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福島県の西部・会津エリア。今回の旅人・秦瑞穂は「庄助の宿 瀧の湯」を訪ねた。会津に伝わる民謡「会津磐梯山」に登場する「小原庄助」にちなんだ宿。創業140年を超える老舗だが、何度か改修され館内はモダンな造りとなっている。大浴場「庄助風呂」の壁は大谷石でできている。小原庄助さんが愛用したと伝わる石風呂が大谷石であることから。光が差し込む約10畳の内湯。泉質はナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉。奥には「庄助酒風呂」と名付けられた湯船もある。酒に強く温泉好きだったと言われる庄助さんに因んで、会津の老舗酒造から譲り受けた日本酒づくりに使う釜を利用した湯船。伏見ヶ滝が見渡せる。宿の4階に位置する「はなれ松島閣」は、全10室に露天風呂を備えたスイートルーム。屋上には、「夢空の湯」という貸切風呂がある。黒を基調とした落ち着いた雰囲気。自然をゆっくり満喫できる。もう一つの貸切風呂「幻の湯」は、夢空の湯とはまた違う趣がある。約30年前にリニューアルされるまでは、川が増水すると湯船が水没して姿を消したことからその名前がついた。
「庄助の宿 瀧の湯」内にある食事処「花みずき」では、会津馬刺し(ロース)や、福島牛吟醸焼などがいただける。夜には、「庄助の足湯」という足湯から望む対岸の能舞台に、幻想的な映像が映し出される。宿には2ヶ所に足湯が設けられている。貸切の「十六夜の湯」には、2つ並ぶ信楽焼の湯船がある。大人1人がゆったり入れるサイズ。ライトアップされた竹林に癒やされる。
秦瑞穂は山間の秘湯・二岐温泉の「湯小屋旅館」を訪ねた。一日一組限定の宿。1人で切り盛りする現舘主の高萩一之さんが先代から引き継いでから18年ほどが経過している。2年前に改修したが、昔の名残を留めている。源泉は2本所有していたが、現在は1本だけを使っている。毎分30リットルのお湯が湯船を満たす内湯「奥の湯」の泉質は、カルシウム-硫酸塩温泉。内湯のドアを開け外に出ると、目の前にある二俣川の渓流沿いにも湯船(野天風呂)が作られており、大自然の中でお湯に浸ることができる。
秦瑞穂は湯小屋旅館から徒歩5分の場所にある「柏屋旅館」という別の旅館を訪れた。貸切風呂「自噴巌風呂」は名前の通り、巨大な岩の割れ目から源泉が自然に湧き出している所に湯船が作られている。泉質はカルシウム-硫酸塩泉。宿を創業した約120年前の機械がない時代に、タガネで岩を削って岩風呂を作ったと伝えられている。令和5年にオープンしたカフェ「でんでんむしむしかたつむり」は、震災以降賑やかさを失ったこの地を盛り上げたいという思いで作られた。「柏屋旅館」の夕食は、白河高原清流豚のセイロ蒸しや椎茸焼きなど、地産の食材を使ったメニューが提供される。