2023年12月24日放送 21:00 - 22:04 NHK総合

NHKスペシャル
メジャーリーガー大谷翔平〜2023伝説と代償そして新たな章へ

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オープニング

オープニング映像。

メジャーリーガー大谷翔平〜2023伝説と代償そして新たな章へ
ロングインタビュー 激動の1年を語り尽くす

大谷翔平が3日前、ロングインタビューに応じた。生活を聞かれ「スタジアムで週に3~4回、トレーニングとランニングを兼ねて使わせてもらってる」などと話した。リハビリも順調だという。今シーズンについて「試合に出れない最後の何週間はやっぱり悔しい。フルシーズンで戦いたかった」などと話した。

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ロサンゼルス・ドジャース
伝説と代償 そして新たな章へ

6シーズンを過ごしてきたエンゼルスを離れる事になった大谷。右手術のあと、愛犬を飼い始めたた。14日に行われたドジャースへの入団会見には300人の報道陣に50台以上のテレビカメラと世界中からメディアが集結した。ドジャースは24回のリーグ優勝に7回のワールドシリーズチャンピオンの名門球団でムーキー・ベッツやフレディ・フリーマンがいる。大谷は「まだチームの本当の一因になれたわけではない。実際にプレーして活躍して初めてチームの一員になれるんじゃないかな。まずはそういう1年にしたう。どの球団にいっても勝ちたいという気持ちは変わらない」などと話した。大谷は契約金1015億円、総額の97%を後払いで受け取るという条件を付けた。大谷は「チームのペイロールに柔軟性を持たせられる。他の選手の契約に回すことができるし、他の選手の契約の額も大きくなる」などと話した。

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140年に及ぶドジャースの歴史は多様性とフロンティア精神に彩られてきた。ファンからは「人生で最高の日」「最高だよ、あの金額以外は」などと言った声が上がった。大谷の2023年、その幕はWBCから始まった。決勝のアメリカ戦、1点差の9回、マウンドを託された大谷。大谷は「抑えの経験も少ないし点差も点差だったので緊張しました」などと話した。最後のバッターは盟友マイク・トラウト。三振かホームランかぐらいのつもりでいたという。大谷が最後に投げた変化球は「スイーパー」。栗山監督は「これから先どういうふうにあの曲がり球が進化していくのか楽しみ。一方、体は大丈夫なのか壊れる怖さっていうかそういうのは感じた」などと話した。WBC決勝の9日後に始まったレギュラーシーズンでも大谷のスイーパーは威力を発揮した。開幕5登板で3勝、防御率0.64を誇った。スイーパーの配球比率は49.4%だった。大谷のスイーパーを全部分析したデビッド・アドラーは「ホームベースの端から端まで曲がるのでバッターは太刀打ちできない」などと話した。

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マイクロソフト出身のエンジニアによって設立された民間のトレーニング施設「ドライブライン」。大谷は3年前からここで極秘トレーニングを積んできた。最新鋭のセンサーで球の回転数や回転軸などを瞬時に把握。大谷は1球ごとに球を確認しボールの精度を突き詰めていた。大谷が語ったデザインというキーワード。いまメジャーではデザインこそが最先端の理論になっている。データを駆使して新たな技術を生み出すデザインの手法を大谷はバッティングにも取り入れている。さらに大谷は今シーズンからデザインしたスイングを実践さながらに磨くことができる最新のAIマシンを利用していた。そのマシンは850人以上の投手を全て再現できるという。大谷は、打席には入らず、ちょっと離れたところから見るという変わった使い方をしていた。大谷は投手が投げる高めのボールを最短距離で捉えられるようにアッパースイングを微調整。データを駆使して欠点の修正を繰り返した。13号はまさにデザインされたホームランだった。この一打以降、大谷は高めのボールを次々と打ち返しホームランを量産した。

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2018年、入団1年目のキャンプ、大谷はボールをまともに打ち返すことができずにいた。相談を持ちかけられたアルバート・プホルスはパワーがあるから足をあげる必要はない、足をあげるとタイミングが遅れるとアドバイス。2日後、大谷はフォームを変えたという。デビュー戦最初の打席、大谷は足を上げないフォームでいきなりホームランを放った。プホルスは「普通は2~3年、それ以上かかる。でもすぐに適応した。彼の才能は本当に特別だ。大谷のような選手は半世紀に1度しか地球に現れない」などと話した。大谷は「トレーニング次第で感覚のスパンを短くできると思ってる」などと話した。フォームを変えることに躊躇はないかと聞くと大谷は「それよりもやってみたいなという、試してみたいなというのが上回る。それで失敗することも多くあるが、それは間違ってたんだな思うだけ」などと話した。大谷は今年ホームラン王を獲得。そしてMVPも受賞した。

今回の取材、インタビューの中盤、気になる発言があった。それは「ピッチャーとしては2度目の手術なので、もう一度同じ症状になったら、配置転換。例えば野手とか」という発言だった。来シーズンはリハビリのため投手としては出場できない。大谷の肉体に何が起きていたのか。7月4日、大谷はオールスター前、最後となるマウンドに上がっていた。前半戦の登板は17試合。合計1620球。打者としても86試合目の出場。3月のWBCから休んだのはわずか2試合だけだった。フィル・ネビン監督も大谷には休みが必要だと感じていた。しかし大谷は休みたがらなかったという。大谷が疲労の原因の1つとして上げたのが「ピッチクロック」だった。ピッチャーがボールを受け取ってから投球動作を開始するまでの時間を制限。試合時間を短縮するための新しいルール。疲労に加えもう1つリスクが忍び寄っていたことも取材で明らかになった。トミー・ジョン手術の名医・マイスターは現代の野球には重大なリスクが潜んでると話した。それを象徴するのが「スイーパー」だった。マイスターは「収縮した筋肉が急に引っ張られて伸びる。デザインはこれまで見たことがない球種を開発できるが、肘、肩、全身にとてつもない負荷をかける。バッターに対して有効だがピッチャーにとっては持続可能ではない」などと話した。7月、大谷のスイーパーは開幕と比べて8.6cmも減少していた

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7月27日、大谷はここから伝説を生み出す事になった。ダブルヘッダーとなったこの日、大谷は先発し完封勝利。監督は2試合目は休ませようとしたが大谷が100%出れると、休みを拒否。打者として出場し2打席連続ホームランとなった。2打席目のホームランを打った時、大谷の体に異変が生じた。8月3日のインタビュー後、ミナシアンGMはMRIを受けるようすすめた。マーク・マグワイアは「膝に痛みを感じても黙っていた。休場に観客をよべるほどの選手になるとこう感じるんだ。ケガをしていてもプレーしなければならないと」などと話した。8月23日、44号ホームランを放った。これが今シーズンのラストアーチとなりその直後のマウンドで大谷は交代となった。診断の結果は右肘靭帯損傷。その後、大谷は手術に踏み切った。大谷は「手術しなくても150ぐらいだったら投げれる感じだったけど、100マイルとかそれ以上を超える急速に耐えられるかといったら耐えれないと思ったので手術の決断をした」などと話した。今後について大谷は「いちばんは10年を必ず続けることが目標。バッターとしては肘はあまり関係ないので、膝や腰、他にもっと負担のかかってくる場所があるので、そこをケアしながらどの程度できるのか、そこをしっかりクリアしていくためのプランを球団の人とドクターと一緒に考えながら作っていく」などと話した。どんな人でありたい?という質問に大谷は「これまでとあまり変わらない。あんまり変える必要がないところを無理に変える必要はないと思う」などと話した。

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