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この数年、急増に増えて2026年度は9.04兆円あまり。これは日本の防衛関係費の推移。5月、アジア安全保障会議が行われた。アメリカのヘグセス国防長官は同盟国に自国の防衛力を強化するよう求めた。安全保障の激変の時代。今、日本政府は安全保障関連3文書の年内改訂を目指し更なる防衛力強化を進めようとしている。さらに殺傷能力ある武器輸出を進めようとし同志国と一歩踏み込んだ関係を築こうとしている。その一方で防衛力強化が急速に進むことへの懸念や戸惑いの声も。
議論はまず「いま日本に防衛力強化は必要なのか」からスタート。政府有識者会議メンバーの細谷さんは拒否力、攻撃させない防衛力を日本が備えることで未然に戦争を抑止力で防ぐなど主張。東京大学・石川さんは危険がむしばむのは法秩序などと主張した。国連軍縮部門トップの中満さんは緊張の根本原因を取り除くことが重要などと主張した。日本の安全保障政策は国際変化を背景に見直しが進められてきた。2015年には安全保障関連法、2022年んには5年で約43兆円を投じる防衛力の抜本的強化を決定。そして今、さらなる強化に向けての議論が進んでいる。自民党は力が物を言う時代に直面しており予算を確保し防衛力の変革をすべきと提言。安全保障環境が複雑で深刻になっていることを理由に上げている。番組がアンケートを実施。日本周辺の不安を調査。中国・北朝鮮・ロシアなど様々な動向に不安を感じていることが分かった。防衛力強化を巡っては国と住民の間に温度差も生じている。3月、熊本市の駐屯地に配備されたのは他国の基地を攻撃できる反撃能力としても使うとするスタンド・オフ・ミサイル。配備に関する国からの説明が足りないとの声があがっている。熊本市は国から示された国民保護に関する基本方針に沿って対応を急いでいる。ただシェルターの確保や避難計画の策定は自治体に任されていて負担も大きい。
続いて「そもそもどれだけの防衛力を持つべきか」。石川さんは国防国家を目指し自由を失った歴史を持っている、その中でどういう防衛力が許容されるのかなどと主張した。世界では安価な兵器で高価な兵器を破壊する非対称戦など戦闘のあり方が大きく変化している。防衛省では変化への対応を防衛力強化の柱に位置づけ検討を続けている。自衛隊ではドローンの配備が急ピッチで進められている。ドローンを専門に扱う新たな部署も設置した。さらに今、AIが世界の戦争で本格的に使われ始め人道的観点から懸念が出ている。自衛隊でも情報収集などでAIが導入されているが、どこまで活用を広げるかは今後の議論となる。石川さんは憲法9条に触れ歯止めの必要性を強調した。民間企業の関わり方は防衛力を考える上で焦点となっている。東芝はレーダーなど防衛関連のシステムを製造している。民間企業と防衛装備庁との契約額は4年で増加。政府は防衛産業を成長戦略の重点分野の1つと位置づけている。東芝と防衛装備庁の契約額は4年で2倍位上の855億円に急増。生産体制は逼迫しているという。先月には新たな工場が完成。生産を効率化するため国の支援を活用し組み立てや運搬を行うクレーンも導入した。防衛省が推進しようとしているのは民間の新たな技術を防衛にも活用するデュアルユース。自社の技術を防衛分野に活用するのか議論を続けている企業もいる。石川さんはかつて軍民が一体となり自由が失われた歴史を踏まえるべきと指摘した。防衛力強化を巡り始まった議論は方の秩序や経済との関係など国のかたちそのものを考えることへ繋がっていった。
今年、国のかたちに関わるある安全保障政策の見解が行われた。4月、政府は防衛装備品の輸出に関する方針を変更。殺傷能力ある武器輸出を原則可能とした。半世紀前、三木内閣は実質的にすべての武器輸出禁止。その後、例外的措置として部分的に輸出を認めてきたが2014年、安倍内閣はルールを大きく転換。防衛装備移転三原則などを定め5類型に限り輸出判断するとした。今年、5類型を撤廃。今、フィリピンと防衛装備品の輸出に向けた協議を進めている。南シナ海を巡る領有権をめぐり中国と対立を深めるフィリピン。防衛力を高めるため日本の装備品を求めている。輸出に向けて議論が進められているのが海上自衛隊のあぶくま型護衛艦。退役を予定しているあぶくま型護衛艦は対艦ミサイルや魚雷発射装置などを搭載している。政府は護衛艦の輸出を通じて同志国との関係を深めることで日本の安全保障にもつなげる狙い。自衛隊はフィリピンで地対艦ミサイルの射撃訓練を実施。ミサイルにもフィリピン側は関心を示している。一方、中国は日本のこうした動きに対し新型軍国主義だと指摘している。殺傷能力のある輸出が日本の安全保障をもたらす影響に対し調査では良い影響が大きいが35%、悪い影響が大きいが39%と意見が分かれた。中満さんは武器輸出を巡る国際的なルールづくりの面でも日本が果たせる役割があると指摘した。安全保障3文書の年内改訂を目指す政府。小泉防衛大臣は議論であがった課題について問いた。国民の中でも様々な意見が出ている殺傷の能力のある武器輸出。そのリスクについて「もしも我々が動かなかったら代わりにどういった国がそこを埋めてくるのか。これについてもご理解いただけるようにできる範囲の説明をさせていただく」。専守防衛を掲げる日本。防衛力強化に対する国民の理解を得られるのかについて「日本はあくまでも新たな戦争や紛争を起こさせないためにも必要な防衛力を整備する。厳しい安全保障の現実を今まで以上に丁寧に分かりやすく伝えることが大事」などと説明した。国際情勢が揺れ動く時代。日本はどのような進路を辿っていけばいいのか。番組の調査で今後、何を強化すべきか複数回答で訪ねた結果、調査を担当した同志社大学・飯田教授はアメリカとの同盟関係や国連など多国間の枠組みよりも同志国との連携や日本独自の防衛力が上回ったことに注目すべき、調査全体からアメリカの戦争に巻き込まれる不安が読み取れると指摘している。中満さんは機能不全が指摘される国連に対して日本が果たせる役割があると言及した。石川さんは国連が平和的手段で紛争の解決を目指していることに勝ちを見出すべきという。
続いて「“理想”と“現実”調和できるのか」。議論の最後に言及したのは憲法97条。基本的人権は現在及び将来の国民に対し侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。日本国憲法の精神は過去から託されたものであるという。平和を維持するためには多様な知見を組み合わせる努力が必要との点で意見が重なった。
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