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オープニング映像。
丸山聡さん(30)は山形・南陽市で母親と二人暮らし。7000人に1人といわれる難病「ライソゾーム病」を患っている。細胞内の酵素が生まれつき欠損し、体内の老廃物を分解できないため、神経や内臓に様々な症状が出てしまう。筋肉に異常はないが、身体のバランスがうまく取れないので普段は車いす。言葉に詰まりやすいのも症状のひとつ。根本的な治療法はまだ確立されていない。症例数が少ないため今後の予測が難しい。中学生の時に歩きづらさを感じたのが始まりだった。父・英男さんは親の介護があるため、東京・八王子市で聡さんと離れて住んでいる。聡さんは19歳で車いす生活に。家にこもりがちになった聡さんを父が散歩に連れ出した。外に出ることでおしゃれに気を付けるようになったという。
聡さんは3年前に友人が教えてくれた障がい者モデルオーディションに参加。筋トレに励んで体重を68kgから58kgにした努力が実り、約150人の中からファイナリスト7人に選ばれた。2021年11月に行われた最終審査はYouTubeで生配信された。合格した聡さんは障がい者専門の芸能事務所「アクセシビューティーマネジメント」に所属し、モデルとしてスタートを切った。週に一度はヘルパーの手を借りてポージングを練習する。撮影した写真はSNSで公開している。モデルとしての初仕事はWEBマガジンの撮影だった。健康器具のCMにも出演した。
DAIKIさん(30)は背が伸びにくい軟骨無形成症という難病のため身長は128センチ。14歳からダンスを始め、現在はプロとして活躍。大河ドラマ「光る君へ」にも出演。CM前に登場した丸山聡さんやDAIKIさんが所属する障がい者専門の芸能事務所には48人が在籍。3年前に設立されて以来、障がい者へのオファー増え続けているという。障がいがあってもなくても好きなことで生きていくのは容易ではない。聡さんは就労支援施設で週に4日ほど働いている。モデルの仕事は月に1回程度だが、WEBマガジンの依頼が舞い込み、先方からのリクエストで髪を染めた。ファッションやヘアスタイルは自分に自信をつけられると語った。
去年6月、丸山聡さんがモデルを務めるWEBマガジンの撮影が千葉・木更津市で行われた。車いすと一緒に撮影した後は立ってポージング。苦手な左手に杖を持った。オーディションの時から撮影しているカメラマンはステップアップが目に見えるので努力を感じると語った。一緒に撮影にのぞんだ丸橋主有さん(29)は専門学校を卒業後にアパレルショップ店員や鉄道会社の駅員として働いていたが、2017年にバイク事故で頚椎を損傷、手足がほとんど動かせなくなった。聡さんのオーディション動画を見て障がいを言い訳にできないと感じたという。今春、主有さんはカナダ・バンクーバーで開かれたファッションショーに出演した。聡さんも動画でSNSで挑戦する姿を発信し、100万回以上再生されたものもある。
「NNNドキュメント’24」の次回予告。