2023年9月6日放送 0:45 - 1:34 NHK総合

NHKスペシャル
選「ワイルドファイア 〜人類vs.森林火災〜」

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(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

ワイルドファイア~人類vs.森林火災~

ことしの夏、世界中が山火事に襲われた。ことし2月、国連環境計画は山火事に関する緊急報告書を発表。このまま温暖化が進むと、2030年には最大で14%、2100年には最大で57%、今よりも山火事が増えると警告した。

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ワイルドファイア~人類vs.森林火災~
アメリカ カリフォルニア州

アメリカ・カリフォルニアは世界有数の山火事多発地帯。ここ数年、カリフォルニアは異常な熱波に襲われている。2年前の9月にはロス近郊で49.4℃を記録した。街を一歩出ると乾燥し茶色く変色した山が目立つ。熱波で水分が蒸発し、深刻な干ばつ状態が続いている。カリフォルニアではここ10年、巨大な山火事が増えて焼失面積が激増。2020年には東京都8つ分の面積を焼失した。

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カリフォルニア州森林保護防火局 CAL FIRE

番組は火災の最前線で戦う消防隊・カリフォルニア州森林保護防火局(通称・CAL FIRE)への取材が特別に許された。毎年、大規模火災が起こる時期とあって司令部は緊張に包まれていた。CAL FIREは最新テクノロジーを使い、山火事と戦っている。州内1300か所以上に設置されたカメラで山火事の発火を常に監視。さらに、AI技術で火災の発生を予測している。燃えやすい草木がどこに生えているか、地域ごとの燃料分布も入力されている。山火事の消火活動は建物火災への対応と大きく異なる。消防車隊・エンジンクルーの隊員は時に車から3km以上ホースを繋ぎ消火にあたる。ハンドクルーの隊員はチェーンソーと桑を武器に火災と戦う。消防車が入れない現場に徒歩で分け入る。チェーンソーで樹木を伐採。さらに、桑と斧で火災の燃料となるものを取り除いていく。

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巨大火災の同時多発

8月19日、ロス近郊で山火事が発生したという情報が入った。最新状況を伝えてくれる山火事専用アプリ・WATCH DUTYで情報を収集すると、州内各地で10件の山火事が同時に発生していた。取材班は現場の一つに到着。航空部隊の迅速な対応で約190メートル四方で制圧された。2年前、カリフォルニア史上最悪の山火事といわれる複合火災が発生した。2000件の山火事が同時多発。火災の数は消防隊の能力を大きく上回っていた。原因は熱波と乾燥による異常気象。アメリカ三大ネットワークの一つ・NBCで気象学者を務めるロブ・マエダさんは、異変は前日夜から始まっていたと話す。激しい雷が数秒間隔で落ちる状態が何時間も続き、これだけ雷が落ちても地上に雨は降らなかったという。またこの時、各地では火災積乱雲が目撃されていた。

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シャスタ山付近で同時多発した大規模火災

シャスタ山付近で大規模火災が同時多発したという情報が飛び込んできた。CAL FIREは前線基地を設置し301隊を投入。各地から3023人の消防隊員が集められた。火災の範囲は約5キロほどにまで拡大し、さらなる延焼を防ぐためハンドクルーとブルドーザー部隊が投入されたが鎮火の見込みは立っていなかった。火災は118の家を破壊し2人の住民の命をも奪っていた。リンカーンハイツには85の木造家屋が立ち並び250人が暮らしている。航空機から難燃剤を撒き火の広がりを食い止めるよう要請したが地上には消火活動を行う隊員がいた。懸命な消火活動にも関わらずリンカーンハイツは焼失し65軒が全焼した。燃え広がる炎にCAL FIREは火の正面から消火活動を行い、火災の侵攻を食い止めた。

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CAL FIRE 元大隊長

18歳でCAL FIREに入隊し大隊長まで務めたアーニーさんはPTSDを患い2年前に退職した。アーニーさんは大規模火災で多くの遺体を見たことや、部下が自殺したことなどを明かした。ジャーナリストのジュリー・カートさんは、年々巨大化する山火事との終わりの見えない戦いが消防士たちを追い詰めていると考えている。

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山火事の予防

ある研究によるとカリフォルニアの山火事がアメリカにもたらす経済的損失は1年で21兆円にのぼると推定されている。国連は山火事の監視や消防能力の強化だけでは限界があると指摘。山火事の予防に予算を割くべきと提言していて、先住民の伝統的な知識を生かした山火事の予防に注目している。ユロック族のマーゴ・ロビンズさんは一族総出で野焼きを行い山火事に備えている。9月、40キロ以上離れた山火事の影響でユロック族の森は煙に覆われていた。マーゴさんは野焼きの技術を部族以外の人にも伝えようとしている。ユロック族は火を災のもととは考えず火の恩恵を活かしながら暮らしてきた。野焼きは世界各地で見直されオーストラリアやカナダでは国を挙げた取り組みが行われている。

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(エンディング)
エンディング

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