2025年1月5日放送 21:15 - 22:15 NHK総合

NHKスペシャル
新ジャポニズム 第1集MANGA わたしを解き放つ物語

出演者
横浜流星 
(オープニング)
今夜は…

日本で生まれた“マンガ”はなぜこれほどまでに世界に刺さるのか。マンガは時に残酷でもあり、時に熱すぎるほど熱っぽく、タブーを超え意外性にあふれている。150年前、日本で花開いていた文化が海外に衝撃を与えた。それはジャポニズムと呼ばれた。

オープニング

オープニング映像。

新JAPONISM 第1集 MANGA わたしを解き放つ物語
「ダンダダン」×世界的ヒット

4年前に連載が始まった「ダンダダン」。去年アニメ化され190の国・地域に配信されるやいなや世界第2位を記録。オカルト×SF×バトル×青春と脈略のない要素を取り入れた物語が異例のヒット。描かれるのは妖怪や地縛霊の都市伝説的な世界。漫画を担当する龍幸伸と編集者の林士平に海外を意識したのか尋ねると、そんな打ち合わせしたことない。原作の頃から海外の評判はよかったという。

キーワード
ダンダダン
「進撃の巨人」×ウクライナ

ウクライナの首都キーウで行われていたのは日本のアニメソングのコンサート。戦火の中にあっても日本の最新漫画やアニメが配信されている。コンサートに参加したアローナさんは父と祖父母を残してキーウに避難してきたが、前日の夜に父のお店が焼けてしまったという。このコンサートで「進撃の巨人」が流れた時、現実とすごく似ていると感じ、中でも主人公・エレンが巨人を殲滅することにとらわれていた自分を問い直すシーンが心に響いたという。この物語に自分を重ねることで同じ問題を抱えた人と対話をしているような感覚をおぼえる、すごい力があると語った。

キーワード
NARUTO-ナルト-キーウ(ウクライナ)ジョジョの奇妙な冒険新世紀エヴァンゲリオン進撃の巨人
「ONE PIECE」×ジンバブエ

ジンバブエの地域の集会場に思い思いのコスプレをした若者たちが集結。若者たちは日本の最新漫画について語っていた。かつてイギリス領だったジンバブエは45年前に独立。黒人社会を目指したが孤立。経済は破綻に向かった。若者たちは国外で仕事を求めるも差別を受けて戻って来る。漫画家のビルさんは海外のアニメなどの作画を担当。そんなビルさんがずっと読み続けているのは「ONE PIECE」。海賊王を目指す物語で世界の累計発行部数は5億1000万部。60以上の国・地域で翻訳されている。ビルさんが救われたシーンはニコ・ロビンが「生きたい」と叫ぶシーン。2000年代後半、ジンバブエではハイパーインフレーションにより経済は混乱。物資や食料は店からなくなり、人々は日夜行列をつくった。そんな時、さきほどのシーンが浮かんできたという。

キーワード
ONE PIECEジンバブエ

40年以上に渡り日本文化を研究してきたスーザン・ネイピアさんは近年深まりつつある世界の混沌はアメリカ中心だったエンターテインメントの世界を変えたという。その中で日本へのカルチャーへの眼差しが変わってきているという。日本人は共感できるキャラクターを作り希望を与えている。多様な異なる物語の中から選ぶことができると語った。

浮世絵×手塚治虫

江戸時代の吉原には家を守るため借金を背負った女性が2000人以上いた。人々は「狂歌」という、和歌などをもとに普段は言えない本音を歌ったもので鬱憤を晴らしていた。この庶民の本音に独創性を見出したのが蔦屋重三郎。彼は無数の狂歌から優れた歌を選び本にまとめて出版。そこには浮世絵をあわせた工夫がされた。身分を問わず一人ひとりを才能のある創作者として表舞台に立たせ話題に。専門家は日本独特の創作が誕生したと分析。狂歌のモチーフが広がったことで浮世絵の表現も彩りを増し、絵師たちも腕を上げた。生み出された多様な表現は海外の芸術家に衝撃を与え、これまで描くことのなかった人々の日常や自然の風景を描くようになった。このムーブメントはジャポニスムと呼ばれた。

キーワード
エドガー・ドガクロード・モネピエール=オーギュスト・ルノワールフィンセント・ファン・ゴッホ喜多川歌麿大英博物館東洲斎写楽蔦屋重三郎

戦後漫画の原点を言われる手塚治虫の長編「新宝島」。当時、出版物はGHQによって検閲されたが、手塚治虫は思うままに描き、赤本に作品を発表。のちにこの赤本を手に取った無名の作家たちがトキワ荘に集結。ここから日本を代表する名作が誕生。手塚治虫は漫画を描くことについてテーマとは自分自身が本来持っている主張を漫画に表す。アイデンティティを自分で確かめるために漫画を描かざるを得なかったと語っている。

キーワード
トキワ荘手塚治虫新宝島
新JAPONISM 第1集 MANGA

世界的ヒットとなった「ダンダダン」。漫画家の龍幸伸さんはこの作品を生み出すまで7年もの間、連載をモテない時期があった。しかし編集者の林さんは龍さん自身から物語が湧き出てくるまで待ち続けたという。林さんが関わってきた数々のヒット作。林さんは本当にうまくいかないことだらけの業界なのがエンタメだと思う。漫画家の皆さんがいい作品にたどり着いたらうれしいと思い続けてやるしかない。僕自身はマンガの神様に嫌われるような行いはしないでおこうみたいな感覚はあると語った。

キーワード
SPY×FAMILYダンダダン韓国
新ジャポニズム×世界の新たなクリエーター

人口の約9割がイスラム教徒のインドネシア。厳しい戒律の中、コスプレブームが押し寄せている。イスラム教では女性が人前で髪の毛や肌を露出してはいけないとされている。各地のショッピングモールでは毎週のようにマンガやアニメのイベントが開催。WIBUと呼ばれる熱狂的なファンも誕生。11月、ジャカルタでインドネシア最大級のイベントが開催されていた。ファンのお目当ては日本の作品をもとに独自のストーリーを描いた同人誌。そんな中、Boys Love(BL)の作品が人気を集めていた。イスラム教では同性愛がタブーとされ、特に性的表現のある作品は規制の対象となっている。BLマンガを描いているカイさんは「佐々木と宮野」がきっかけでBLマンガを描き始めたという。BLを普通のこととして受け入れる世界観がカイさんの考えを解き放った。カイさんは12歳の時に男性が好きだと気づいて以来、人をどう愛していくべきか思い悩んできたという。BLマンガに出会い、幸せに生きられる場所をよやく見つけた。賛否両論、受け入れない人が多いこともわかっているがこれからどうなるか分からない。世代も変わるし世界も変わると思うと語った。

キーワード
ジャカルタ(インドネシア)佐々木と宮野

ジンバブエでは自分たちのマンガ雑誌を新しく生み出そうという動きが始まっていた。3年前に創刊した雑誌はこれまでに2巻を自費出版し合わせて9人の漫画家が作品を掲載。今、投稿を希望する作家が次々と現れている。漫画家・オーウェンさんの地元・ズバラセクワはジンバブエの中でも特に貧しく国内で差別を受けてきた地域。オーウェンさんは自分の独創性をズバラセクワに求め漫画を描きはじめた。初めて描いた漫画はズバラセクワの伝承を元にしている。オーウェンさんは自信を持てない人たちを鼓舞したい。マンガという手法であれば表現できて感情をかきたてられる登場人物を表現できる。多くの人を感動させ、いろんなことを知ってもらいたいと語った。

キーワード
ズバラセクワ(ジンバブエ)
MANGA×未来

マンガは大きな転換期にあり、紙からデジタルへと急速に伸びた。漫画編集者の林さんは6年前、雑誌からデジタル版の担当に。デジタルではより多くの作家の作品を掲載できるため、作家一人ひとりを大切にする新たな解放区として活かそうとしている。林さんはまだプロになっていない方々をどれだけプロにしていけるかをチャレンジしたいと語った。そんな中、韓国ではスマホに特化した縦読みマンガ(Webtoon)が人気。徹底したマーケティングでマンガの世界を塗り替えようとしていた。一方、林さんは国内で数少ないマンガ専門の学部を持つ京都精華大学に招かれた。学生に向け、描きたいものを自分の中に湧かせ続ける日々の送り方が重要と述べた。林さんは4月、新人の漫画家が創作に集中できるよう生活費を負担するアパート運営を始める。林さんは理想は自分の描きたいものをちゃんと描けて、生活をしていくことができるのが目指してほしいゴールだと語った。アメリカの大手配信会社では新作アニメ化が製作されていた。

キーワード
ロサンゼルス(アメリカ)京都精華大学
(エンディング)
エンディング

エンディング映像。

(番組宣伝)
NHKスペシャル

NHKスペシャルの番組宣伝。

大追跡 グローバルヒストリー

大追跡 グローバルヒストリーの番組宣伝。

ファミリーヒストリー

ファミリーヒストリーの番組宣伝。

© 2009-2025 WireAction, Inc. All Rights Reserved.