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オープニング映像。
危険物を運ぶ車輌はタンクの劣化などによった中身が漏れることは許されない。腐食を防止するための特殊な塗装をする前に行われるブラスト処理が行われる。エアーブラストは圧縮した空気で研磨剤を吹き付ける表面処理によってタンクを塗装する際、塗料がしっかりと絡みついて長期間腐食から守ってくれるという。エアーブラスト装置を専門に製造しているのが今回のガリバー、不二製作所。
不二製作所はエアーブラストを専業にしている。年商は70億円、従業員数は347人。国内外に9箇所の拠点を構えている。エアーブラスト装置の研究開発から、製造・販売・メンテナンスまで一貫しているエアーブラスト装置専業メーカーだ。国内ではトップクラスのシェアを誇る。使用する研磨剤は素材・大きさ・形状も様々で、数百種類を取りそろえる。3Dプリンターの成型後の磨き作業にエアーブラストは使われている。手作業では2日かかる磨きの工程がエアーブラストなら2時間でできるという。
酸化した鉄の表面をエアーブラストで処理してみた。処理する前の鉄は水が弾かれたように丸い玉になるが、処理をした後の鉄は水が金属に馴染んで染み込んでいるように見える。こうした加工はフライパンの下地処理にも使われている。さらに、エアーブラストでは金属の表面を梨の皮のように光の反射を抑えた柔らかなツヤで仕上げる梨地処理を施すこともできる。エアーブラストは研磨剤の素材・大きさ・形状によって様々な処理を可能にしている。
不二製作所のエアーブラスト装置の強みは研磨剤循環。研磨剤は使えば使うほどコストがかかるため再利用される。しかし、加工物に衝突した際に研磨剤が欠けたり割れたりすることもあり、安定した加工ができない。ノズルから噴射された研磨剤は集塵機が吸引する空気の流れに乗って回収タンクに送られて再び噴射装置に向かう。噴射装置の手前で欠けた研磨剤を重さで判別して排除する。不二製作所には100人を超える技術者が在籍していて、顧客が望ブラスト装置をコスト面にも配慮しながら作り上げている。
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1950年、旋盤工だった間瀬富弥がコンプレッサーの製造業を始めた。その後、現在の会社の基盤となるブラスト装置の第1号機を自ら設計、研磨剤を自動で循環させて外に巻き散らすことがない装置を開発したのはガラス加工工場の環境を改善するためだった。しかし、設備投資の負担が重く売れなかった。ところが、メッキの下地処理に使えることがわかった。1960年代以降、家電の3種の神器の販売増加で家電メーカーをはじめ様々な業界からブラスト装置の受注が相次いだ。
エアーブラストの役割には金属の強度や耐久性を高める効果を狙った加工もある。ショットピーニングと言われて、航空機や自動車などの大型部品で使われる。一般的なショットピーニングの研磨剤では加工物の細部に影響を及ぼすことがあった。そこで不二製作所は花粉よりも細かい研磨剤を開発、繊細な表面処理を可能にした。ミスミは金型部品のために不二製作所の最先端のブラスト処理を採用した。
「ブラストの研究開発企業として顧客や社会の進化する要望に対応していきたい」などと杉山社長は語った。
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