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国立成育医療研究センターには日本では数少ない小児集中治療室PICUがあり、0~15歳の子どもが命の危機と闘っている。PICUを担うのは小児集中治療医。子どもたちの命をどう守るのか、不安を募らせる家族にどう向き合うのか。葛藤し模索する現場を見つめた記録。
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- 世田谷区(東京)国立成育医療研究センター
国立成育医療研究センターにバイクで通う里野夫妻。病気と闘うたった1人の子どもがいる。太郎ちゃんは生後4日目からPICUに入院している。肝臓の機能に大きな問題を抱えていた。太朗ちゃんの治療方針を取りまとめるPICUのリーダー・松本医師。生後3週間の太朗ちゃんの体格では移植を行うことはできない。病気を抑え込みながら成長を促す難しい治療が続いていた。PICUでは患者の疾患に応じた専門医と連携して治療が行われる。太朗ちゃんの容態に大きな変化が起き手術が行われた。小腸の半分が壊死しており数時間遅れていたら失われていたかもしれない命、懸命な対応に支えられ命をつないだ。肝臓移植を目指す中での想定外の事態、今後の治療方針が話し合われた。この時、太朗ちゃんの体重はわずか2.5kg。腸に大きな問題を抱えながら6kgの体重を目指さないといけない。
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辛い治療に耐える子どもの心に向き合うのもPICUの重要な役割。ゆうせいくんは肝臓移植手術を受けた。長い闘病生活で肺を動かす筋肉が衰え、人工呼吸器が外せなくなっていた。口に入れられた酸素を送る管は肺の近くにまで達していて、絶え間なく続く喉の違和感でゆうせいくんのストレスは限界状態だった。駆けつけたのは緩和ケア科の余谷医師。痛みや辛さに対処する専門医。処方されている薬の種類と量を確認。薬の種類によってはかえって眠れなくなる場合がある。余谷医師は薬の処方を変えることを提案した。1時間後、ゆうせいくんは眠りにつくことが出来た。ゆうせいくんを担当する壺井医師は人工呼吸器を外すにはリハビリが重要だと考えている。呼吸は横隔膜など肺の周りの筋肉が動くことで行われる。この筋力を取り戻すには体を起こすリハビリが必要。壺井医師はゆうせいくんをリハビリをしながら気分を晴らすことにもなると考え、車椅子に座らせたまま病院内を周ることにした。医療機器を付けたままの散歩は6人がかり。このリハビリは日課となる。体力が回復してきたと見た医師たちは呼吸器を外す決断をした。手を握り不安を和らげるため声を掛けるのは子どもの心理ケアを担う専門スタッフ。
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大人に比べ繊細なケアが必要な小児患者。集中治療が欧米で普及したのは1960年代。一方、日本でPICUの設置が広がったのは2000年以降で現在は38か所。大半が首都圏や関西に集中し経費の大きさや専門医の不足が壁となり地方での設置は進んでいない。近年、痴呆の患者を医療用ジェットで大都市のPICUに運ぶ取り組みが始まっている。だが事業を担う団体は資金難で需要に応じきれない。北海道から搬送されてきた重症の子ども。PICU自体も赤字の施設が多くドクターカーは民間の寄付によるもの。一刻を争う子どもは緊急の移植手術で一命をとりとめた。国内最大の成育医療研究センターのPICU。患者の1/3は地方からの子ども。国内に2機しかない医療用ジェットでかろうじて守られた命。日本のPICUをけん引してきた1人・黒澤医師。小児医療に対する政府や社会の向き合い方に疑問を持っている。PICUで命が救われても厳しい状況が続く場合もある。重い心筋症で危険な状態に陥っているりんちゃん。心臓が止まったりんちゃんに懸命な蘇生処置が続いた。一命はとりとめたものの心臓補助装置VADを付けることになった。一旦、VALUEを付けると病院を出るには心臓移植をするしか選択肢がなくなる。子どもには体の大きさに合った同年齢の心臓しか移植できない。臓器提供者ドナーを待つ間、りんちゃんは家に帰ることができなくなった。今後、両親のどちらかが泊まり込み、りんちゃんに24時間付き添わなければならない。そのことをりんちゃんの姉にどう話せばいいのか。伊藤さんは患者と家族、双方の心のケアを行う専門家。日本では2010年から家族の承諾があれば子どもの臓器提供が可能になった。しかし同意する親は少なく心臓移植では3年前後の待機が必要。
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肝臓の異色を目指す太郎ちゃんには体重を増やさなければならない。太郎ちゃんの父、里野立さんは芸を披露するチンドン屋。いつかこの姿を太郎に見せたい、それが父である立さんの夢。太郎ちゃんの腸の手術をした下島医師は肝臓移植につなげようと手を尽くしていた。腸の半分を失った太郎ちゃん。下島医師は残された腸に直接チューブをつなぎ可能な限り栄養を取れるようにした。一方でPICUの医師たちは太郎ちゃんに残された時間は少ないかもしれないと見ていた。細菌感染を繰り返し腎臓の機能を失い尿が出なくなっていたからだ。回復を目指した治療を続けるのか、残された時間を穏やかにするのを重視するのか医師の間で議論が行われた。医師たちは議論した内容を率直に家族に伝えることにした。PICUの医師の言葉から状況の厳しさを悟った両親。これまで様々な相談に乗ってきたソーシャルワーカーの佐藤さんが2人に声を掛けた。
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それから3か月後、太郎ちゃんの父は多くの参加者が芸を競うコンクールのため富山に出かけていた。この日、太郎ちゃんは血圧が下がり回復せず危篤状態に陥った。翌日、PICUの一角に太郎ちゃんの個室が用意された。医師たちはモニターを据え付け富山からのライブ配信を繋いだ。太郎ちゃんの治療に携わった医師や看護師が集まった。太郎ちゃんの父は息子に自分の芸を見せることが夢だった。その日の夜遅く、太郎ちゃんは息を引き取った。息子を亡くした母に声を掛けたのは緩和ケア科の余谷医師。
人工呼吸器に苦しみ続けたゆうせいくんに退院の日が訪れた。日本の小児集中治療医は現在200人あまり。必要な数の半分にも達していない。厳しいPICUの現場で医師たちは今日も患者1人1人に向き合っている。
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