2024年7月14日放送 2:22 - 3:12 NHK総合

NHKスペシャル
「認知症の第一人者が認知症になった」

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(オープニング)
オープニング

認知症医療の第一人者、長谷川和夫さん。2年前に自ら認知症を発症したことを公表した。長谷川さんは「自分の姿を見せることで認知症とは何かを伝えたい」と話す。予想外の行動をとる長谷川さんに家族は葛藤を抱え続けていた。娘のまりさんは「進行具合が怖かった」などと本音を明かした。

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認知症
認知症の第一人者が認知症になった
認知症の第一人者が認知症になった

2018年8月。長谷川さんは妻の瑞子さんと2人で暮らしている。認知症と診断されたのはの取材の1年前で曜日の感覚が曖昧になったという。長谷川さんは進行が比較的緩やかな「嗜銀顆粒性認知症」と診断された。調子がいい時は自宅の書斎で1人研究を続けている。戦後間もない頃、精神科医となり40代で認知症を専門とした長谷川さん。当時は“痴呆”と呼ばれ差別や偏見の対象となっていた。長谷川さんは病名を変更することを提唱し86歳まで診療を続けた。名誉教授を務める「聖マリアンナ医科大学」を訪れ講演を行った長谷川さんは、認知症への理解を深めるきっかけとなった岩切健さんとのエピソードを語った。岩切さんは五線紙に悲痛な心の叫びを綴っており、妻の岩切裕子さんが当時の思い出を語った。

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2018年2月 診断から4か月後

自ら認知症を発症したことを公表した長谷川さんは「自分が認知症になってみたら、そんなに生やさしい言葉だけで人様に申し上げることはやめなくてはいけないと思った」と話す。長谷川さんは当事者の思いを忘れないために日記をつけているという。長谷川さんはできるだけ外出しこれまでと同じ日常を送ろうとしていた。妻の瑞子さんは夫の薬を分けるのが日課。症状が悪化するに連れて瑞子さんの負担も大きくなっていった。2人が結婚したのは60年前で3人の子どもにも恵まれた。瑞子さんは「とにかくあんまり嫌な思い出を作らないようにしようと思っている」と語った。

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長谷川さんが好きな曲「悲愴」

長谷川さんが好きな曲「悲愴」を演奏する瑞子さん。長谷川さんの日記には瑞子さんへの感謝の思いが綴られるようになったという。

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2018年12月

2018年12月。長谷川さんの講演活動などを支えているの娘のまりさんと共に、新たに出版する本の打ち合わせに訪れた。打ち合わせの最中、長谷川さんは関係の無い話を次々と話し始めてしまう。まりさんは認知症の父とどう向き合えばいいのか不安が募っていた。1週間後、和光病院に主治医との面談で訪れた長谷川さん。まりさんは主治医に悩みを打ち明けると「権威や威厳を潰さないような、周りが少しサポートしてあげることは重要だと思う」とアドバイスを受けた。

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2019年2月

2019年2月。取材を初めて半年、長谷川さんの症状は少しず進行し口数も減りはじめていた。長谷川さんは瑞子さんの負担を減らすためデイサービスに通うことになった。長谷川さんは40年前に認知症のデイサービスを提唱し実践した1人。利用者とゲームを行うも全く笑顔を見せなかった。長谷川さんは行ってもつまらないという理由でデイサービスを辞めることにした。長谷川さんは「僕が死んだら、きっと周りはほっとするよね。俺はみんなに負担をかけていることは自覚しているつもり」と漏らした。

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2019年6月

2019年6月。長谷川さんはうつ病を発症し自殺を考えたことを明かした。町内会で講演を控えていた長谷川さんだったが、娘のまりさんは上手く話ができるか心配していた。講演会で長谷川さんは最後に予定していた歌を最初に歌い始めてしまった。しかしまりさんはそんな父親の思いを受け入れ始めていた。

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うつ病認知症
2019年7月

2019年7月。長谷川さんは家で転倒し口にケガを負っていた。娘のまりさんに対して長谷川さんは「あんたは35歳」と周囲を和ませた。昔から家族を楽しませることが大好きだった長谷川さん。その人柄は今も決して変わっていなかった。まりさんは「認知症になっても変わっていないと思う」と話した。

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認知症
2019年9月

2019年9月。取材を始めて1年、長谷川さんは体調の優れない日が増えていた。長谷川さんは「夢と現実との間の境目がよくわからなくて、夢の中のことが現実に起こっている気がしてはっきりしないことがある」などと語った。今後に備え長谷川さんは有料老人ホームの利用を考え、2泊3日の体験宿泊を行った。帰宅して真っ先に戻ったのは論文を書き続けてきた書斎だった。

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認知症
2019年10月

2019年10月。長谷川さんは「余分なものがはぎとられちゃうわけだよね、認知症になると。神様が用意してくれた1つの救い」と話した。長谷川さんが認知症と向き合い続けて2年、取材の最後に「認知症になっての景色はどんな景色?」と質問すると「変わらない。普通だ、前と同じ景色だよ」と答えた。

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