年間、イヌイットと暮らしながら犬ゾリの操縦の仕方を学んだ。その犬ゾリでまずはグリーンランド3000kmを走破し、グリーンランドからカナダを経てアラスカまで1200kmを走破し北極点単独行の準備を着々と進めていく。しかし問題は物資の補給であり、飛行機による補給には莫大な費用がかかり出版社・新聞社・テレビ局がスポンサーにつくだけではとても足らず募金を募ることにした。宣伝の甲斐あってか全国から続々とお金が送られてきたが、植村は嬉しいながらも大きな重圧を感じていた。そんな中、日本大学のチームが日本初の北極点到達を目指すという。マスコミは植村対日大でどちらが勝つかと掻き立てた。植村は気にしないように努めるがマスコミはヒートアップする一方であった。1978年2月、犬ゾリを引く犬を調達するため植村はグリーンランドへ入った。しかし優秀な犬は全て日大チームに取られており、残っているのは十分に訓練されていない犬ばかりであった。犬同士の喧嘩が絶えずチームワークは最悪であり、さすがの植村もこれには頭を抱えた。翌3月5日はいよいよスタート地点のカナダの島から北極点を目指して出発となった。ほどなく目の前に現れたのは大小無数の氷のブロックが二重三重にも重なり合う乱氷帯でそれが見渡す限り延々と続いていた。進むには氷を砕いて道を作るしかなくマイナス40度を下回る寒さの中、懸命に氷を砕く。ようやく作った道にソリを走らせようにも犬たちのチームワークが悪く1日に進めるのはわずか2kmであった。後悔の念に駆られたがある朝のこと、植村がテントで眠っていると異様な物音が聞こえてきた。凶暴なホッキョクグマが食料の匂いを嗅ぎつけやって来ていた。犬たちは吠えもせず一目散に逃げてしまっていた。足音はゆっくりと近づいてきてテントが引き裂かれその上から巨大な足が植村の頭を押さえつけ死を覚悟したその時、頭に浮かんだのは4年前に結婚した妻・公子であった。祈りながら息を殺し、身動き1つせずいなくなるのをひたすら待った。20分後、ホッキョクグマは去っていった。出発して3週間、果てしなく続いていた乱氷帯を抜けると平らな氷原が現れた。犬たちも慣れ、ソリは快調に走り出したが前方にはソリが走った跡が見えた。日本大学の遠征隊に先を越されていたのである。日大チームが先に北極点に到達することを知った時の植村の肉声が流れていった。日大のことは気にしていないつもりだったがそれでも悔しく涙がこぼれたが自らを鼓舞しながら走り続けた。1978年4月29日、ついに植村直己は北極点に到着した。

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(エンディング)
エンディングトーク

世界を冒険し続けた植村直己は1984年、冬のマッキンリーで消息を絶った。たぐいまれなる功績を称え「植村直己冒険賞」が設立され、今でも植村の魂を受け継ぐ勇気あふれる冒険家たちに授与されていると話した。

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次回予告

「熱談プレイバック」の次回予告をした。

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