2024年1月7日放送 21:15 - 22:04 NHK総合

NHKスペシャル
世界に響く歌 日韓POPS新時代

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オープニング

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世界に響く歌 日韓POPS新時代
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坂本九の「上を向いて歩こう」。1963年、全米ヒットソングチャートで3週連続1位に輝いた。それから半世紀以上、アジアの歌が全米1位を獲得することはなかった。アジア2曲目の全米1位は57年後、韓国のBTS「Dynamite」。彼らに続くK-POPアーティストが世界を席巻している。NewJeansは去年、アメリカの巨大音楽フェスで7万人の観客を熱狂させた。去年、YOASOBIの「アイドル」がBillboard Global 200で最高7位。2023年8月、YOASOBI はアメリカでの初めてのステージに挑んだ。

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世界に響く歌 日韓POPS新時代

2023年8月3日、YOASOBIはアメリカ・ロサンゼルスを訪れていた。YOASOBIは作詞作曲を行うAyaseとボーカルikuraによるユニット。2019年にデビューし人気はアジアへと広がってきた。ロサンゼルスでの音楽フェスに招待され、初めてアメリカでライブを行うことになった。本番3日前、Ayaseは来年ぐらいからLAに引っ越しを考えている、日本に居続けてもいい音楽は自分の努力次第でつくれるが、成長速度がちょっと緩やかになってきているかもと話した。世界を見据えてアメリカに拠点を移したいという決意があった。YOASOBIの「アイドル」は去年、各地でヒットチャートにランクインし、YouTube 音楽チャート世界1位となった。アイドルは【推しの子】の主題歌として広まっていった。人気アニメの主題歌を手掛けることでアーティストが海外に知られるという例が多くなってきている。音楽プロデューサーの本間昭光は万華鏡のようにキラキラ変わっていくサウンドが世界的評価につながったのではないかと分析する。サビのメロディーにヨナ抜き音階を使っているという。ヨナ抜き音階は日本伝統の音階で和のメロディーライン。坂本九の「上を向いて歩こう」もヨナ抜き音階。YOASOBIはアメリカに乗り込み、気づかされたことがあった。そこかしこにK-POPの看板がある。

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世界の音楽シーンを席巻するK-POP。去年11月、ニューヨーク・タイムズスクエアにサプライズで登場したBTS のジョングクは大観衆で埋め尽くした。同じ頃、アメリカ西海岸でもK-POPが勢いを見せつけていた。アナハイムで開催された大規模ゲームショーのライブにK-POPアイドルLE SSERAFIMが抜擢された。LE SSERAFIMの楽曲は耳に残る短いフレーズが何度も繰り返される。シンクロダンスは一死乱れぬ動きでカルグンムと呼ばれる。強烈なサウンドとダンスが世界のファンを魅了している。さらにネット配信でファンからのコメントにもリアクションする。15の言語の翻訳機能がついて専用アプリがあり国境をこえたファン同士の交流もできている。今や世界の若者たちの日常に溶け込んだK-POP。その躍進の原点は27年前の韓国の経済危機だった。過剰投資による企業破綻が相次ぎ、ウォンが急落。国家破綻寸前まで追い込まれ多くの人が職を失った。再建のために官民一体で取り組んだのが、映像・音楽などの文化産業の強化での外貨獲得。2005年にYouTubeが誕生するとMVを無料で公開。CDの売上が下がってもとにかく海外で曲を聞いてもらい認知度を上げることを重視した。その頃の日本は韓国と真逆だった。日本はまだCDが売れる国でCD市場に依存したマーケットだった。後に全米ナンバー1となるBTSは共同生活で絆を深めながら歌・ダンス・語学力を鍛えて世界を目指した。さらに、ネット配信に力を入れてデビュー前からはじめていた。2013年6月にデビュー、4年後には世界ツアーを行った。2020年にパンデミックでツアーができなくなるとさらにネット配信に力を入れた。そして、コロナ禍の世界を明るく照らそうと歌う「Dynamite」が生まれ、全米1位を獲得した。

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アメリカ・ロサンゼルス。YOASOBIが出演するのはアジア系アーティストが多数出演する音楽フェスHead in the Clouds。フェスを主催するのはショーン・ミヤシロ。アジア各地で才能ある若手を発掘している。本番は明日、Ayaseはいつになく緊張していた。Ayaseは山口県宇部市で生まれ、ピアノ教師だった祖母の影響でクラシックを学んだ。その後、ロックバンドを結成し、21歳で上京してメジャーデビューを目指したが、中ず飛ばずだった。売れる見込みはなく故郷に帰ることもできず、Ayaseは心労で倒れて入院しバンドは続けられなくなった。その中でAyaseはボーカロイドの初音ミクと出会う。パソコン1台で誰でも作曲できる音楽ソフトを使い、一人の苦しみを歌ったボカロ曲をネットに投稿した。少しずつ反響を生み、レコード会社の目に止まった。ユニットを組んだのが当時歌手を目指して路上ライブをしていた19歳のikura。2019年にYOASOBIとしてデビュー。2人は次々とヒット曲を贈り出した。その歌はアジアでも響き始めた。手応えを感じたAyaseは新曲アイドルの制作に取り掛かっていた。そのさなかあるアーティストの出現に衝撃を受けた。メンバー全員が10代の新しいK-POPグループだった。

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2022年デビューのNewJeans。デビューからわずか1年で全米アルバムチャート1位を獲得。去年8月にはアメリカ最大級音楽フェス・ロラパルーザに出演。今K-POPはさらなる進化を遂げようとしている。NewJeansプロデューサーのミン・ヒジンはアーティストのため、自分のために目指すゴールのために真心を尽くすことを大切にしているという。ミン・ヒジンがこだわったのは従来のK-POPとは一線をかくすより自然なサウンドとダンス、10代にふさわしい天真爛漫な姿を引き出したいと思っているという。振り付けを担当するキム・ウンジュは試行錯誤した。NewJeansのダンスは歌を担当するメンバーがセンターではなく移動することでルールに縛られない自由さを表現している。顔や手の向きをあえて微妙にズラしている。

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「アイドル」の制作に挑んだAyase、試行錯誤は1年半に及んだ。新たなステージに押し上げる強力な曲にしたいと考えていた。出来上がったのはボカロで培った表現力を培った変化の激しい曲。その分、生身の人間が歌うのは極めて難しい。YOASOBIのアメリカでの初ライブ本番の日を迎えた。アイドルがヒットしたとはいえ、YOASOBIを知らない観客もいて反応は読めない。YOASOBIは英語ではなくあえて日本語のままで歌うと決めた。「アイドル」で会場のボルテージは一気に上がり、YOASOBIはアメリカで確かな一歩を踏み出した。インドネシア・ジャカルタで今YOASOBIの歌が若者たちを連帯させている。紅白歌合戦のYOASOBIのステージにはNewJeansも共演した。

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