2025年9月3日放送 4:05 - 4:15 NHK総合

視点・論点
パレスチナ・ガザ 最前線からの訴え

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(オープニング)
オープニング

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(視点・論点)
手島正之 パレスチナ・ガザ 最前線からの訴え

ガザは今、想像を絶するような人道危機に瀕している。ガザ地区の一般市民が2023年10月以降、イスラエル軍の無差別な攻撃に晒され女性・子供・障害者も例外なく犠牲になり医療従事者・支援関係者・ジャーナリストを含む6万2000人以上が命を落としている。「パレスチナ子どものキャンペーン」は占領下にあるパレスチナ人の生活に寄り添い、緊急人道支援や子供・女性・障害者支援など様々な活動を行ってきた。現在もガザ地区内で現地スタッフとともに、緊急支援活動を続けている。食料や物資不足は危機的な状態で50万人以上が食料不安の最悪のレベルに達し、140万人以上が生活物資を必要としている。特に食糧不安は最も危険なレベルに達しており、数日何も口にできない人々が増えている。8月22日にはガザ地区が国連最大の都市であるガザ市が危機に陥っていると公式に宣言をした。公式に聞きが認定されるのは、中東地域では初めてのこととなる。国連はこの飢きんは人為的に作り出されたものと指摘しており、即時停戦と支援団体のガザへの入域・支援物資の搬入拡大を強く求めている。水不足も深刻でありガザの水源へのアクセスはほとんどなく、配水のパイプラインは全て爆撃により破壊されており給水車での配布に頼らざるを得なくなっている。しかし深刻な燃料不足により井戸水の汲み上げに必要なポンプや給水車が十分に稼働できないため、ほとんどの方々にとって飲水の確保が非常に困難になっている。海水を飲んでいる人々が多く、その影響で様々な疾患や感染症に苦しむ方々も増えている。現在のガザ地区は真夏であり、日中は35℃を超える日もあるため水不足は人々に深刻なダメージを与えている。

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一方、安全とされる地域でさえもイスラエル軍の戦闘機・戦車・ドローンが爆撃を続け現地スタッフによればこの爆撃音や衝撃が日に日にちかくなっているという。さらに追い打ちをかけるように8月17日、イスラエル政府は最も過密なガザ市を完全制圧する作戦を決定した。「パレスチナ子どものキャンペーン」の活動として子どもたちのケアをしているが、そこで子どもたちに多くの話を聞いた。今欲しいものは何かと聞いたところ、「亡くなったお父さんが帰ってきてほしい」「無くした手を元通りにしてほしい」「壊された家を元通りにしたい」「水が飲みたい」「お腹いっぱい食べたい」「シャワーを浴びたい」などの反応が返ってきた。食料や水を確保するため、大人たちは毎日奔走している。大人たちは嘆き苦しみ、生きる力も失いつつある。そういう姿を見て子どもたちも何とか親の助けになりたい・自分たちもがんばりたいと思うものである。大人たちだけでなく子どもたちも、朝早くから路上で落ちているものなど探し回っている。先日、現地スタッフの甥っ子2人が残念ながら攻撃に巻き込まれてしまった。食糧不足に嘆いている親を見て自分たちも助けになりたいと思い、避難先から以前住んでいた家に戻り残してきた食料を取ってこようとしていた。その家は避難命令が出ていて戦闘地域になっていたが、子どもたちは何とかその家にたどり着き食料を回収することができた。しかし避難先に戻ろうとしたところ、戦車の攻撃にあい大ケガを追ってしまったのである。1人は奇跡的に一命をとりとめたが、もう1人は亡くなってしまった。ガザにいる現地スタッフは避難に次ぐ避難を繰り返し、家族や近親を亡くしテントからテントを移り住みながら支援活動をしてくれている。国連から燃料の提供を受け、その燃料で給水車を稼働させ毎日4万8000人以上への飲料水を配布・毎日850人分の炊き出し・毎日約300人の子どもの支援・食料や生活物資の配布や現金の給付・墓所権支援を実施している。

キーワード
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