2026年11月1日放送 21:00 - 21:50 NHK総合

NHKスペシャル
変貌の超大国アメリカ 国家改造計画と影の設計者たち

出演者
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変貌の超大国アメリカ 第1集 国家改造 影の設計者たち
ミネソタ州ミネアポリス

ミネソタ州ミネアポリスでは去年、プロジェクト2025が低減した不法移民の取り締まり作戦「オペレーション・メトロ・サージ」が行われ、強硬な手段は一般市民にも向けられた。第2次政権は、ICEの活動制限の撤廃や収容施設の大幅拡大などを実現させてきた。市民らが移民を守る活動を続けてきたミネアポリス周辺には約8万人のソマリア人コミュニティがあり、彼らはイスラム教を信仰し独自の文化を育んできた。住民グループのリーダーの1人だったミゲルさんは、移民を排除し非人道的に追放すれば文化的財産を失うことになる、白人至上主義を信じている人々が「自分たちが権力を握るべき」と考えていることと資本主義の弊害で傷ついた人々が「移民のせいだ」「黒人のせいだ」といった簡単な答えを求めていることが問題だと話した。

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アメリカの“同質化”

保守系シンクタンクのヘリテージ財団が作成の中心的役割を担ったプロジェクト2025は、アメリカ国内の主要な保守系組織100以上が協力し、大統領選を1年後に控えた2023年に公開された。文書は公開直後から自由や権利を縮小させるなどと反発を引き起こした。選挙期間中のトランプ氏は自らとの関係を否定したが、政権発足後に多くのプロジェクト関係者が政府の要職に就いた。プロジェクトは多岐にわたる政策の柱として「家族をアメリカの生活の中心として復活」「行政国家を解体」「我が国の主権・国境の防衛」「神が与えた自由な個人の権利を確保」という4つの目標を掲げていた。問題を調べた著書がベストセラーになったアトランティック誌のグラハム記者は、彼らは自分たちが愛するアメリカが奪われつつあると感じている、アメリカをより宗教的で保守的で権威主義的な姿へ作り直し公民権や多様性を後退させることが目的、と話した。

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行政国家の解体

対外援助機関のUSAIDは第2次政権発足後に「アメリカの利益にならない」と事実上廃止され、1万3000人以上が失職した。教育省でも2000人以上、海洋大気庁でも2500人が失職した。プロジェクトでは、行政国家解体の意図について「現代の保守派大統領の任務は国民に代わり官僚機構を制限・統制・指揮することだ」「専門家の独立性という概念が蔓延し選挙で選ばれた大統領の統治を攻撃している」と語っている。行政国家解体を主導した1人とされるラッセル・ボート氏は、第1次政権崩壊後に内部動画の中で「我々は官僚たちにトラウマを与えたい」などと官僚たちへの敵意を語っていた。動画を入手したクロール記者は、根底にはトランプ氏の意志を阻むディープ・ステートの活動を止めるための方法は官僚の生活を惨めにして辞職や退職、引退を決意させる、少なくともトランプ氏を邪魔したいと思わせなくすることだと考えていると話した。新規の人材を募集・養成するトレーニング動画もあり、クロール記者は全員が同じ認識で行動する集団を作り上げることを目指していると指摘した。

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プロジェクトの中心人物

プロジェクト2025編集責任者のポール・ダンス氏を取材した。第1次政権で人事管理局の首席補佐官を務め、政権崩壊後はヘリテージ財団に籍をおいた。ダンス氏は、アメリカには方向転換が必要だった、我が国は満杯で移民はいらない、自分たちの生活向上に専念したいのが今のアメリカ、保守派は内輪もめで勢いを失って左派に主導権を握られてきたのでプロジェクト2025は120もの保守運動を束ねる目的があったのと語った。行政国家解体の意図については、政府は日常生活から切り離された政治階級によって運営されていた、このシステムが官僚たちが大統領に逆らうよう動いていたので大統領に「人事こそ政策」と説くことが重要だったと語った。特に批判を集めてきたICEについては、ICEの任務は必要不可欠で政府全体の課題、口座開設や就労、通学などを認めなければ移民は出ていかなければならないと自覚すると擁護した。

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“文化戦争”の扇動

ミネアポリスでは、市民によるICEへの監視活動が続いていた。メトロ・サージ作戦の最中には、2人の白人抗議者がICEらによって射殺された。ICE側は正当防衛を主張し、刑事責任は問われていない。今もミネソタ州ではICEの活動が続いており、20~50人ほどの移民が週2回州外に移送されている。非営利団体が政府に提出する公開情報をもとにプロジェクトにまつわる金の流れを調査したジャーナリストのジョー・ファスラー氏は、大富豪らが運営する財団からプロジェクトの参加団体に提供された金の流れに注目した。調査では、6つの大富豪関連の財団からプロジェクトに参加する49の団体へ約200億円の資金提供が確認された。ファスラー氏は、彼らの常套手段は文化戦争を煽ること、「移民は怖い」「トランスジェンダーは怖い」「キリスト教徒以外は怖い」と恐怖心を煽り、分断を作り出せればどさくさで政策遂行が容易になる、長年規制緩和と文化戦争は連携しながら機能してきたと話した。ファスラー氏が指摘した6つの大富豪関連の財団に取材を申し込んだが、返答はなかった。

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